アパートリフォームの費用相場|補助金や安くするコツ、注意点を解説

アパートリフォームの費用相場|補助金や安くするコツ、注意点を解説

アパートのリフォーム、リノベーションには高額な費用がかかるものです。しかし、リフォームをせず古いままにしておくと、なかなか借り手がつかず、空室が改善できないかもしれません。空室対策にもアパートのリフォームは効果的です。

アパートのリフォームに慣れていない方は「そもそもいくらかかるのか」と不安に感じると思います。この記事では、アパートのリフォーム費用相場や利用できる補助金について紹介しています。アパートの空室に悩まされないために、詳しい内容をチェックしてみてください。

アパートの特徴とリフォームポイント

アパートはマンションと同じく集合住宅の一つです。アパートは木造や軽量鉄骨造などがあり、2~3階建てが一般的で、いわゆるマンションより部屋数が少ないのが特徴です。アパートの空室対策を検討しているなら、絶対にリフォームしておくべきポイントがあります。それが「床」「壁」です。

アパートの床や壁は内覧のときに最も目を引く場所です。床や壁が古いままですと、部屋の印象が一気に悪くなってしまいますので注意してください。ちなみに、壁をリフォームする際には、デザインリノベーションとして「アクセントクロス」を選択することもおすすめです。お部屋の印象がおしゃれになりますので、内覧時に印象が良くなり、借り手を確保しやすくなるでしょう。

また、壁や床は防音効果の高い素材を使うこともおすすめです。集合住宅は、隣の世帯や上下階に住む世帯の生活音が響きやすいものです。しかし、壁や床に防音効果の高い素材を使えば、そのアパートに住む住人同士の生活音が響きにくい環境を整えられます。防音効果の高さは、入居者を募集する際のアピールにも使えますので検討してみてはいかがでしょうか。

なお、アパートをリフォームするときには、床や壁だけではなく「設備」にも注目しなければなりません。例えば、網戸や換気扇、エアコンなど「古くなっていないか」「不調はないか」とチェックし、必要に応じてリフォームすることをおすすめします。アパートは、設備が新しくなっているだけでも有効な空室対策になります。アパートのリフォームを考えているなら、必要に応じて設備も新しくしましょう。

アパートのリフォーム費用目安

アパートのリフォーム費用は、リフォーム内容によって大きく異なるため一概には言えません。とはいえ、アパートのリフォームには「費用目安」がありますので、大まかな予算をイメージできます。具体的な、アパートのリフォーム費用目安について見ていきましょう。

基本的な原状回復工事の費用相場

アパートのリフォーム費用について確認する前に、「原状回復工事」について知っておく必要があります。原状回復工事とは、壊れた箇所や劣化した部分などを直し、元に戻すために行うもので、入居者が退去した後必要です。

リフォームは、設備をグレードアップさせたり、現状よりも見た目(内観や外観など)を良くするために行うもので、原状回復とは違います。原状回復工事はとても基本的なものですので、費用相場を把握しておかなければなりません。

アパートの基本的な原状回復は、1㎡あたり約1万円が相場です。つまり、仮に30㎡の室内の原状回復工事を行う場合は、およそ30万円の費用が発生するということでしょう。実際は、「クロスの張替え〇〇円」「クリーニング〇〇円」などのように、一つひとつの工程ごとに費用が異なります。

場合によっては費用が2倍3倍にも及ぶかもしれません。また、アパートの原状回復工事の費用は、「リフォーム会社ごとの料金設定」でも大きく異なります。複数のリフォーム会社から見積もりを取ってみると、提示費用に差があります。アパートの原状回復費用の予算を計算したい場合は、「工事する場所の広さ(㎡)×約1万円」で計算してみてください。

水回りのリフォーム費用相場<キッチン・トイレ・洗面所・浴室>

浴室はリフォーム内容によって価格差がでやすい。予算に合わせて計画を立てよう
浴室リフォームは施工内容によって価格差がでやすい。予算に合わせて計画を立てよう

アパートのリフォームを行うにあたり、キッチンやトイレ、洗面所、浴室といった水回りを工事する場合は、それぞれ数十万円が発生します。例えば、キッチンをリフォームする場合、ミニキッチンをリフォームならば約30万~50万円程度、システムキッチンならば約50万~100万円程度が相場です。

また、トイレをリフォームするにあたり、洋式便器を交換する場合は約10万~30万円ほど、和式から洋式にするなら約10万~40万円あたりが費用相場です。洗面所のリフォームでは、洗面台の交換が約10万~20万円ほど発生します。

また、浴室はリフォーム内容によって価格差が大きく、ユニットバスを交換する場合は約50万~70万円、浴槽のみの交換は約10万~50万円ほど、バランス窯の交換は約25万円前後、3点ユニットバスのリフォームは約50万~80万円あたりが相場です。

なお、水回りをリフォームするなら、「給湯器」を入れ替えることもおすすめです。一般的なアパートであれば、給湯器が備え付けてあるでしょう。しかし、経年劣化などで給湯器が傷んでいる可能性があります。

給湯器の劣化を放置すると、トラブルの原因となりますので、リフォームを機に給湯器も新しいものに交換してみてはいかがでしょうか。ちなみに、ここでご紹介した費用相場は、工事費及び本体価格を含んでいます。

内装のリフォーム費用相場<壁・天井・床・ドア・間取り>

壁・天井・床・ドア・間取りに関するリフォームを行う場合は、数万~100万円単位で費用が発生します。壁のリフォームの場合、壁紙を張り替えるだけなら1㎡あたり1000円前後です。

天井のリフォームは、クロスの張り替えや板張り、天井板の交換で約3万~15万円ほどです。ただし、天井の高さを変更するなど、大規模なリフォームになる場合は30万円を超えることもあります。

床のリフォーム費用相場は、畳からフローリングへ変更する場合1畳あたり4万円前後、フローリングの張り替えは1畳あたり5万円前後です。また、室内ドアを新しく設ける場合は約8万~25万円ほど、室内ドアの交換は約3万~10万円前後が相場です。

玄関ドアをリフォームするならドア交換でおおむね20万~60万円で、新規取り付けや収納を増やす場合は25万~100万円あたりが費用相場です。ちなみに、間取りを変更するときの費用相場は、約30㎡で100万円前後です(2DKを1LDKにする場合)。

一口に「内装のリフォーム」といっても、内容は様々で、それぞれ相場が異なります。希望の工事内容と予算を照らし合わせながら検討してください。

外壁のリフォーム費用相場

外壁のリフォーム費用相場は、2階建てアパートの場合、塗装が約100万~300万円ほど、ベランダの防水塗装は1㎡あたり約3000~7000円程度です。

アパートを空室対策のためにリフォームする場合、室内に意識が向きがちですが、外壁も綺麗にしておくことで、借り手が付きやすくなるでしょう。また、外壁塗装をすれば、太陽光や雨風から外壁を守ることにもつながります。結果的に外壁の耐久性が高まり、建物が寿命も長くなります。

ちなみに、外壁塗装に使用する塗料には、様々な種類・グレードがあります。費用を抑えるために安価で低品質な塗料を選んでしまうと、すぐに劣化してしまい、再塗装の頻度が高くなる可能性があります。

結果的に外壁塗装に必要な総額が高くなってしまうかもしれません。「なるべく安く済ませたい」という気持ちも分かります。しかし、高品質の外壁塗料を使用したほうが、かえって費用を安く済ませることができます。

和室から洋室にするリフォームの総額はいくら?

和室から洋室へのリフォームは、借り手が見つかりやすくなる可能性がある
和室から洋室へのリフォームは、借り手が見つかりやすくなる可能性がある

和室から洋室へと変更するリフォームを行う場合、費用の総額はおおむね50万~100万円前後です(6~8畳の場合)。近年は、フローリングの物件の需要が高いことから、和室から洋室にリフォームするアパートオーナーが多くいます。

特に、若い世代は洋室を好む方が多いので、空室対策として和室から洋室へのリフォームは効果的でしょう。また、畳はダニやカビが発生しやすいという難点がありますので、衛生面から見てもフローリングはメリットが多いものです。

ちなみに、和室から洋室へリフォームするにあたり、使用する「フローリング材」には大きく2種類あります。それが「無垢フローリング」と「複合フローリング」です。無垢フローリングとは、木材をそのままスライスしフローリング材に加工したもので、木本来のぬくもりを感じられるのが特徴です。

一方、複合フローリングとは、合板や化粧材などを貼り合わせて作ったフローリングです。材料費としては、複合フローリングの方が安価です。

スケルトンリフォームの費用相場

スケルトンリフォーム(フルリノベーション)の費用は、具体的な内容によって差が大きく、約100万~1000万円ほどです。例えば、ワンルームや1Kなど、狭い部屋のスケルトンリフォームであれば、100万円台で済むことがあります。

しかし、仮に狭い部屋のスケルトンリフォームであっても、水回り設備の移動も行う場合は、1000万円近くに及ぶ場合があります。スケルトンリフォームは、壁や床などがひどく劣化しているときや、間取りを変更したいときなどに選ぶことが多い工事内容です。しかし、規模によっては高額な費用が発生しますので、慎重に検討しなければなりません。

アパートリフォームの注意点

アパートリフォームを行うにあたり、いくつか注意点があります。アパートをリフォームしたものの、空室が改善されないという問題に悩まされることもあるでしょう。リフォームは高額ですから、後悔しないように計画を立てなければなりません。ここからは、アパートリフォームの注意点について、詳しくご紹介します。

工事内容はニーズをふまえる

アパートリフォームの注意点として、まず挙げられるのが「ニーズをふまえた工事内容の計画」です。アパートを経営するオーナーの中には「ここをリフォームすれば借り手が付きやすくなるだろう」と、自分の感覚だけで決めてしまう方がいます。

また、オーナーの好みに合わせたリフォームを行うこともあるでしょう。しかし、オーナーが一人で計画したリフォームが、必ずしもニーズをふまえているとは限りません。そもそも、リフォームは「そのアパートのターゲット層」によって、適切な内容が異なります。

例えば、単身者、ファミリー世帯、カップル向けなどで最適なリフォームは違います。もしくは、地域の特性に合わせたリフォームも必要でしょう。例えば、ファミリー世帯が多いエリアのアパートで、それにふさわしい間取り(広さ)であれば、家族が利用することを想定したリフォームをしなければなりません。

アパートリフォームは、あくまでも「空室対策」のためですので、専門知識がない場合はオーナーの独断で計画を進めていくことは好ましくありません。不動産会社やリフォーム会社に客づけのために適切な工事内容を相談するなどして、ニーズにマッチするリフォームを行うことが大切です。

リフォーム予算の決め方

賃料と照らし合わせ、どのくらいで工事費用を回収できるかを踏まえて予算を立てる
賃料と照らし合わせ、どのくらいで工事費用を回収できるかを踏まえて予算を立てる

アパートリフォームを行うにあたり、注意しなければならないのが「リフォーム予算の決め方」です。アパートをリフォームして入居者を確保できた後、どれくらいの期間で工事にかかった費用を回収できるかを考えて、リフォーム予算を決めなければなりません。

この場合、賃料と照らし合わせながら、リフォーム予算を計算することが大切です。ただし、アパートをリフォームしたからといって、賃料を大幅に高くするのは気を付けてください。高額なリフォームを行ったから……という理由で、その分賃料も高額に設定してしまうと、借り手が見つかりにくくなってしまいます。

特に、「賃料が安い地域」であるにも関わらず、高額な賃料を設定してしまうと、入居者を確保できないまま時間ばかりが過ぎてしまうことになりかねません。どうしても、リフォーム費用を賃料に上乗せしたいなら、地域性や相場などをリサーチしたうえで、値上げする額が妥当であるかを判断する必要があります。

アパートリフォームは、空室対策のために有効な選択肢ではあります。しかし、リフォームしたからといって、必ずしも入居者を確保できるとは限りません。万が一の事態も念頭に置きつつ、適切にリフォーム予算を検討しましょう。

アパートのリフォームでもらえる補助金

アパートのリフォームを行う場合、国や自治体から支給される補助金もあります。しかし、必ずしもすべてのリフォームが対象となるわけではありません。補助金を利用する場合は、工事内容や賃料などの条件が設けられています。一定の条件を満たしたアパートでなければ、リフォームを行う場合であっても補助金を受け取ることができません。

補助金によって様々な条件があります。極端に言えば、「見栄えを良くしたいから」「オーナーの好みのアパートにしたいから」などの理由では補助金を受け取れないのです。ちなみに、アパートリフォームで助成金を受け取れるのは、住宅確保要配慮者(高齢者や被災者、低所得者など)向けのアパートとして登録している物件です。

この登録が済んでいる物件であれば、改修する際に国から経済的な支援を受けられます。アパートリフォームを行うにあたり、補助金の受け取りを検討している場合は、「そもそも自分のケースで受け取れるのか」を確認しなければなりません。

賃貸物件向けの自治体の補助金

アパートリフォームで受け取れる補助金の一つが、「賃貸物件向けの自治体補助金」です。賃貸物件向けの自治体の補助金は、アパートが建つ自治体によって金額や条件が異なります。2つの自治体を例に、賃貸物件向けの自治体の補助金をご紹介しますので、参考にしてみてください。

【東京都世田谷区】
東京都世田谷区では、「世田谷区環境配慮型住宅リノベーション推進事業補助金」として、賃貸物件を環境に配慮したものにリフォームするための費用が一部補助されます。節水トイレに交換するといったリフォームも補助対象となりますので、入居者を確保しやすくなるうえに、経済的な負担を軽減できます。

参考:「令和2年度 世田谷区環境配慮型住宅リノベーション推進事業補助金│世田谷区」

【東京都葛飾区】
東京都葛飾区では、「集合住宅用かつしかエコ助成金」として、補助金を支給しています。太陽光発電システムの設置や断熱工事、塗装など、エコに関するリフォームを行う場合に活用できます。

参考:「令和2年度 《集合住宅用》かつしかエコ助成金のご案内│葛飾区」

賃貸物件向けの自治体の補助金を利用する際、条件として「税金支払いの滞納がないこと」「特定の材料(塗料など)を使用すること」などが設定されています。もし、条件を満たせない場合は、アパートリフォームで補助金を受け取ることができませんので、注意してください。

リフォームローンは賃貸向けのプランになる

アパートリフォームを実施したいけれど、予算が確保できないという場合は、金融機関が提供する「リフォームローン」の活用が必要です。中でも「賃貸向けリフォームローン」は、賃貸物件向けの金融商品で、金利変動型(一定期間ごとに金利が見直されるシステム)が一般的です。

賃貸向けのリフォームローンは、一般住宅向けの金融商品とは異なり、入居率に応じて金利が変動するなど、オーナーに嬉しいシステムを設けている金融機関もあります。ただし、逆に何らかの要因によって、金利が高くなるケースもありますので注意してください。

「修繕費」と「資本的支出」のどちらに該当する工事か

アパートリフォームを行う場合、行う工事が「修繕費」と「資本的支出」のどちらに該当するかを明確にしましょう。主に、壊れた場所を直すリフォームや、総額が20万円以下の工事は「修繕費」と判断されます。

一方、リフォームを検討しているアパートの資産価値を高めるための改修であれば「資本的支出」です。例えば、間取りを変更したり、スケルトン工事のような大規模リフォームをしたりする場合が該当します。

資本的支出の場合、減価償却資産(消化減却資産)として認められます。とはいえ、修繕費と資本的支出の線引きは難しく、専門的な知識がない方では判断できないかもしれません。アパートのリフォームを検討しているものの、修繕費と資本的支出のどちらに該当するのか分からない……という場合は、リフォーム会社などの専門業者に相談してみてください。

リフォーム費用を安く抑える方法

リフォーム費用を安く抑えるには、「DIY」がおすすめです。材料を自分で調達し、内装などを自分でリフォームできれば、外注費を節約できますので、結果的に費用を安く抑えられます。

また、「DIYでリフォームするのは難しい」という場合は、施主支給がおすすめです。リフォーム作業は専門業者に任せ、材料の調達を自分で行えば、その分業者の作業が少なくなりますので、外注費用を安くできます。

ただ、「注文したキッチンのサイズが合わなかったため持ち出し」「リフォーム業者によっては、施主支給を嫌がる」といったケースがありますので、注意してください。ちなみに、リフォーム業者にすべてを一任するのではなく、分離発注することでアパートリフォームの費用を安く抑えられる場合があります。

分離発注とは、例えばオーナーであるあなたが水回り工事は「水回り専門業者」、壁紙張替えは「クロスに関する専門業者」など、各専門業者に発注することです。ただし、忙しい方や、手間を省きたいと考えている場合は、分離発注は不向きです。手間も時間もかけられないけれど、アパートリフォームを安く済ませたい方は、複数のリフォーム業者から見積もりをとって、最も安い業者に依頼しましょう。

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公開日 2020年8月20日
更新日 2020年10月22日

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