住宅ローンの頭金はいくら必要?平均や目安金額、頭金なしの場合を解説

住宅ローンの頭金はいくら必要?平均や目安金額、頭金なしの場合を解説

住宅ローンでよく聞く「頭金」。「住宅ローンを借りるなら、頭金は絶対に必要」「住宅価格の2~3割の頭金を準備しなくてはいけない」…住宅ローンでは、このような声を聞いたことはないでしょうか。月々の返済額や金利が安くなるなどメリットのある頭金ですが、実は「頭金なし」で住宅ローンを組むケースも珍しくありません。頭金なしの住宅ローンは注意点もありますが、メリットもたくさんあるのです。この記事では頭金に悩んでいる人に向けて、平均金額や頭金の必要性、頭金なしで住宅ローンを組んだ場合のメリットや注意点をご紹介します。

頭金とは?

住宅ローンを組むとき、よく不動産業者から「頭金はいくらご準備できますか?」と聞かれます。頭金とは住宅ローンを使わずに準備するいわゆる「自己資金」のことで、売買契約を成立させるまでに現金で支払うものです。頭金があれば、これから何十年も返済する住宅ローンの金利を軽減することもでき、住宅購入にかかる負担を軽減するなどのメリットがあります。マイホームを目指してコツコツと頭金を貯金する家庭もあれば、親からの援助で頭金を準備する場合もあり、その方法は様々です。

手付金とは

手付金とは気に入った住宅をキープしておくために支払うお金のことです。手付金を支払えば「購入します」という意思表示になるため、万が一手付金を支払った後にキャンセルする場合は支払った手付金を諦めなくてはいけません。手付金の金額は、一般的に住宅価格の5~10%程度といわれています。しかし明確な決まりはないので、「一律100万円」などと決めている業者もあります。もし申込者が殺到するほど人気の住宅や土地があれば、手付金を多く請求される可能性もあります。

頭金の目安金額は物件価格の2割

よく住宅ローンの話題の中で、「頭金は物件価格の2割が相場」と耳にすることがあります。「頭金は多くなければいけないの?」と不安に思っている方もいるのではないでしょうか。頭金の平均金額と、頭金のメリットについてみていきましょう。

頭金の平均金額

2018年度の住宅金融支援機構(フラット35)の調査によると、頭金の平均金額は以下の通りでした。

・土地付きの注文住宅(4,112.6万円):447.0万円
・建売住宅(3,4421.1万円):293.2万円
・マンション(4,437.2万円):714.0万円
参照:生命保険文化センター 頭金(手持金)と住宅ローンの返済額は?

住宅の種類によって金額が上下しますが、平均するとおよそ300万円~700万円の頭金を準備する人が多いという結果が出ています。

頭金を多く用意するメリット

一般的には、「住宅ローンを組むなら頭金は絶対必要」、「頭金がない状態で家を買うのはよくない」という意見もあります。頭金が多いと、以下のようなメリットがあるのです。

・月々の返済額が下がる
・金利が優遇される

まず住宅購入で頭金が多いと、毎月の返済額が軽くなるというメリットがあります。頭金が多いほど住宅ローンとしての借入金額が減るので、返済額が少なくなるのは当然といえば当然です。しかし住宅ローンで頭金を多く用意できれば、「金利優遇」というもう1つのメリットがあります。多くの住宅ローン商品では金利の優遇幅を設定しており、頭金が多いほど優遇幅が大きくなるケースが一般的です。そのため、少しでも安い金利で住宅ローンを組むために頭金を用意するという人も少なくありません。

頭金を多く用意した方が良い場合

一般的に住宅価格の2~3割と言われる頭金ですが、状況によっては多く用意したほうがいいケースもあります。たとえば、以下のようなケースが挙げられます。

・借入できる金額が低い
・選んだ住宅ローンの金利が高い

まずは借入できる金額が想定よりも少なかった場合です。たとえば4000万円の住宅ローンを希望していたのに、審査の結果「3200万円」までしか融資額が出なかった場合は800万円を別で用意しなくてはいけません。この場合、頭金を800万円以上用意できれば、たとえ融資額が低くても問題なく住宅ローンを申し込めます。

また審査の結果金利が高かった場合も、頭金が多いほうがいいでしょう。頭金が多ければ金利が優遇されますから、総支払額を下げることができます。逆に今から教育費などまとまった額の出費が迫っている人は、無理に頭金を用意することはおすすめしません。詳しくは後述しますが、手元資金を減らしすぎると生活に支障が出ることもあります。

頭金なしでも住宅ローンは借りられる?

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実は頭金ゼロでも住宅ローンは借りられます

「頭金がなければ家は購入できない」と思っている方も多いようですが、実は頭金ゼロでも住宅ローンは借りられます。頭金を含め、住宅購入にかかるお金をすべて借りることを「フルローン」といい、さらに諸経費も含めてローンを組むことを「オーバーローン」といいます。以前は頭金がなければ住宅ローンが組めないと言われていましたが、最近では頭金なしのオーバーローンを組ませてくれる金融機関も増えているのです。

頭金なしで住宅ローンを借りるメリット

頭金なしで住宅ローンを借りるということは、「初期費用を最大限抑える」ということです。初期費用を抑えると、以下のようなメリットがあります。

・住宅ローン減税の控除額が増える
・希望の物件を諦めなくていい
・手元資金を残せる

住宅ローンを組むと、「住宅ローン減税」という税の優遇を受けられます。住宅ローン減税は年末時点で残っている住宅ローン額の1%を所得税や住民税から控除してもらえる仕組みです。つまり言い換えると「住宅ローンの返済額が高いほど、控除額が大きくなる」というもので、頭金なしで住宅ローンを組むことの1つのメリットとなります。

また、毎月生活費を支払いながら数百万円の頭金を貯めることは簡単ではありません。良い物件と出会えても、頭金がないことを理由に諦める人も多くいます。しかし、頭金なしで住宅ローンを借りるという選択をすれば、希望物件が見つかればすぐに動くことができます。また、貯金をつぎ込んで頭金を用意すると、思わぬ出費が発生した時に困ってしまいます。頭金なしで住宅ローンを借りれば、手元の資金に手を付ける必要もありません。

頭金なしで住宅ローンを借りるデメリット

初期費用を抑えて住宅ローンを借りれば、当然ながら後々かかる負担は大きくなります。頭金なしの住宅ローンは、以下のようなデメリットがあります。

・毎月の返済額は大きくなる
・売却時に「担保割れ」のリスクがある

頭金なしで初期費用を抑えているため、その分はやはり毎月の返済額に影響があります。つまり「月々の返済額をなるべく安くしたい」という場合は、頭金が必要です。また、住宅ローンを借りた当初は全く予定がなくても、数年後や数十年後に売却する可能性もあります。その時頭金なしの場合はローン残高も高いので、売却時の「担保割れ」リスクというものが発生するのです。

たとえばローン残高が3000万円の時点で家を売却した時、担保である住宅の評価額が「2800万円」だったとします。この場合はローン残高を200万円下回っているので「担保割れ」という状況になり、売却の際は別で200万円準備しなければいけません。(売却時は、住宅ローンを完済する必要があります)。

頭金なしだと審査に影響する?

意外と落ちてしまう人も多い住宅ローンの審査。実は、頭金なしの場合は住宅ローン審査に影響するといわれています。審査に通って住宅ローンを組むとなると、金融機関はその住宅に「抵当権」を設定します。もしローンが支払えなくなった場合、金融機関は抵当権によって物件を売却して債権を回収するのですが、この時前述した「担保割れ」リスクが発生するのです。住宅ローンの残高よりも物件評価額が下回ると、金融機関は損をしてしまいます。

また頭金が一切ない場合は、金融機関に「計画せずに住宅ローンを検討している」「お金が貯められない」と評価されるリスクもあります。住宅ローンの審査項目は多岐に渡りますので、「頭金なし」だからといって必ず審査に落ちるわけではありません。しかし、リスクの1つとして覚えておきましょう。

頭金なしで住宅ローンを借りる際の注意点とリスク

頭金なしで住宅ローンを借りることは可能です。しかし前述したように注意点やリスクはありますので、その点もしっかり押さえておきましょう。前述した内容をまとめると、以下のようになります。

・住宅ローンの審査に通りにくくなる
・月々の返済額は上がる
・将来売却する時、「担保割れ」のリスクがある

頭金が貯まるまで待つか、頭金なしで借りるか――どっちがいい?

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頭金ありかなしか、悩むところ

今までご紹介したように、住宅ローンは頭金があってもなくても借りることができます。そうなると、今頭金が十分に貯まっていない場合どちらにすべきか悩んでしまいますね。頭金が多いとその分メリットもあります。しかし、今は「超低金利時代」と言われるほど金利が安くなっており、頭金が貯まるまで待つと金利が上がってしまう可能性もあるのです。ここでは、金利が上がった場合のシミュレーションをしてみましょう。

金利が上がった場合のシミュレーション

以下の条件でシミュレーションを行います。

頭金0円
返済期間35年
返済額3,000万円
返済方法元利均等返済
ボーナス返済なし

シミュレーションの結果は、以下の通りです。

金利(%)返済金額(毎月)返済総額
1.59万1855円3857万9100円
2.09万9378円4173万8760円
2.510万7248円4504万4160円

金利が1.5%と2.5%で比べると、返済総額は約700万円も違うという結果になりました。700万円といえば、頭金の平均金額に相当する額です。このように、住宅ローンの支払総額には金利が大きく影響するため、一概に頭金を貯めることが最善とは限りません。頭金を貯めている間に金利が上がってしまった場合、頭金なしでローンを組んだ場合と結果が変わらないこともあるのです。

もちろん最善といえるのは貯蓄から十分な頭金が用意でき、金利が安い時期に住宅ローンを借りることでしょう。しかし年齢が若かったり急に結婚が決まったりすると、すぐには頭金を用意できないものです。そんな時は、頭金なしで住宅ローンを組むという選択肢も1つではないでしょうか。

貯めている間も賃料は発生

「今から頑張って頭金を貯める」という場合、1つ注意しておきたいことがあります。それは頭金を貯めている間も、今住んでいる住宅の賃料は発生するという点です。現在、同居や社宅などで賃料が不要な場合は気にしなくてもいいでしょう。しかし、多くの場合マイホームを購入する前は賃貸物件に住んでおり、毎月数万円の家賃を支払っています。たとえば毎月8万円の賃貸住宅に住んでいた場合、1年で支払う賃料は8万円×12カ月の96万円にもなります。早くマイホームに住むという選択をすれば、その96万円も住宅ローンの返済に充てられるのです。

頭金に預貯金全額使ってはいけない?諸費用や生活予備費は手元に

住宅ローンで頭金を用意する時、「なるべく頭金は多いほうがいい」とギリギリまで貯金を切り崩してしまう人も多いのですが、これはおすすめしません。住宅購入には頭金以外にも、以下のような費用が発生します。

・諸費用
・手付金
・申込金
・家財や家電購入費
・引っ越し費用
・近隣へのご挨拶費用

もし子供に教育費がかかる時期であれば、このほかにも急な出費が伴います。確かに頭金が多いほうが月々の返済額も金利も下げられますが、当面の生活に影響が出れば、別でお金を借りるなどしなければいけません。貯蓄が心もとないなら、親に援助をお願いしたり頭金の額を下げて住宅ローンを組んだりして、手元には十分な資金を残しておくようにしましょう。

住宅ローンでよく耳にする頭金についてご紹介しました。以前なら住宅ローンといえば頭金が必須でしたが、今では頭金なしで借りられます。もちろん頭金なしも注意点はありますが、それぞれのメリットやデメリットをしっかり知って、最適な選択ができるようにしておきましょう。

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公開日 2020年6月12日
更新日 2020年10月22日

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