リースバックとは? リバーズモーゲージと何が違う? 不動産を売却しても自宅に住み続けられる仕組みと注意点

リースバックとは? リバーズモーゲージと何が違う? 不動産を売却しても自宅に住み続けられる仕組みと注意点

大きなお金が必要になった場合、自宅の売却を考える人もいるでしょう。しかし、大切なマイホームを手放したり、新たな住宅に引っ越したりしなければならない点がネックです。リースバックなら、自宅を売却した後も引き続きその家に住み続けられるので安心です。この記事では、リースバックの仕組みやメリット・デメリット、注意点について解説しています。

リバースバックの仕組み

リースバックとは不動産売却の一種で、住まいを売却した後、買主に家賃を払ってその物件に住み続けられる仕組みです。リースバックは、老後資金や子どもの学費、金融機関への住宅ローン返済資金を調達する方法として人気です。まずは、リースバックの仕組みについて理解していきましょう。

資金を手に入れ、自宅に賃貸で住む

リースバックとは、自宅を売ることで売却金を手に入れつつ、その後も買主に家賃を支払い同じ家に住み続ける仕組みです。リースバック後は今住んでいる家にマイホームとしてではなく、賃貸として住み続けるということです。リースバックでは一般的に売却金を一括で支払ってもらえますので、大きなお金がすぐに手に入る点と、引っ越しをせず慣れ親しんだ家に住み続けられる点が大きな魅力です。

あらゆる物件で可能

リースバックは、戸建てでもマンションでも可能です。また、マイホームだけでなく事務所や店舗、工場でも利用することができます。

リースバックのメリット

リースバックにはどのようなメリットがあるのでしょうか。5つ紹介していきます。

売却後もマイホームで生活できる

リースバックのメリットとして最も大きなものが、すでにお伝えしたように「自宅の売却後も同じ家で生活できる」ということです。

通常、自宅を売却するとその物件は買主のものとなり、売主は退去する必要があります。そうなると、新たな家に住むための費用が必要になり、せっかく受け取った売却金のうち、いくらかが引っ越し代などに消えてしまいます。

また、やむを得ず自宅を売却する場合には、愛着のあるマイホームを手放すことに抵抗がある人もいるでしょう。リースバックなら、買主に家賃を支払うことで引き続き同じ家に住み続けられるため、慣れ親しんだ家から離れる必要がありません。

固定資産税や修繕費の支払い義務から解放される

リースバックでは、自宅の所有権が売主から買主に移ります。そのためリースバック後の固定資産税や修繕費の支払い義務は、新たな所有者である買主に生じます。

買い手が見つかりやすい

貸借人がすでに決まっており、物件購入後すぐに家賃収入が見込める
貸借人が決まっており、物件購入直後に家賃収入が見込める

リースバックには、通常の不動産売却よりも買い手が見つかりやすいというメリットがあります。その理由は、「貸借人がすでに決まっており、物件購入後すぐに家賃収入が見込めるから」です。

リースバックで売りに出された物件は、すでに売主が貸借人になることが決まっています。そのため、「購入後、なかなか貸借人が見つからず家賃収入が得られない」というリスクがない物件として、不動産投資家に人気です。こうしたことから、リースバック物件は早い段階で買い手が見つかりやすいのです。

現金化までの期間が短い

リースバックのメリットには、「現金化までの期間が短い」というものもあります。その理由は以下の2点です。

・リースバックで買主に譲るのは、物件の所有権だけだから
・リースバックで売却した物件を不動産会社が買い取ることも多いから

リースバックで売主から買主に譲られるのは、自宅の所有権のみです。そのため自宅を明け渡す通常の売却よりも手続きが少なく、短い期間で現金を受け取れるのです。また、通常の物件売却では、不動産会社が仲介役となって買主を探します。この場合、なかなか買主が見つからず売却金が受け取れないこともあります。しかしリースバックなら、本来仲介役となる不動産会社が買主となることも多いため、より早く売却金を受け取れるのです。

退去の必要がなく、自宅を売り出したことが近所にバレない

大きなお金が必要になって自宅を競売にかける場合、近所の目も気になりますよね。しかしリースバックなら、売却後もその家に住み続けるため、表向きは自宅を売りに出したことはわかりません。そのため、自宅の売却を近所に知られてしまう心配も不要なのです。

将来的に買い戻しも可能

リースバックでは、売却した自宅を後から買い戻すことも可能です。不本意ながらも家を売らなければならない、という人にも安心の売却方法なのです。

リースバックのデメリット

リースバックは非常に魅力的なサービスですが、注意するべき点もあります。ここからは、リースバックのデメリットを紹介します。

売却価格が周辺の相場より安くなる可能性がある

リースバックでは、自宅の売却価格が周辺の相場よりも安く、当初期待していたほどのお金が手に入らない可能性があります。具体的な売却価格の目安は、市場取引価格の60%〜90%程度です。

特に住宅ローンの返済資金の調達を目的とする場合には、売却価格が返済残高を下回る可能性もありますので注意しましょう。この点については下記の「リースバックを検討する際の注意点」で詳しく解説しています。

買い戻しの際、売却価格を上回るケースも

一般的に買い戻し価格は売却価格の1.1倍〜1.3倍
一般的な買い戻し価格は売却価格の1.1倍〜1.3倍

リースバックなら売却した自宅の再購入が可能ですが、その際の価格が売却価格を上回るケースもあり注意が必要です。これは、売買にかかる必要経費や不動産会社の利益が上乗せされるためで、一般的に買い戻し価格は売却価格の1.1〜1.3倍と言われています。

毎月の賃料が周辺相場より高くなる可能性

リースバックにより売却した自宅の年間家賃は、売却価格の7〜13%とされることが多くあります。これは一般的な物件の家賃設定方法とは異なるため、周辺の住宅の家賃相場よりも高額になる可能性があります。家賃支払いが思っていた以上に大きな負担となる可能性もあるので、注意しましょう。

リバースモーゲージとの違い

リースバックとよく似たサービスに、「リバースモーゲージ」というものがあります。どちらも自宅を使って資金調達する点では同じですが、次のような違いがあります。

資金の調達方法
・リースバックは自宅を売却することで資金を調達する
・リバースモーゲージは自宅を担保として融資を受けることで、資金を調達する

自宅の所有
・リースバックなら自宅の買い戻しができる
・リバースモーゲージは契約終了後に自宅を売却することが前提とされている

このように、リバースモーゲージができる物件の条件や資金の用途は、リースバックよりも厳しいといえます。これらの点を踏まえたうえで、リースバックとリバースモーゲージの違いをさらに詳しく見ていきましょう。

物件の所有権

リースバックは先述した通り、所有権が買主に渡ります。一方リバースモーゲージは自宅を担保として融資を受けるサービスなので、所有者は変わりません。そのためリバースモーゲージをした後も、引き続き固定資産税や自宅の修繕費を支払わなければなりません。

対象年齢

リースバックでは、特に年齢制限は設けられていません。それに対してリバースモーゲージは、年齢制限があることが多くあります。

リバースモーゲージは基本的に、契約終了時(多くの場合は住宅所有者の死亡時)に自宅を売却することで、受けた融資の返済をします。早い年齢からリバースモーゲージをして契約期間が長くなると、融資金額が増えて返済が大変になったり、存命中に融資枠を使い切ってしまったりする可能性があるのです。こうしたリスクを避けるために、リバースモーゲージでは基本的に年齢制限が設けられており、多くの場合は55歳〜80歳とされています。

確保した資金の用途

リースバックで得た資金は自宅の売却金なので、何に使っても問題ありません。しかしリバースモーゲージの場合、得た資金は銀行からの融資です。そのため、「お金は老後の生活資金としてのみ使用可」などの制限をかけている銀行もあります。資金の用途を原則自由としている銀行もありますが、その場合でも事業資金や投資目的としての使用は認められないことが多いです。

物件の種類

リースバックでは基本的に物件の種類は問わないが、リバースモーゲージは戸建て住宅のみ
リースバックでは基本的に物件の種類は問わないが、リバースモーゲージは戸建て住宅のみ

リースバックでは、戸建てでもマンションでも売却できますし、事務所や店、工場でも売りに出せます。リバースモーゲージの場合は、戸建て住宅の場合しか申し込みができません。マンションに住んでいる人は、リースバックを選びましょう。

同居人の制限

リースバックでは、売却後の自宅に何人で住んでも問題ありません。リバースモーゲージの場合は、原則本人と配偶者しか住めません。同居している子ども夫婦や孫がいる場合には、リバースモーゲージを機に引っ越してもらう必要があります。このことも踏まえたうえで、リバースモーゲージを選ぶかリースバックを選ぶか決めましょう。

買い戻しの可否

リースバックでは、すでにお伝えしたように売却後に自宅を買い戻すことが可能です。リバースモーゲージの場合は、契約終了後に自宅を売却することで、受けた融資の返済をすることが前提です。そのため、リバースモーゲージを利用すると自宅を子どもや孫に譲ることができません。

リースバックがおすすめな人

ここまで、リースバックのメリット・デメリットと、リバースモーゲージとの違いを解説しました。リースバックを利用する際は、本当にこの仕組みを使うのがいいのかをしっかり検討する必要があります。

老後の生活資金を確保したい

リースバックは、以下の点から老後資金を確保したい人におすすめです。

・所有権は買主に移るため、老人ホームに入居することになった場合の自宅処理に困らない
・同様の理由で、亡くなった後に自宅を引き取る人がいなくても安心

これから高齢になるにつれて、老人ホームに入居したり、ご自身が亡くなってしまったら、自宅の管理や所有者はどうなるのだろうという不安もあるでしょう。リースバックをしておけば、これまで通りの家に住み続けながら物件の所有者は買主に移るので、住めなくなった後に売却するのか、誰がその手続きを行うのかなどの心配も不要です。

事業や教育費、医療費の資金調達をしたい

リースバックはリバースモーゲージと違って、得た資金の用途に制限がない
リースバックはリバースモーゲージと違って、得た資金の用途に制限がない

事業や教育費、医療費のための資金調達をしたい人にも、リースバックはおすすめです。リバースモーゲージで調達したお金は事業資金には使えませんし、銀行によっては老後の生活資金以外には使えない可能性もあります。また、通常の融資では返済リスクや利子の問題が生じます。リースバックなら、得た資金の用途は自由なうえ、融資ではないため返済の心配も必要ありません。

住宅ローンを解消したい

住宅ローンを解消したい人にもリースバックはおすすめです。リースバックならまとまった大きなお金が得られますが、借金ではないので返済義務はありません。また、自宅の売却後もそこに住み続け、後から買い戻すこともできるため安心です。

相続問題を解決したい

住宅の所有者が亡くなると、遺族の間で誰がそれを相続・管理するかが問題になる可能性があります。また、相続後に遺族が売却するにしても、維持・管理するにしても手間がかかることが考えられます。リースバックにより自宅を売却しておけば、所有権は買主に移っているうえ、現金化によって分割しやすくなっているため、相続をめぐって生じる問題を解決できます。

資産整理をしたい

リースバックは、次のような資産整理をしたい人にもおすすめです。

・相続税対策のための資産整理
・債務整理のための資産整理

自宅を所有したまま亡くなると、その相続に多大な税金がかかります。しかしリースバックで自宅を現金化し、110万円までの範囲で家族に生前贈与していけば、贈与税がかからないため節税ができます。

また、住宅ローンやクレジットカードの返済が滞り、債務整理が必要になった場合にも、リースバックはおすすめです。返済資金のために自宅を売却しても引き続きその家に住み続けられ、融資ではないので借金に借金を重ねることにはならないので負担が少ないでしょう。

リースバックを検討する際の注意点

リースバックを前向きに検討しようと考えている人もいると思います。そうした人に向けて、リースバックを検討する際の注意点を紹介します。

家賃を滞納する懸念がないか

リースバックした自宅の家賃は、周辺相場よりも高額になる可能性があります。リースバックは売却後もそのまま住み続けられる点が魅力ですが、家賃が思ったよりも高額で滞納が続けば、退去を求められます。リースバック後の自宅はマイホームではなく買主からの借り物件です。きちんと家賃が支払えるかどうかは、事前にしっかり確認しましょう。

売却の際、名義人全員の同意を得られるか

リースバックをする際には、売却する物件の名義人全員の同意が必要です。もし名義人の中にリースバックに反対する人がいた場合には、この記事にあるようなメリット・デメリットを説明し、納得してもらいましょう。

売却価格が住宅ローンの残債を超えるか

住宅ローンの返済が残っている場合は、売却価格が住宅ローンの残債を超えるかもチェックしましょう。基本的にリースバックでの自宅の売却は、住宅ローンを完済していないと認められません。そのため、自宅の売却金をすべてローン返済にあてても完済できない場合は、足りない金額を自己資金などから一括払いしないといけません。

しかし、住宅ローンの完済が難しい場合でも、「任意売却」という方法をとればリースバックができます。任意売却とは、「住宅ローン借り入れ先である金融機関の合意を得て、自宅を売却する」ことです。

ただし、リースバックを前提とした任意売却では、売却価格の決定権を持つのは金融機関です。金融機関が売却価格を高めに設定してきた場合には、なかなか買主が見つからない可能性があります。

また、任意売却によるリースバックを認めない金融機関もあります。こうしたことを踏まえ、自宅の売却価格が住宅ローン残債を超えるか、超えない場合にはどうするのかを、事前に確認しておきましょう。

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公開日 2020年9月5日
更新日 2020年10月22日

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