シーリングファンの取り付けは賃貸でもできる?費用や金具の取り付け方を徹底解説

シーリングファンの取り付けは賃貸でもできる?費用や金具の取り付け方を徹底解説

シーリングファンとは、天井に設置する空気循環器です。複数の大きな羽がついており、巨大な扇風機のような見た目をしています。シーリングファンは天井の数少ないインテリアとしても効果があります。形や種類も豊富で、住宅の大きさや部屋の雰囲気に合わせて自分の気に入ったものを選ぶことも可能です。

ただしシーリングファンには問題点もあります。天井から直接下げることになるので、天井にはある程度の強度が求められます。場合によっては補強工事などが必要になることもあるため、賃貸住宅ではシーリングファンを使えないのではと不安になる部分もあります。

今回はシーリングファンを賃貸住宅でも取り付けることができるのか、どのようにして取り付けるのかなどを紹介しています。

天井にシーリングファンを取り付けるとどんな効果があるの?

シーリングファンは巨大な扇風機ですので、風を送るという効果もあります。ですが本来の目的は空気を循環させることで、室温を一定にすることです。

熱は均一に広がるわけではありません。始めは熱源に近いところから温められ、あるいは冷やされていきますが、その後は上下の2層に分かれていきます。これは熱によって空気の密度が変化するためです。

空気は温められると膨張し、密度が下がります。逆に冷やされると収縮し、密度が上がるという特徴があります。このため冷暖房などを使い空気の温度を変化させると、温かい空気の層と冷たい空気の層という2つの層に分離してしまうわけです。

シーリングファンは、温かい空気や冷たい空気をかき混ぜ、均一にするための装置です。分離してしまった2つの層をかき混ぜることで、部屋全体の温度を調整することができます。そのためシーリングファンにより、冷暖房の効率が高まるという仕組みになっています。

賃貸の天井にシーリングファンを取り付けたいときに注意すべき点

シーリングファンを取り付けられるかどうかのポイントは、大きくふたつあります。ひとつは住宅の構造がシーリングファンに適しているかどうか、もうひとつは貸主が許可してくれるかどうかです。

まず住居のシーリングファンへの適性ですが、これは天井強度、天井の広さ、天井の高さの3点で決まります。天井の強度に関係するのはシーリングファンの重さ。天井の広さに関係するのはシーリングファンの大きさ。天井の高さはシーリングファンの上下の長さに関係します。この3点は購入前に確認しておきましょう。

シーリングファンにはさまざまな種類が存在します。大きなものでは直径1m以上、重さ8kg以上、小さなものでも直径約60cm、重量も約5kg程度は計算しておくべきでしょう。設置する時には、壁から1.5m~2m離しておく必要があります。

なお、天井にかかる重量は、シーリングファン本体の重さだけではありません。羽を回転させて空気を循環させるシーリングファンを支えるためには、羽の回転によって生み出される遠心力にも計算に加えなければなりません。本体重量は5kgであっても、遠心力をプラスした力が天井にかかることになります。

また取り付け作業中にも、本体の重さは大きな障害となります。シーリングファンを取り付けるためには、シーリングファンを持ち上げなければなりません。もしひとりでの作業を前提としているのであれば、ある程度軽いものを選ぶ方がいいでしょう。

もうひとつの問題点である貸主の許可ですが、争点になりやすいポイントは「穴を開けるかどうか」「目立つかどうか」の2点です。穴を開けずに取り付けられる場合はほぼ問題ないでしょう。穴を開ける場合は、事前に確認しておいたほうがベストです。また、穴を開けた場合、退去時には原状回復義務があるため修繕費を請求される場合があります。そちらも含めて確認しておきましょう。

天井に金具の取り付けが必要か確認する

ほとんどの住宅には電気を取り付けるためのコネクタが天井についている

シーリングファンを天井に固定するためには、シーリングやローゼットという専用のコネクタを事前に設置しておくことが必要です。照明を天井から吊るすときにも使われます。全部で5種類ほどあり、中には天井にネジを開けるものもあります。

「引掛埋込ローゼット」「フル引掛ローゼット」と言われるローゼット2タイプは、ネジ穴が最初からついており、直接固定することができるため穴あけが不要です。マンションによく使用されているタイプです。

逆に「角型引掛シーリング」「丸型引掛シーリング」「丸型フル引掛シーリング」と言われるシーリングの3タイプはネジ穴がなく天井に固定する必要があるため、穴あけが必要になります。戸建てや木造アパートによく使用されています。貸主が天井にネジ穴を開けることを嫌うことがあります。設置の際は念のため相談してみてください。

この中のいずれもついていない天井に設置するには電気工事が必要となるため、賃貸住宅には向いておりませんが、かなり古いものの可能性がありますので、貸主および管理会社に相談すれば工事を行ってもらえる可能性もあるので相談してみましょう。

天井の強度を調べる

天井の強度は天井裏の構造や材質によって異なります。上の階の床に相当する部分に直接仕上げとなるクロス材を張り付ける直張り天井では、天井の強度が高いとは言えません。重量のあるシーリングファンには向いていない構造です。

上の階の床に相当する部分と下の階の天井の間に空間がある構造を二重天井といいます。この空間があれば補助材を取り入れるなど上手く活用することで、天井の強度を上げることができます。

直張り天井か二重天井かどうかは、コンクリートの建物であれば、直張り天井と二重天井は虫ピンなどを使うことで簡単に見分けることができます。天井に虫ピンを刺して奥に押すことができたならば、空間のある二重天井です。押すことができない場合は直張り天井だと判断できます。

天井の高さにあったシーリングファンを選ぶ

シーリングファンを選ぶ時には、天井の高さも忘れてはいけない要素です。シーリングファンは大きな扇風機ですので、人の手が届く位置に設置すると危険です。またシーリングファンのために天井が近くなり、圧迫されていると感じることもあります。

特に注意したいのは、角度のついている傾斜天井です。こういった天井は、勾配天井と呼ばれることもあります。傾斜天井とは天井を斜めに設定することで、居住スペースを増やします。この増加分だけ開放感が増し、採光を目的とした高窓などの設置も可能です。

しかし傾斜天井は角度がついているため、シーリングファンの設置には向いていません。大きな角度がついている傾斜天井では、シーリングファンの羽が天井に当たってしまうこともあります。

また傾斜天井にシーリングファンを設置する時には、シーリングファンを固定する金具の取り付け方や強度が問題となります。シーリングファンの重量は重力に従うため、地面に対して垂直方向の力がシーリングローゼットなどの支持金具にかかります。しかし金具を支える天井には傾斜がついていますので、金具の左右にかかる重量に差が生まれます。このため金具ごとシーリングファンが落下する危険性があるのです。

傾斜天井にシーリングファンを設置する簡単な方法は、対応するシーリングファンを選ぶことです。シーリングファンのカタログには、重量、大きさ、高さなどの他に対応傾斜という項目がついていることがあります。この部分で自分の住宅で使えるものを選びましょう。

配線器具タイプ別の金具の取り付け方法

シーリングファンを取り付けるにはハンギングプレートをネジで固定する。

シーリングファンを取り付けるためには、シーリングやローゼットというコネクタ(配線器具)が必要になります。これは単に重量を支えるだけではなく、シーリングファンの電源も兼ねています。そのためシーリング、ローゼットはシーリングファンを動かすためにも必要不可欠な存在です。

シーリング、ローゼットを新たに設置するためには電気工事士の資格が必要になります。無資格で設置工事を行うと火事の原因にもなりかねないため、業者に依頼することをお勧めします。設置工事の相場は3000~5000円程度です。

また、コネクタがどのタイプであっても、シーリングファンを取り付けるには「ハンギングプレート」という金具の設置が必要になります。ご自宅の配線器具がシーリングかローゼットかによって、それをコネクタに取り付けられるか、天井に固定するかに分かれます。

シーリングの場合は天井の穴あけが必要

コネクタにツメがついていない「角型引掛シーリング」「丸型引掛シーリング」「丸型フル引掛シーリング」の場合はハンギングプレートをネジで天井に固定します。ネジで固定すればどこでもいいわけではなく、天井の桟や野縁(天井板を取り付けるための下地材)の部分にネジを取り付けなければいけません。

野縁の入っていない石膏だけの部分にネジを取り付けてしまうと、ボロボロと崩れて最悪の場合使用しているうちにシーリングファンが落下する事故が起きてしまう可能性があります。そうなると当然危険ですし、床を傷つけてしまう可能性もあります。

では、野縁などの下地がどこに入っているか確認するにはどうすればいいのでしょうか。「下地チェッカー」という商品が出ていますので、そういった商品を購入して自分で調べてみるのもいいでしょう。

ただし、こういった商品を買うのにもお金がかかりますし、シーリングファン本体を取り付けるには2人以上で取り掛かる必要があります。少しでも不安がある場合は取り付け業者に依頼するのがベターでしょう。業者の取り付けについては、購入時にオプションとして追加できる場合がありますのでご確認ください。

また、このタイプのコネクタは、耐荷重量が5kg以下と思っておいたほうがいいでしょう。そのため、あまり大きくて重いシーリングファンを選ばないように購入時にはしっかりと確認するように気をつけましょう。

ローゼットの場合は天井の穴あけは不要

ご自宅の配線器具がツメがついているタイプの「引掛埋込ローゼット」「フル引掛ローゼット」だった場合はネジ用の穴を開ける必要はありません。そのため手軽にシーリングファンを取り付けることができます。

ローゼット自体にネジ穴があるため、ハンギングプレートを固定するためのネジをローゼットに直接取り付けます。ローゼットにもともとついているネジを外して、ハンギングプレートを被せ、再度ネジを締めればあとは本体をハンギングプレートに固定するだけです。

このタイプの場合は桟や野縁などの下地を気にする必要がないため、業者に依頼しなくても2人以上で行えばご自身のDIYで取り付けしやすいでしょう。ただし、間違ってた方法で取り付けたりネジが緩かったりすると落下の危険もありますので付属の説明書をしっかり読んで正しく取り付けましょう。

また、ローゼットであれば耐荷重量が10kg以上である場合が多いので、シーリングファン本体を選ぶ時に幅が広がります。ただし、耐荷重量は事前に調べるなどしておきましょう。

シーリングファン取り付けの費用相場

シーリングファンの設置には、シーリングファンを天井付近にまで持ち上げるなど力仕事という側面があります。また上を向いて作業するため、腰や肩にも負担がかかる重労働です。そのため配線工事やシーリングローゼットの設置工事だけではなく、シーリングファン本体の設置を請け負う業者も存在しています。

シーリングファン本体の商品価格

シーリングファンの本体は、大きさ、デザイン、メーカーなどによって異なります。高いものであれば3万円を超えるようなものもありますが、安いものであれば1万円程度のものもあります。

業者に依頼した時の工事費用

シーリングファンの取り付けに不安があれば業者に依頼するのがベター

シーリングやローゼットの取り付け同様に、シーリングファン本体を取り付けてくれる業者も存在します。場合によっては商品購入時にオプションとして手配してもらえることもあります。大がかりな工事は必要ないため、費用相場は3000~8000円程度です。

月々の電気代はどれくらい?

シーリングファンの電気代は、シーリングファンの消費電力、使用時間、電気料金単価で計算できます。一般的なシーリングファンの消費電力はだいたい40~70ワット程度です。種類によって異なります。

なお6畳の部屋の照明の消費電力が一般的には約30ワット、デスクライトの消費電力が約10ワットです。部屋の電気とデスクライトの両方をつけているのと同程度の電力を消費することになります。

電気料金は地域によって異なり、平均は1kWhあたり22円程度です。消費電力が40ワットとして、電気料金が22円/kWhと仮定して計算すると、1時間の電気料金は0.88円です。24時間常時回していると1日あたり21.12円、これを30日続けていると633.6円になります。照明器具やお住いの地域によって異なりますので、目安としてご参考ください。

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公開日 2020年9月4日
更新日 2020年10月29日

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