住宅ローンの保証料とは?計算方法や相場、基礎知識を解説

住宅ローンの保証料とは?計算方法や相場、基礎知識を解説

住宅ローンを調べる中で、「住宅ローン保証料って何だろう?」と疑問に思う人は多いものです。保証料は数十万円~100万円以上かかることもあり、住宅ローンにかかる諸費用の中でも大きな割合を占めます。

住宅ローンにおける保証料は、金融機関ではなく「ローン保証会社」に支払います。そうすれば、病気や失業など何らかの事情で返済が困難になった時、契約者に代わってローン保証会社が立て替えてくれるのです。

この記事では「住宅ローンの保証料がよくわらからない」という人に向けて、相場や計算方法、注意点といった基礎知識をご紹介します。

住宅ローンの保証料とは

まず住宅を購入する時、たいていの人は住宅ローンを契約します。そして住宅ローンを契約する時、今ではほとんどの金融機関が「ローン保証会社との契約」を融資の条件としているのです。住宅ローンの保証料とは銀行に支払うものではなく、そのローン保証会社に支払う保証料です。

ローン保証会社が登場する以前は、「連帯保証人」を立てることが一般的でした。しかし連帯保証人になってくれる人にも審査が必要ですし、今では多くの金融機関が連帯保証人を立てることを拒否しています。

住宅ローン保証の仕組み

住宅ローンは総支払額数千万円を超える高額なものです。契約者は金融機関の提供する住宅ローン商品を契約し、金融機関の審査を通過することで契約します。しかし住宅ローンは30年ほどの返済期間がありますから、その間、不慮の事故や失業などでローンの返済が困難になるかもしれません。

そこで契約者に代わって金融機関へローンを返済してくれるのが、「ローン保証会社」というわけです。契約者がローンを支払えなくなった場合、以下のような仕組みでローン保証会社が支払いを行います。

①契約者がなんらかの事情でローンを返済できなくなる
②ローン保証会社が、契約者に代わって金融機関にローンを返済する
③保証会社は契約者に返済を依頼する
④契約者は金融機関ではなく、ローン保証会社に返済をする

上記を見てもわかるように、ローン保証会社は「肩代わりしてくれる機関」ではありません。契約者は金融機関に返済する必要はなくなりますが、その代わりローン保証会社への債務が発生します。ローン保証会社は金融機関と同様に「抵当権」を持っていますので、もし返済できない場合は家を競売にかけて、返済額を回収するのです。(これを抵当権の実行といいます)。

保証料の計算方法は?相場はいくらくらい?

諸費用の中でも高額になるローン保証料。その相場を見ていきましょう。

金融機関によって異なる

銀行
ローン保証料に決まりはなく、金融機関によって異なる

ローン保証料に決まりはなく、金融機関によってかかる費用は異なります。大手都市銀行や地方銀行、信用銀行などでも違いはありますし、返済方法によっても総額は変わるのです。そのため複数の金融機関のローン保証料を見くらべて、自分たちが納得できる機関で申し込むようにしましょう。

また、ネット銀行でよく見かけるのが「融資手数料」というもので、ローン保証料の代わりとして設けています。ローン保証料が0円なので一見魅力的に見えますが、実は融資手数料のほうが高いというケースもあるので注意が必要です。(詳しくは後述します)。

借入金額、返済期間、返済方法で決まる

ローン保証料の金額は、以下の3つが大きく影響します。

・住宅ローンの借入金額
・住宅ローンを返済する期間
・返済方法

まず住宅ローンの保証料に影響するのは借入総額です。一般的には借入金額に保証料率を掛けて金額が算出されます。また、同じ融資額でも返済期間が長ければそれだけローン保証料は上がるのです。返済方法は、元利均等返済と元金均等返済がありますが、元利均等返済のほうが保証料は高くなります。

当然ながら金融機関側からすれば、契約者に融資する金額が大きいほど、そして返済期間が長いほど回収リスクが上がります。つまり「借りられる範囲を借りて長い期間をかけて返す」という方法は、一番保証料金が上がる選択でもあるのです。

シミュレーションで計算

実際に、借入金額と返済期間でどれくらい住宅ローン保証料が違うのかシミュレーションしてみましょう。

借入金額返済期間借入金利ローン保証料
3000万円25年2%50万7270円
3000万円30年2%57万8910円
3000万円35年2%64万1340円
4000万円25年2%67万6360円
4000万円30年2%77万1880円
4000万円35年2%85万5120円

小田原第一信用組合 ローンシミュレーションより

上記のように、借入金利や返済期間によってローン保証料はかなり差があります。同じ3000万円借り入れた場合でも、返済期間25年と35年では13万円以上の違いが出るのです。

住宅ローン保証料の相場

あくまでも一般論ですが、住宅ローン保証料にかかる費用相場は「数十万円~200万円代」と言われています。しかし、今までご紹介したように以下の内容が大きく影響することを覚えておきましょう。

・借入総額や返済期間、返済方法でも住宅ローン保証料は変わる
・返済期間が短いほどローン保証料は安くなるが、自分たちのマネープランに合わせて選ぶことが大事

住宅ローン保証料の支払い方法は2種類

住宅ローンにかかる保証料の返済方法は、一括で支払う「外枠方式」という方法と分割で支払う「内枠方式」の2種類があります。一般的な保険料と同じく、総額でいうと一括支払いの外枠方式のほうが安くなりますが、最適な支払方法とは限りません。それぞれ詳しく見ていきましょう。

一括前払いの外枠方式

住宅ローン保証料を一括で支払う方法で、住宅ローンの総借入額に組み込まないため「外枠方式」ともいわれます。保険料の支払いと同じく、一括で支払うことで次にご紹介する内枠方式よりも支払総額を抑えられる点がメリットです。しかし一度に大きな資金が出ていくため、頭金や引っ越し費用など何かと物入りな時期にはデメリットとなります。

「手元資金が十分にある」「まだ子供が小さく教育費の出費が少ないため、今のうちになるべく支払っておきたい」という人は、一括払いでローン保証料を支払う方法がおすすめです。逆に、「手元資金が心もとない」「今から教育費でまとまった資金が必要になる」という人にはあまり向いていません。

分割金利上乗せの内枠方式

住宅ローン保証料を分割で支払う方法で、住宅ローンの総借入額に組み込むので「内枠方式」ともいわれます。一般的に融資総額の金利に0.2~0.3%上乗せして計算されることが多いです。しかし審査の結果金利が0.5%以上上乗せされるケースもありますので、注意しておきましょう。

最大のメリットは、当初の出費を抑えられる点です。「資金はなるべく頭金に使いたい」「手元資金が心もとない」「教育費など、他にもまとまった資金が必要」という人は、たとえ総支払額が増えたとしても内枠方式が合っているかもしれません。手元資金に余裕があり、教育費などまとまった出費予定がない場合は総借入額が安くなる外枠方式を検討するのも良いでしょう。

どちらがお得?シミュレーションを比較

シミュレーション
どれだけ金額に差が出るのか、しっかり計算を

「外枠方式なら総支払額が安くなり、内枠方式なら高くなる」とご紹介しましたが、一体どれだけ金額に差が出るのか気になるものです。実際にシミュレーションをしてみました。一般的に、分割払いの内枠方式は外枠方式の金利に0.2~0.3%をプラスして算出されます。今回のシミュレーションでは、金利が0.2%上乗せされるとして計算してみましょう。

・シミュレーション条件

借入金額3000万円
借入期間35年
返済方法元利均等返済

・シミュレーション結果

返済方法金利ローン保証額返済金額/月総支払額
外枠方式(一括)0.6%60万円7万9208円3386万7640円
内枠方式(分割)0.8%60万円8万3556円3509万3791円
差額4348円122万6151円

シミュレーションの結果、外枠方式と内枠方式では120万円ほど支払総額が違うという結果になりました。100万円以上の差が出るので「外枠方式がいい」と判断してしまうのも無理はありませんが、やはり大事なのは「ライフプランに合わせた選択」です。後から資金繰りで困ることがないように、よく検討してから決めることをおすすめします。

保証料が必要な住宅ローンを取り扱う金融機関

住宅ローン保証料が必要な金融機関をご紹介します。

紀陽銀行

三井住友銀行

三井住友信託銀行(保証料型)

三菱UFJ銀行

みずほ銀行

りそな銀行(保証料型)

紀陽銀行

保証料が不要の住宅ローン

住宅ローンでかかる諸費用の中でも高額なローン保証料ですが、最近では「保証料ゼロ」を謳う金融商品も登場しています。住宅購入は何かと物入りなので、魅力的に感じている方も多いのではないでしょうか。

保証料無料という仕組みはネット銀行や地方銀行に多く、実際に「ローン保証料」という項目では費用が発生しません。しかし、ローン保証料以外の名目で費用が発生するという“カラクリ”があるのも事実なのです。保証料無料の住宅ローンについて、その特徴を見ていきましょう。

保証料なしの住宅ローンの特徴

「保証料無料」を謳う住宅ローンでは、主に以下の特徴があります。

・保証料が発生しない代わりに、「融資手数料」が発生する
・審査が厳しい

住宅ローンの諸費用では、「保証料型」と「融資手数料型」の2つがあります。ローン保証料が発生する金融商品が「保証型」であり、保証料を無料としている金融商品は「融資手数料型」であることが一般的です。「融資手数料」とは金融機関に支払う諸費用の1つで、住宅ローンの融資で発生する事務手数料です。一律○万円とする定額型や、借入金額によって変わる低率型の2種類があります。

ローン保証料は、繰り上げ返済すると一部が返還されることが一般的ですが、「融資手数料」として支払った場合は繰り上げ返済しても返還されません。そのため、繰り上げ返済を考えている人にとってはデメリットとなるでしょう。また、ローン保証料なしの場合は審査も厳しくなります。ローン保証料なしということはローン保証会社を利用しないということであり、金融機関側からすると大変高いリスクなのです。金融機関にとって最大のリスクは「債権が回収できないこと」ですから、契約者が絶対に完済できるかどうか、審査が厳しくなるのも無理はありません。


・「保証料なし」で注意したい事
「ローン保証料無料」は魅力的な言葉ですが、前述した「融資手数料」という存在を忘れてはいけません。

一般的に融資手数料は2%程度なので、総借入額が3000万円だった場合「60万円」の費用が発生するのです。金融機関のローン保証金額の相場が「数十万円~200万円代」とご紹介しましたが、「比べてみると大きな違いがなかった」というケースも珍しくありません。「保証料なし」という1つの項目を見るのではなく、トータルで発生する金額で見くらべるようにしましょう。

保証料なしの住宅ローンが向いている人・向いていない人

自分が向いてるかどうか、しっかり見極めよう

保証料が無料の住宅ローンには注意点もありますが、もちろんメリットもたくさんあります。向いている人と向いていない人の特徴をまとめると、以下のようになります。

向いている人
・月々の返済額を抑えたい
・初期費用を抑えたい
・繰り上げ返済の予定がない

向いていない人
・手元資金に余裕があり、当初に支払えるものを支払いたい人
・繰り上げ返済を検討している人

マネープランは家庭ごとに大きく違います。しっかりと返済プランを立てて、自分たちに合ったものを選ぶようにしましょう。

保証料なしの住宅ローンを扱っている金融機関

ネット銀行を中心に保証料なしの住宅ローンを扱う金融機関は多くあります。

イオン銀行

新生銀行

住信SBIネット銀行

ソニー銀行

フラット35

三井住友信託銀行(融資手数料型)

楽天銀行

りそな銀行(融資手数料型)

りそな銀行と三井住友信託銀行には「融資手数料型」と「保証料型」の2種類があり、希望に合わせて選ぶことができます。

住宅ローン保証料に関するよくある質問

最後に、住宅ローンの保証料でよくある疑問について2点ご紹介します。

保証会社は選べる?

住宅ローン自体は自由に選べるのですが、住宅ローンの保証会社は銀行が指定しているケースが一般的であり、ほとんどの金融機関では保証会社を契約者が選ぶことはできません。実は、金融機関と保証会社はグループ企業であることが多いのです。特に大手都市銀行やメガバンクは、たいてい子会社である保証会社を指定しています。みずほ銀行なら「みずほ信用保証」、三井住友銀行なら「SMBC信用保証」といった具合です。

金融機関も営利団体ですから、どこかで利益を出さなくてはいけません。ローン保証料は金融機関ではなく「ローン保証会社」に支払うものとご紹介しましたが、巡り巡って金融機関の利益になるような仕組みとなっているのです。

保証料を一括前払いの外枠方式で支払っていて、繰り上げ返済で完済した場合、保証料は返金される?

ローン保証料として支払ったお金は、「外枠方式」として最初に一括で支払っていた場合、繰り上げ返済で一部返金されます。この繰り上げ返済で保証料が返金されることを、一般的に「戻し保証料」といいます。戻し保証料の計算方法は金融機関ごとに異なりますし、手数料が発生することも珍しくありません。たとえば埼玉りそな銀行の場合、戻し保証料は以下のようになります。

・借入総額2500万円、返済期間35年で融資を受けた場合の戻し保証料

完済時期戻し保証料(円)
15年後10万2000円
20年後5万円
25年後1万9000円
30年後4000円

※戻し保証料には、保証会社手数料として1万1000円(税込)および振込手数料が差し引かれます。(インターネットバンキング「マイゲート」で一部繰り上げ返済を行えば、保証会社手数料は無料になります)。

参照:埼玉りそな銀行公式HPより

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公開日 2020年7月5日
更新日 2021年4月6日

#費用, #ローン

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