マンションの寿命・耐用年数は何年?建て替えのタイミングや取り壊しの費用まで

マンション寿命は建物の構造や管理状態など、さまざまな条件によって変わります。長く住み続けるためには定期的に修繕をしていくのが大切です。
それでもマンションの寿命が来てしまったら、建て替えや取り壊し、売却なども検討しましょう。今回は、マンション寿命に関するさまざまな情報を紹介します。
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マンションの平均寿命は68年
国土交通省が2013年に発表している資料によると、平均的にマンションは築68年で取り壊されています。中でも取り壊したのちに建て替えられたものは平均33年です。
マンションの耐用年数
マンションの耐用年数は、主に以下の3点を基準とするケースが多く見られます。
- 法定耐用年数
- 耐震基準
- 物理的寿命
それぞれの基準により、マンションの寿命は異なります。
◆法定耐用年数によるマンション寿命
建物には、税法によって決められた耐用年数が存在します。法定耐用年数に達すると、建物の価値はゼロになります。
鉄骨鉄筋コンクリート造なら47年
構造 | 法定耐用年数 |
鉄筋コンクリート造(RC) 鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC) | 47年 |
木造 | 22年 |
法定耐用年数は、建物が住宅用か店舗用かによっても変わります。上記はマンションのように住宅用として建てられた物件の耐用年数です。
耐用年数が過ぎても住み続けられる
法定耐用年数が過ぎても住めなくなるわけではありません。
マンションの耐用年数とは、法人税などを計算するために統一した基準で、減価償却の計算を行うために法律で規定された年数です。
あくまで減価償却の目安にするためのものなので、物理的に問題がなければ住み続けることができます。
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◆耐震基準によるマンション寿命

現在の耐震基準は1981年に決められたものです。新耐震基準で建てられたマンションは、震度6以上の地震にも耐えられるように設計されています。
新耐震基準以前の建物は寿命が早い
旧耐震基準の時代に建てられたものにも、新耐震基準に匹敵する耐震性を持つ物件もあります。ただし、そうでない住宅も多いのが実情です。
大きな地震が起こった場合、旧耐震基準のマンションが寿命を迎えてしまう可能性があります。
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◆建物の物理的な寿命は50年~150年
国土交通省の報告書(※)によると、鉄筋コンクリート造の建物の物理的寿命は少なくとも50年以上、長いものでは150年以上あると考えられています。
定期的なメンテナンスを行い適切に管理していけば、マンションの物理的な寿命は長くなります。
※参考:「中古住宅流通促進・活用に関する研究会」報告書 取りまとめ後の取組紹介
メンテナンス次第では寿命が延びることも

1990年代以降に建てられたマンション寿命は、管理組合がどういった修繕計画を立て、管理体制をつくっていくかによっても変わります。
きちんとメンテナンスをしていけばマンション寿命は延びていくでしょう。
大規模修繕がしっかり行われているか
マンションは25年ごとに大規模修繕を行うよう推奨されています。
25年後、さらにその25年後を見据えて長期修繕計画を立てておくのはもちろん、過去の修繕記録を取るのも大切です。
ただ、実際には計画をしっかりと立てておらず、修繕記録も残されていないマンションもあります。その場合、マンションの寿命も短くなるかもしれません。
設備によっても寿命は左右される
たとえ建物自体が100年もったとしても、設備を更新していかなければ住まいとしての機能を失ってしまいます。マンションを所有する場合は、建物だけでなく設備の管理にもお金がかかると考えておきましょう。
とくに給排水管・ガス管には注意
マンションそのものと比べ、給排水管やガス管などの設備は寿命が短いのが基本です。定期的に修理・交換しなくてはいけません。
1960年代から70年代の高度経済成長期に建設された配管がコンクリートの中に埋め込まれていた場合、取り出して交換ができず建て替えになってしまうケースもあります。
寿命が来たらどうなる? 建て替えや取り壊しの仕組み

メンテナンスを頑張って延命しても、マンションはいずれ寿命を迎えてしまいます。ここでは、分譲マンションの建て替え・取り壊しの仕組みについて紹介します。
建て替え
建て替えを行う場合、解体と新しいマンションの建築が行われます。まず解体の計画案を作成されますが、住民の80%の同意が得られなければ実際に建て替えをすることができません。その後、マンションの解体と新築が行われますが、その間住民は仮住まいで生活する必要があります。
建て替えを行うことはまれ
実は、マンションの建て替えはほとんど行われていません。主に資金面での負担が大きいことが原因と考えられています。
よほど立地や敷地面積などの条件が良いマンションでなければ、高額な費用をかけて建て替えた後、その分の費用を回収することが難しいためです。
取り壊し
マンションを取り壊して区分所有権を解消し、土地を売ったお金をそれぞれで山分けする方法が採られることがあります。
この方法でマンションを手放す場合は、原則として区分所有者全員の賛成を得なければいけません。
ただし、被災したマンションもしくは耐震性能が現行基準に満たないマンションの場合は、80%の同意で区分所有権を解消できます。
それぞれの費用相場
マンションの建て替え・取り壊しには高額の費用が発生します。それぞれの費用相場は以下の通りです。
建て替え・取り壊しの費用相場

賃貸マンションの場合は、工事費を負担するのはオーナーです。分譲マンションの場合は、購入した入居者が費用を負担します。
建て替えの費用相場は1000万~2000万円程度
マンションの建て替え費用相場は1000万~2000万円になるといわれています。お部屋の広さやマンションの立地、新築の設備グレードにより、金額は変動します。
住宅ローンの残積に注意
住宅ローンが残っている場合はローンの返済を続けなければいけません。工事期間中はマンションに住めませんが、ローンは変わらずに返済する必要があります。
仮住まいに住んでいる場合は家賃支払いも加わるため、毎月の固定費が高額になると考えておきましょう。さらに退去と再入居時の引っ越し費用もかかります。
建て替え費用の補助制度
高齢者が所有するマンションを建て替えする場合、住宅金融公庫の「高齢者向け返済特例制度」が使用できることがあります。この制度は60歳以上の方に適用されます。
毎月の返済は利息分のみで良く、もし完済までにお亡くなりになった場合は、相続人がマンションを売却して一括返済することも可能です。
取り壊し費用相場は200万~1000万円
マンションの取り壊し費用は、200万~1000万円が相場です。建物の構造や大きさによっては、より高額になることもあります。
狭い敷地に建っているマンションの場合も、周辺の建物に干渉しないよう慎重に工事する必要があり、工事費が高くなってしまうことがあるようです。
売却も視野に入れて計画を立てよう
費用の負担を考えるなら、マンションが寿命を迎えるまでに売却するのもひとつの方法です
マンションの資産価値は、築10年ほどで半減し、20年ほどでほぼ底値になるといわれています。築20年に満たないマンションであれば、良い値段で売却できるかもしれません。
まずは複数の不動産会社へ価格を査定してもらい、どの程度の金額で売れるのか調べてみましょう。
建て替えか売却か?迷ったら専門家に相談を
マンションの寿命は基準とする条件によって変わりますが、築年数がたつほど管理費用が高額になり、建て替えや取り壊しの可能性も出てきます。
マンションの資産価値が下がる前に売却するほうが、費用の負担が少なく済むかもしれません。建て替えか売却か迷ったら、専門家に相談してみましょう。
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公開日 2020年5月21日
更新日 2021年1月5日
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