「オーク」の愛すべき特徴とおしゃれなオーク材インテリア・レイアウトを紹介

「オーク」の愛すべき特徴とおしゃれなオーク材インテリア・レイアウトを紹介

ナチュラルな雰囲気と丈夫さを兼ね備えたオーク材は、多くの家具やフローリングに用いられ、優れた特性を持っています。用途が幅広く、さまざまなインテリアに取り入れやすいのも、オーク材の魅力です。

今回は、オークという木の特徴に加えてインテリアへ活用する方法をまとめました。

オーク材とはどんな木材?

オークとは、ブナ科コナラ属の落葉広葉樹です。日本では、「ナラ」または「ミズナラ」と呼ばれ、どんぐりがなる木として知られています。日本をはじめ、北米やヨーロッパなど北半球に分布しており、育つ場所によって木目や木径などが変わります。南へ行くほど成長が早くなるため大きい木目となります。

オークは他の種類の木よりも大きく育ち、威風堂々とした佇まいから、ヨーロッパでは「森の王」と称されます。オークの種類は数百にものぼり、家具の原料として使われてきました。その歴史は古く、ギリシャ・ローマ時代の遺跡からオーク材を使用して作られた家具が発掘されているほど。

現在、オークの木材「オーク材」は住宅や店舗の床材として使用されることが多く、フローリング材として世界で最も多く用いられる人気の高い木材です。その他にも、オークはワインやウイスキー熟成に用いられる樽などの原料として幅広く使用されています。

オーク材の種類

ひと口にオークと言っても、原産地や原料の特性が異なる複数の種類があります。数百種類存在するオークの中でも、家具や床材などに用いられることでよく知られるのが、以下の3種類です。

木目が細かい「ナラ材」(ミズナラ)

木目が細かい「ナラ材」(ミズナラ)

オークの中でも最も希少価値が高く高価な木材とされているのが、北海道やロシアなどの寒い地域で育つナラ材です。

他のオークよりも荒い木目と色の白さが特徴で、木に含まれる水分が多く燃えにくいことから「ミズナラ」と呼ばれています。加工しやすいため、床材のほかに家具や船舶、ウイスキー樽に用いられることもあります。

ミズナラは、日本固有のオークです。とくに北海道産のミズナラは、その木目の美しさと細かさから「ジャパニーズオーク」として世界中のオークの中でも最高峰と称されるほどの品質の高さで、希少な木材として輸出されてきました。そのため、良質なミズナラを原料としたナラ材は、価格も他のオークよりも高価です。

きめ細かく美しい白い木肌と目の詰まった上品な年輪、輝くような白いミズナラは良質で貴重なオーク材です。白檀や伽羅などのお香のようなオリエンタルな香りも、ミズナラを原料としたナラ材の大きな特徴といえます。

北米産の「ホワイトオーク材」

北米産の「ホワイトオーク材」
希少な日本産のナラ材とよく似ているため、代替材に使用されるホワイトオーク材

アメリカやカナダ原産のホワイトオーク材は、白みがかった色が日本産のナラ材とよく似ており、ずっしりとした重量感のある質感と硬さが特徴です。

木の導管を閉塞させる「チロース」という組織が発達していることから耐水性が高く、液体の保管に適しているので、ワインやウイスキー、シェリー酒やバーボンを熟成する樽に使われます。

ホワイトオークで作られた樽で熟成したウイスキーは、ナッツやバニラのようなフレーバーが加わります。近年、産出量が減少している日本産のナラ材は希少なため、床材にはよく似た色合いを持つホワイトオーク材を代替品として使用するケースもあります。

木目が目立つ「レッドオーク材」

ホワイトオークと同様に北米産のレッドオーク材は、その名の通りの赤みがかった色とはっきりとした木目が特徴です。ホワイトオークより柔らかくて加工しやすく、重厚さがあり強度が高く衝撃に強いものの、乾燥した際の収縮が大きく割れたり曲がったりしやすいこともあります。

ホワイトオークのようにチロースが発達していないため耐水性は低く、酒樽には不向きです。一方で、他のオークよりも力強い赤みが独特の重厚な印象を与えてくれるので、どっしりとした家具やインテリアの原料には適した木材です。

オーク材のメリット

オーク材が持つ特徴は、家具や床材として魅力的なメリットが数多くあります。オーク独特のテイストや機能性を活かせば、長く愛用できる家具や床材となります。

木目が美しい

オーク材の最大の魅力は、美しい木目。木材は切り出し方によって「板目」「柾目」「虎斑」の3種類の木目がある

オーク材の最大の特徴が、美しい木目です。木材は丸太の状態から切り出した板で、天然木のオーク材には、切り出し方により3種類の木目があります。

板目

「板目」とは、木材を切り出す際、丸太の中心を避けて縦にスライスすると出てくる曲線の模様です。力強い山形の曲線はオークの板目の特徴で、1本の丸太から切り出せる量も多いので安価です。

手頃な価格のフローリング材に使用されるオーク材は板目が多く見られます。ハッキリとした木目が重厚感を演出してくれるので、家具にも適しています。

柾目

板目とは反対に、丸太の中心部分を切り出した際にできる、直線的で平行な木目です。テーブルなどに使用すると板目よりもシンプルですっきりとした印象となり、ナチュラルテイストの家具に用いられることもあります。

虎斑

丸太の中心部分で柾目を切り出す際に出てくる、オーク材独特の縞状の「斑(ふ)」と呼ばれる木目です。まるで銀色の虎の毛のように見える模様から、このような名が付いています。柾目を切り出せば必ず出てくるものではなく、希少価値が高い高価な木目です。

高い耐久性・耐水性

高い耐久性・耐水性
耐久性・耐水性があるオーク材は、床材やテーブルに適した木材。飲み物をこぼしたときは、慌てずサッと拭き取ればOK

重量があり硬く丈夫なオーク材は、高い耐久性と耐水性を持つ木材です。液体をこぼしても変質しにくいので、傷や水、汚れに強い木材として、床材に最適です。

伸び縮みが少ない

自然の素材をそのまま使用している無垢材は、湿度が高いときは湿気を吸収、逆に乾燥しているときは湿気を放出する「調湿作用」があります。

この作用により、木材は伸縮をしてしまうため、木の種類によっては曲がったり割れたり、フローリングに使用した場合は木材同士に隙間ができてしまうことがあります。

その点、硬いオーク材なら湿気の吸収・放出をしても伸び縮みが少ないため、取り扱いやすい点が大きなメリットです。

価格が安い

針葉樹と広葉樹を比較すると、広葉樹の方が高額です。オークは広葉樹の一種ではあるものの、他の種類の広葉樹よりも価格が安めです。北海道産のミズナラや虎斑は希少で高額ですが、他の種類のオークや木目を選ぶことで、比較的安価に入手可能です。

防虫効果がある

天然の木材には虫がつきものとイメージされがちですが、オークには、お茶や渋柿にも含まれているポリフェノールの一種「タンニン」が含まれています。虫はタンニンを嫌う習性があるため、害虫が寄りつきにくくなります。このことから、オーク材には防虫効果が期待できます。

オーク材のデメリット

オーク材にはたくさんのメリットがある一方、いくつかのデメリットも存在します。大切なオーク家具を長く愛用するために、以下に挙げる注意点も把握しておきましょう。

定期的な手入れが必要

定期的な手入れが必要
耐久性があるとはいえ、オーク材などの無垢材には定期的なお手入れが必要。オイルやワックスを使って傷や汚れをコーティング

オーク材に限らず、無垢材は定期的に手入れをする必要があります。オーク材はそのままフローリング材として使用するのではなく、オイルや樹脂で塗装を行うのが一般的です。

オイル塗装をしたフローリングの場合、使用していくうちにオイルが乾いてしまうので、メンテナンスとして定期的な専用のオイルの塗布が必要です。

さらに、乾拭きをするなど日常的なケアも不可欠です。樹脂塗装を行ったオーク材も、光沢を維持するために定期的なワックスがけを行いましょう。

オイルも樹脂も塗っていない無塗装のオーク材は、傷や汚れが付きやすく、ささくれもできやすい状態です。基本は乾拭きでの手入れを行い、ささくれができた箇所はサンドペーパーなどで削ります。

これらの手入れは木材全体に行う必要があるため、どのような塗装を行っていたとしても、どうしても手入れの手間がかかってしまう点が、オーク材のデメリットといえます。

熱伝導率が大きい

熱伝導率が大きい
広葉樹であるオーク材は、熱伝導率が大きめ。冬場のフローリングは素足で歩くと冷たいので、スリッパや厚手の靴下などで対策を

木材は、原料となる木の特性により熱伝導率が異なります。柔らかな木であればたくさん空気を含んでいるので熱伝導率は小さく、冬場の寒い時期に手で触れても冷たく感じにくい傾向にあります。

針葉樹と広葉樹では、針葉樹の方が熱伝導率が小さいといわれますが、これは木に空気を含む細胞が細かく小さいためです。

オークなどの広葉樹は硬くて丈夫である分、含んでいる空気の量が少ないため、熱伝導率はやや大きめです。フローリング材にオークを使用した場合は、寒い日に素足で触れると、瞬間的に体温を奪われ、ヒヤッと感じてしまいます。

オーク材を使用した、おしゃれなインテリア・家具レイアウト実例

床材から家具まで、幅広いアイテムに使用できるオークは、おしゃれな空間づくりやインテリアのアクセントにも活用できる木材です。そこで、ダイニングやリビングなどでオークの特徴や色味を活かした、インテリアや家具レイアウトの実例を紹介します。

キッチンカウンターと天井の色味が統一感を演出

キッチンカウンターと天井の色味が統一感を演出

キッチンカウンターのほか、フローリングやキッチン収納、ダイニングテーブルセットにもオーク材を使用すると、統一感のあるシンプルモダンな印象に。

使用するオーク材の色を統一すると天井の色味ともマッチし、より統一感を演出しやすくなります。天井にオークを使った化粧梁でアクセントを加えるのもおすすめです。

オーク材テーブルとソファで寛げるリビングに

リビングをオークの無垢材で作った家具で揃えると、温かみのある空間に仕上げられます。北欧風のナチュラルテイストにしたいのであれば、シンプルで細身の脚のテーブルやソファなどを置くのがおすすめ。

ホワイトオークのテレビボードやサイドチェストなどを加えることで、統一感のあるコーディネートも実現できるでしょう。

丸いオーク材のダイニングテーブルで食卓の会話もスムーズに

丸いオーク材のダイニングテーブルで食卓の会話もスムーズに

ダイニングテーブルは四角い形状のものが多いですが、思い切って円形のダイニングテーブルにしてみるのもひとつのアイディアです。円形のテーブルは四角いテーブルのような角がなく、心理学的には緊張感を和らげて安定したイメージをもたらすといわれます。

優しい色合いと木の香り、自然の木の温かみを持つオーク材の円形テーブルでの食事は家族の会話もスムーズに進み、よりリラックスできる団らんの時間を作りやすくなります。

デザイン性も使い勝手も良いオーク材チェスト

デザイン性も使い勝手も良いオーク材チェスト

オーク材のチェストは木材の種類によっても色合いを選択できるので、自宅の雰囲気や他の家具とのコーディネートしやすく、統一感のあるインテリアとして最適。

自然の風合いが魅力のオークは、経年変化で色がだんだんと濃く変わっていくため、使い込むほどに変化する色合いを楽しめるのも、オーク材の家具の魅力です。

公開日 2021年1月14日
更新日 2023年3月22日

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