L型キッチンとは?特徴やメリット・デメリット、リフォーム費用を紹介

L型キッチンとは?特徴やメリット・デメリット、リフォーム費用を紹介

「L型キッチン」とはキャビネットをL字型に配したキッチンスタイルのこと。作業スペースを広く取れるため、料理好きの人に人気のスタイルです。L型キッチンのメリットとデメリットをきちんと把握して、自宅キッチンのリフォームの参考にしてみて下さい。

L型キッチンとは

 L型キッチンは特に壁付けの場合I型キッチンにに比べ収納力も高いキッチンである
特に壁付けのL型キッチン、I型キッチンに比べ収納力が大幅に高まる

L型キッチンとは、キャビネットをアルファベットのL字型に配置したデザインのキッチンのこと。

基本的にコンロとシンクが90度で向かい合うように設計されることが多いのですが、デザインはさまざまです。よくあるI型はシンクとコンロと作業台が一列に並んでいます。それに対してL型はシンクとコンロが横並びではない位置に設置されているのが特徴です。

L型キッチンは、左右どちらにも作業スペースを広く取ることができ、料理好きの人には人気のレイアウト。L型キッチンを設置する際は、L型キッチンならではのメリットとデメリットそれぞれを把握し、家庭に合ったレイアウトやサイズを検討しましょう。

L型キッチンの一般的なサイズ、寸法は?

L型キッチンは、I型キッチンと比べてキッチンスペースの奥行が長くなるので、スペースに制限がある空間では設置できない可能性があります。

L型キッチンの奥行は65cmが一般的。幅は、コンロ側が短く、カウンターが長いパターンが多いようです。短い方は約165cm、長い方は約180cm~を目安に考えておきましょう。

システムキッチンはメーカーによってサイズが決まっていることが多いので、設置したい場所におけるかどうかを確認することが必要です。通常の横長のI型キッチンに比べてL型キッチンは大きいので、自宅のリビングに収まるのか、寸法を確認するところからはじめましょう。

L型キッチンのレイアウトは壁付けと対面の2種類

対面部分をセミオープンにすることで、開放感と独立性を良いとこどりできる
対面部分をセミオープンにすれば、機能性と独立性を両立できる

L型キッチンのレイアウトは主に2種類あります。ひとつは2辺を壁に接して配置する壁付けパターン。もうひとつは1辺だけを壁付にして、もう1辺はオープンキッチンにする対面パターンです。壁付けか対面か、それぞれ使い勝手や作業動線が違うので生活スタイルに合った配置にするといいでしょう。

L型キッチンのメリット

シンクとコンロだけでなく、冷蔵庫や食器棚との動線も考慮すると理想的なワークトライアングルに
シンクとコンロだけでなく、冷蔵庫や食器棚との動線も考慮すると理想的なワークトライアングルに

作業動線が短くて楽

L型キッチンの最大のメリットといえば、作業動線の効率の良さです。一般的なI型キッチンでは、シンクからコンロへ移動する際、横にスライドする形になり、単純にキッチンの長さの分だけ動線が長くなります。L型キッチンになると、横への移動はほとんどせずに済むので動線が短くなります。中央に立ったとき、シンクとコンロが左右に振り分けられている形なので、体の向きを90度変えるだけで両方の作業が可能です。下ごしらえ、洗い物、調理という一連の作業を少ない歩幅でスピーディに進められるので、使い勝手の良さは抜群。家事の時間が快適になるでしょう。

キッチンスペースが広くなり、ゆとりをもった調理作業が可能

作業スペースを広くとれることもL型キッチンの魅力です。特にコーナー部分は奥行もあり、調理済みのお鍋を置いておいたり、大きなお皿を並べたりがストレスなくでき、便利に使えます。収納場所が多く、調理や盛り付けなど一連の作業スペースが十分に確保されているので、ゆとりをもって作業できるのもメリットです。

複数人での作業もしやすい

複数人で調理をすることが多い家庭でも、L型キッチンなら作業スペースが広く、便利に使えます。食材を切る人、コンロで調理をする人、洗い物をする人などが、一度に作業できます。

L型キッチンのデメリット

台所空間が小さい間取りだと、 L型は、I型より奥行きがいるので、通路との兼ね合いで冷蔵庫を上手く配置できないことも
L型はI型より奥行きが必要。 台所空間が小さい間取りだと、使い勝手が悪化してしまうケースも

キッチンの設置に奥行きが要るので、サイズに注意

先ほど紹介したとおり、一般的なI型キッチンと比べるとL型キッチンは多くのスペースを必要とします。I型キッチンからL型キッチンに変更する場合には、キッチンスペースをうまく確保できない場合があります。

スペースに余裕はないものの、どうしてもL型キッチンにしたいいう場合は、リフォーム会社に現場を調査してもらい、相談してみると解決策が見つかるかもしれません。キッチンだけでなく、ダイニングやリビングを含めた空間全体のバランスを考慮して検討する必要があります。

冷蔵庫や食器棚は動線を考えないと作業効率が落ちる

動線の短さが魅力的なL型キッチンですが、コンロとシンクの配置によっては、逆に使いづらくなってしまうことも。キッチンとシンクの距離は慎重に決めなければなりません。

冷蔵庫やカップボード(食器棚)などの配置も重要です。冷蔵庫から食材を出し、調理して盛り付けるという一連の作業に無駄がないような動線にすることで作業効率がアップします。キッチンの入り口付近に冷蔵庫があれば、飲み物などを出し入れする家族ともぶつかることなく、使い勝手がいい動線といえるかもしれません。

スペースにゆとりがある場合は問題ありませんが、狭い空間に無理にL型キッチンを設置してしまうと、使いやすい位置に冷蔵庫や食器棚を置けなくなり、結果的に使い勝手の悪いキッチンになってしまいます。どれくらいの距離がちょうどいいのかは人によって好みが異なるので、自分や家族に合うかどうかを考えながら選びましょう。

ワークトライアングルを参考に、シンクやコンロとの距離に配慮しよう

調理をするとき、一般的には「シンク」「コンロ」「冷蔵庫」の3か所を頻繁に行き来することになりますが、この3点をつないだ線のことを「ワークトライアングル」と呼びます。このワークトライアングルが正三角形に近づくほど、作業動線がいいとされています。

コンロとシンクが90度で向かい合うように設置できるL型キッチンではワークトライアングルを短く設計することが可能。ワークトライアングルが正三角形だとしても、距離が近すぎるとNG。調理スペースが狭く、複数人でキッチンに入ると窮屈に感じてしまいます。

コーナー部分がデッドスペースになりがち

コーナー部分に家電製品を置く場合には、コンセントの位置や個数なども話し合っておこう
コーナー部分に家電製品を置く場合には、コンセントの位置や個数などもしっかりと検討したい

L型キッチンの90度に曲がっているコーナー部分がデッドスペースになりやすいのがL型キッチンの難点。どう使っていいかわからず、デッドスペースになってしまっているパターンも多いようです。

あえてシンクを設置するというアイデアや思い切ってコンロを設置してみるという選択肢も。コーナー部分のサイズにぴったり合う家電があれば、電子レンジや食器洗い乾燥機などを置いてしまうのもいいかもしれません。

レシピ本を広げたり、お気に入りの雑貨を飾るなどしてインテリアを重視するのも素敵です。デッドスペースになりがちなコーナー部分をうまく使う工夫がL型キッチンを使いこなす肝になるでしょう。

コーナーに調味料などを置いて収納スペースとして活用

コーナー部分を収納スペースにするのもおすすめ。コーナーのサイズに合うオープンタイプの収納棚を取り付けて調味料を置けば、料理中にも取り出しやすくて使い勝手がいいでしょう。お気に入りのお皿やグリーンなどのインテリアをディスプレイすればおしゃれなキッチンに。L型キッチンのデッドスペースを上手に活用できる便利な収納グッズも豊富にそろっているので、用途や目的、好みのインテリアテイストにあわせて探してみてください。

L型キッチンのリフォーム費用目安

キッチンのリフォームでは、「解体工事費用」と「キッチン取り付け費用」がかかります。リフォームをする上で費用面も検討事項として重要です。

電気系統工事や壁のクロス張替えなど、現場の状況に応じて「付随工事」が必要な場合、費用が上乗せされます。具体的な見積もりが欲しい場合は、リフォーム業者に現地調査をお願いしましょう。

L型キッチンの費用相場をI型キッチンと比較

L型キッチンへリフォームする際の費用目安は、シンプルなもので50万~100万円程度。グレードによって200万円ほどになることもあります。I型キッチンと比べると、価格帯は少し高めになることが多いようです。どのような設備機器を選ぶかによっても変わってきますし、住まいの状況によって変更箇所が多く発生すればそのぶん費用も多くかかります。

壁付けや対面、オプションなどデザインによっても違う

壁付けタイプか対面タイプかによってもリフォームの規模は変わってきます。たとえばキッチンの壁側スペースに余裕があればいいのですが、中には壁にインターフォンが設置されていたり、窓や勝手口があるケースも。

位置を移動する工事が必要になる場合はリフォームの規模が大きくなり価格もアップします。壁や床のリフォームを伴う場合、オプションの有無やデザイン、設置するスペースの状況など、さまざまな条件で価格は上下します。リフォーム業者に見積もりを取り、最善の方法を相談してみましょう。

リフォームするとしたらどちらにする?壁付けor対面

L型タイプにキッチンリフォームする際は、壁付けか対面かのどちらかになります。設置したいスペースの間取りや広さによって設置できるキッチンのサイズが変わります。冷蔵庫や食器棚を置くスペースも確保しなければなりません。リフォーム会社と相談しながらどちらがいいか検討しましょう。完全な壁付けタイプにするか、対面式にするかを選べるのもL型キッチンにリフォームするメリットです。

壁付けは調理に集中したい人におすすめ

二面とも壁についている壁付けタイプのL字型キッチンは、コンロやシンクの前が壁になっているので、油はねや水の飛び散りがあまり気にならず、掃除もしやすいのが特徴です。二面の壁に吊り戸棚を取り付ければ大容量の収納にもなります。

採光のために窓を取り付けるとしても収納の場所は十分に確保できるので、調理道具をたくさん持っている人は安心かもしれません。壁や窓に向かって作業をするほうが集中できるタイプの人なら、L字ラインを二面とも壁に付けるように設置するのがおすすめです。

壁の二面をキッチンが占めるので、冷蔵庫や食器棚のレイアウトには工夫が必要になります。キッチンの中央にダイニングテーブルを置けば配膳も楽になりますし、ダイニングテーブルを作業台としても使うこともできます。壁付けのL型キッチンの使い勝手をさらにアップするため、アイランドカウンターをプラスするというレイアウト方法もあります。

対面式は作業中に家族とも話せるのが魅力

対面タイプは、壁付きL型キッチンとI型対面キッチンのよさを兼ね備えたようなキッチンです。L字ラインの一面のみが壁に向くように設置することで、調理作業に集中したいときには壁の作業台のほうを向き、対面の側を向けば家族の気配を感じられる、使い勝手の良さが魅力です。

一般的なI型の対面式タイプは、調理中の油や水がダイニング側に飛びやすい、ダイニング側にコンロがあるのが心配……などのデメリットがありますが、L型キッチンであれば、コンロやシンク部分が壁側に配置されるので問題ありません。

二面とも壁付きのデザインほどではありませんが、一面でも壁にキャビネットが接しているので、壁面を利用した収納スペースもある程度確保することは可能。ダイニング側からは収納スペースやコンロが見えにくいので、生活感を感じさせず美しい見た目を保っておけるのもメリットです。

公開日 2020年9月3日
更新日 2023年3月22日

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