「バランス釜」って何?メリット&デメリット、使い方、リフォームについて徹底解説

「バランス釜」って何?メリット&デメリット、使い方、リフォームについて徹底解説

賃貸の物件探しをしていると、物件情報の欄に「バランス釜」と記載されていることがあります。最近は見かけることが少なくなりましたが、築年数が古い住宅などでは今でも活躍しているバランス釜。慣れないと使いづらい部分もありますが、メリットもあるバランス釜について詳しくご紹介します。

「バランス釜」その名前の由来と特徴

吸気と排気をバランスよく行うことから「バランス釜」と命名

バランス釜とは、ガスを使ってお湯を沸かす給湯器のこと。浴槽とシャワーヘッドが付いていて、一般的なお風呂と同じように使うことができるものです。バランス釜の「バランス」という名前の由来は、ガスを燃焼させる仕組みに関係しています。

バランス釜はガスを燃焼するときに、室内の空気ではなく室外から空気を取り入れ、同じ量の空気を排出する仕組み。この吸気と排気をバランスよく行うことからバランス釜と呼ばれているようです。

昔は、浴室内の空気を燃焼して屋外に排出するものでした。排気が逆流すると浴室内で一酸化炭素中毒になるという事故の危険性がありましたが、バランス釜の登場によってそんな事故のリスクも減りました。

バランス釜のお湯を沸かす仕組みとは

バランス釜はガスを使ってお湯を沸かす装置。外から取り入れた空気でガスを燃焼させ、燃焼したことで発生した排気ガスを外に排出する仕組みで、外気が出入りする給気口と排気口が付いています。

浴槽には2つの穴があり、連絡管をとおしてバランス釜とつながっています。下の穴から浴槽の冷たい水を給湯器内に取り込んで、上の穴から浴槽に熱いお湯を戻し循環させることで、浴槽内のお湯を沸かす仕組みになっています。

バランス釜はお風呂のお湯を沸かすだけでなく、蛇口やシャワーからお湯を出したり、冷めてしまった浴槽のお湯を追い炊きすることもできます。

バランス釜のメリット

シャワーだけでの使用も可能

バランス釜はシャワーだけで使うことも可能です。つまり、風呂釜を設置しなくても、バランス釜だけで使うこともできるので、湯船に浸かる習慣があまりないという人であればシャワーだけの利用も可能。

バランス釜の部屋は、普通のお風呂のお部屋と比べて家賃が安めに設定されていることが多いので、シャワーを浴びることがメインで家賃の安い物件を探しているという人にとってはメリットになるでしょう。

停電しても使用できる

バランス釜は電池を使って着火するので、停電した時でも使用することができるのが強みです。最近多いオール電化住宅では停電するとすべてのライフラインが止まるという弱点がありますし、最新の給湯システムの多くは浴室内の液晶画面を操作して可動させる仕組みになっているので、電気がないと困ることも。

バランス釜は電気ではなく、アルカリ乾電池を使って着火をするので、寒い冬に停電したときもお湯を出すことができるというのは安心です。

追い炊きができる

お風呂を沸かすだけでなく、追い炊き機能があるのもバランス釜のメリット。家族で順番にお風呂を使うという家庭や、半身浴などで長時間浴槽に浸かりたいという時にも役立つ機能です。

バランス釜のデメリット

バランス釜はガス代がかかる

バランス釜は、ガスを使用して水を温めることでお湯を沸かす仕組みのため、ガス代がかかります。給湯式の電気代の方がコスパは良いかもしれませんが、追い炊き機能がついているぶん、水道代が節約できるというメリットがあるので、使い方次第ではそれほど気にならない場合もあります。

お湯を沸かしても、冷めるのが早い

外へ排気する構造上、保温性の面では普通のお風呂に劣るのがデメリット。バランス釜は外とつながっているので、外気の影響を受けやすいという特徴があります。外気温が低いと中の管も冷え、そこを通るお湯も冷めやすい傾向に。冷めてしまったお湯が浴槽に入ることでお湯が冷めやすくなってしまいます。頻繁に追い炊きを利用してあたたかさを保っておく必要があります。

風呂釜のサイズが小さい

バランス釜の幅は約30cmあり、浴槽の横に接するように設置しなければなりません。浴室の幅は決まっているので、バランス釜を設置したぶん、風呂釜のサイズが小さくなってしまうというのが難点。人によっては狭く感じるかもしれませんが、そのぶん貯められるお湯の量も少ないので、水道代が安くなるという考え方もあるかもしれません。

シャワーの水圧が弱い

バランス釜の一番の弱点ともいえる「水圧の弱さ」。節水タイプのシャワーヘッドに交換するなどの対策を
バランス釜の一番の弱点ともいえる「水圧の弱さ」。節水タイプのシャワーヘッドに交換するなどの対策を

シャワーの水圧が弱いというのがバランス釜のいちばんのデメリットかもしれません。バランス釜は一般的にバーナーの容量が小さいので、お湯を沸かす能力が低く、シャワーの水圧が弱く感じられます。

シャワーから出るお湯の量が少なく、冬場は特になかなか温まらないのがつらいということも多いようです。物足りなく感じるという人もいるようなのですが、弱い水圧でも勢いよく水が出る節水タイプのシャワーヘッドなどに交換することで解消できる場合もあります。

清掃が面倒

浴室に風呂釜と給湯器を置いて設置するバランス釜は、どうしても床や壁との間にスキマができてしまいます。こうした細い隙間は、カビが生えやすいので、こまめに漂白剤などで掃除した方がよいのですが、手はもちろん掃除道具も入りづらく、掃除が困難。カビや汚れがひどいときは専門の業者に掃除を依頼する方がいいかもしれません。

そのほかにも、追い炊きしているときの音が大きいことや、追い炊きを続けていると沸騰してしまうことがあるなど、デメリットはいくつかあるようです。

バランス釜の使い方

仕組みを知ると複雑に感じるバランス釜ですが、操作は覚えてしまえばそれほど難しくありません。ただ、ガスを使うのでしっかりと注意すべき点を理解し、安全に配慮して使う必要があります。

ガスの元栓を開き、つまみを「口火」にして点火

まずは浴槽に水をためてから、ガスの元栓を開きます。ホースの位置に対してレバーをタテにします。次に、つまみを「口火」に合わせて点火しましょう。つまみが「止」の位置にあるので、押さえながら「口火」の位置に合わせます。「チチチチチ」という音がして、「口火」のランプが点滅しはじめます。着火したら、つまみを「給湯・シャワー」に合わせましょう。

バランス釜は点火をすることでガスを燃焼させますが、点火がうまくできていない状態で進めてしまうとガス漏れが発生します。点火を確認するランプが付いていないタイプの場合は、点火窓を覗き、炎を確認しましょう。バランス釜は使い終わったら、1回ごとに必ずガスの元栓を閉めるのが重要です。ガス漏れのリスクを減らすために必ず習慣にしておきましょう。

【空焚き】によるダメージに要注意

バランス釜を使うときに注意しなければならないのが「空焚き」です。追い焚きをするときには、浴槽に水やお湯を張った状態するのがルール。水を張り忘れたままだったり、連絡管よりよりも水位が低い状態で追い炊きをすると「空焚き」の状態になり、バランス釜が変形して水漏れの原因になったり、給湯器の不完全燃焼が起こり火災の危険性もあります。

バランス釜の寿命とリフォームについて

バランス釜の交換時期

バランス釜の寿命は10~15年くらいだといわれています。劣化が原因による事故やトラブルを防ぐため、10年を過ぎて異常を感じたら点検や交換を検討しましょう。バランス釜から異臭がする場合、特にガス臭さを感じたら、ガス漏れや不完全燃焼などが原因だと考えられます。焦げ臭さは、バランス釜の中の部品の劣化が原因かもしれません。

着火に時間がかかったり点火する際などに大きな音がするのも故障だと考えていいでしょう。大きな音は特に危険。放置したまま使い続けるとバランス釜が破裂する可能性もあるので交換を検討しましょう。

バランス釜を使用しているマンションなどは築年数が経過していることが多く、バランス釜自体も10年以上経過している場合があります。賃貸物件では居住者の不注意で事故を起こしてしまい大掛かりな修繕になると費用を負担しなければならないケースもあります。部品の劣化は、火災や爆発など思わぬ大事故になる危険性もあるので、安全のためにときどききちんと点検を行いましょう。

バランス釜交換時の注意点

バランス釜が点火しないなど不調があるときは、電池切れや部品の劣化などが考えられますが、点検や修理は素人がやるのは困難。勝手に修理を試みて状態を悪化させてしまうリスクもあるので、賃貸のマンションやアパートの場合はまず、すぐに管理会社か大家さんへ連絡しましょう。

給湯設備の決定権は大家さんにある

賃貸物件では、バランス釜は管理会社や大家さんが所有しているもの。寿命に達したときや機器が原因で発生した故障であれば、新品に交換することになりますが、この場合の費用は管理会社か大家さんが負担します。

ただし、まだ使えるバランス釜を居住者の希望でリフォームしたいという場合、費用は居住者の負担になります。このときも勝手に交換してはNG。費用の負担がどちらになるにしても、まずは許可を得てからというのが原則です。

バランス釜のリフォームパターン

バランス釜をほかのお風呂にリフォームする際はいくつか方法があります。とはいえ、バランス釜が故障したとき、どの給湯設備にリフォームするか、その決定権は大家さんにあるので、バランス釜以外のお風呂に変更したくても居住者は選ぶことができません。大家さんの意向でバランス釜へのリフォーム以外はできないことがあるということを覚えておきましょう。

ガスふろ給湯器にリフォームする場合

バランス釜のリフォームとして一般的なのが、ガスふろ給湯器への交換。費用はかかるが、利便性やメリットを考えると十分な価値あり
バランス釜のリフォームとして一般的なのが、ガスふろ給湯器への交換。費用はかかるが、利便性やメリットを考えると十分な価値あり

バランス釜からのリフォームとして一般的なのが、ガスふろ給湯器へのリフォームです。主流となっているのが、給湯器を屋外に設置するタイプ。給湯器から離れた浴槽でもポンプでお湯を循環させてお湯はりや追い炊きができるので、浴槽が広くなるというメリットがあります。

バランス釜と比べるとリモコン操作できるなど機能が充実していることやメンテナンスがしやすいなどの特徴も。多くの住宅で採用されているガスふろ給湯器なので、種類が豊富で幅広いラインアップの中から選べるのもメリットです。

デメリットとしては、電源が必要になり、停電時は使用できなくなってしまうこと。電気工事も必要です。バランス釜を設置するためには、屋外に排気と吸気が必要なので壁には穴が空いています。この穴をふさぐ工事も合わせて必要になります。

給湯器から浴槽までの距離が長くなるのでリフォーム費用はやや高くなりますが、次回以降の交換がしやすいこと、給湯器を屋外に設置するためトラブルに対応しやすいことなどからガスふろ給湯器への交換は一般的になっています。

ホールインワン(壁貫通型給湯器)にリフォームする場合

バランス釜を設置のための穴をふさぐ工事が必要なガスふろ給湯器に対し、この穴を利用した給湯器が「ホールインワン」と呼ばれる壁貫通型給湯器。給湯器を浴室のわきの壁に設置し、外に突き出す形です。浴室によっては見た目があまりよくないのは残念ですが、バランス釜を設置していたスペースのぶん、浴槽が広くできるのがメリット。

ガスふろ給湯器と同様、機能面でも格段に充実。空いた穴を活用するので、工事費用もガスふろ給湯器と比べて安く抑えることができます。一方で電源が必要になるので電気工事のリフォームは必須。バランス釜を使用していた賃貸アパートや団地の多くがホールインワンタイプを採用しています。

ユニットバスにリフォームする場合

バランス釜だけを交換するのではなく、浴室そのものをリフォームするならユニットバスへのリフォームがいいかもしれません。浴室全体が新しくなり、見た目も現代的で美しく、機能性はもちろん断熱性の面でも効率がいいユニットバスは、お手入れも簡単。

そのぶんリフォーム費用がほかのタイプとくらべて高額になるのが難点。費用も期間もかかり、その間、お風呂が使えないなど不便はありますが、それでもその後の快適度が格段にアップするので、メリットのほうが大きいかもしれません。

バランス釜のリフォームにかかる期間は?

バランス釜をリフォームする際は、まずは古いバランス釜の撤去し、新しいバランス釜を取り付けます。入口や扉が極端に狭い場合などは、設置に時間がかかる場合もありますが、一般的にリフォームにかかる時間は数時間~1日程度。その日のうちに新しいお風呂が使えるようになります。

ホールインワンタイプやガスふろ給湯器に交換するのも約1~2日で終わると考えていいでしょう。ユニットバスへ交換する場合は、壁や床のリフォームも合わせて行われるので工事期間も長くなり、最低でも1~2週間はかかります。

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公開日 2020年8月6日
更新日 2020年10月22日

#リフォーム, #お風呂

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