不動産買取とは?不動産売却の仲介との違いやメリット・デメリットを紹介

不動産買取とは?不動産売却の仲介との違いやメリット・デメリットを紹介

不動産を売る際、「高く売りたい」「早く売りたい」のどちらかの要望が出てくるのではないでしょうか。欲を言えば両方を叶えたいところですが、二兎追うものは一兎をも得ず。実際は上手くいかないことの方が多いでしょう。

そこで今回は「早く売る」ための方法である不動産買取を紹介します。仲介との違いや不動産買取のメリット・デメリットにも触れていくので、「早く」売却したい不動産がある人はぜひ参考にしてみてください。

不動産買取とは

不動産買取とは、不動産を売りたい時に“不動産会社”に「買取」をしてもらう方法です。

不動産の売却方法は、不動産会社が販売活動をして売る「仲介」という方法もあります。仲介は買主が個人なのに対して、買取の買主は不動産会社です。そのため仲介の場合は、なかなか買い手が見つからず売却が進まないことが往々にしてありますが、買取の場合は、不動産会社との交渉が済めば売却が完了します。

不動産買取の流れ

不動産買取のおおまかな流れは以下のとおりです。

⦁ 不動産査定依頼
⦁ 不動産会社の選定
⦁ 契約の締結
⦁ 決済・引き渡し

不動産買取をする際は、まず複数社に査定の依頼をしましょう。面倒だからと1社で済ませてしまうと、相場よりも低い金額で取引されてしまうかもしれません。まずは複数社に査定してもらって、保有する不動産の相場を把握しましょう。次に査定結果や担当営業の人柄などを考慮して、買取を依頼する不動産会社を選定します。

買取を依頼する不動産会社が決め、条件を確認・納得ができたら不動産売買契約を結びます。このとき「契約解除をする場合」と「契約不履行時の違約金の額」などを確認しておくようにしましょう。契約時には手付金(買取価格の5~10%相当)が支払われます。何かと理由を付けて手付金を支払わない、後回しにしようとする場合は契約締結後にトラブルに発展することが予想されるため即時、契約を解除した方が良いでしょう。

契約締結後は物件の引き渡しと、買取金額から手付金を引いた金額の入金があります。ローン残債がある場合は、入金されたお金で完済してしまいましょう。

不動産買取の種類

不動産買取には下記の2種類の方法があります。

⦁ 即時買取
⦁ 買取保証

即時買取は、不動産会社が提示した金額に納得できれば、すぐに買い取ってくれる方法です。一方、買取保証は一定の売り出し期間を経て、買主が決まらなかった場合に不動産会社が買取をする方法です。

即時買取

即時買取では、買取額の交渉終了後、すぐに不動産会社が買い取ってくれます。不動産会社との直接取引になるため、仲介手数料は発生しません。

即時買取の場合は訪問査定1回で査定が済むことが多く、取引は一般的に3日から1週間程度、長くても1ヶ月程度で終わります。そのため、仲介のように売れるか売れないか分からない期間を過ごすのが嫌な人や、即現金化したい人に向いている方法です。

ただし、取引価格は市場の1~3割減になるデメリットも持っています。理由は後述しますが、できるだけ高値で売りたい場合は、仲介もしくは買取保証を選択しましょう。

買取保証

買取保障では一定期間を売り出し(=仲介)にあて、売り出し期間に買主が現れなかった場合には不動産会社が買取ってくれます。仲介期間を挟むため、即時買取よりも売却までの期間は長くなります。また仲介期間は3ヶ月に設定されることが多く、3ヶ月の間に売れれば、市場価値での売却が可能です。ただし仲介期間中に売却が決まった場合は、仲介手数料が発生します。

3ヶ月間で買主が見つからなければ、即時買取同様、1~3割減の価格で不動産会社が買い取ることになります。その場合は、仲介手数料はかかりません。そのため売却を急いでいない人や、一定期間様子を見たい人におすすめの方法です。

不動産買取と仲介の違いを比較

不動産の売却には、不動産買取と仲介の2種類があります。買取と仲介の違いは下記のとおりです。

買取仲介
買主不動産会社個人
仲介手数料なしあり
売却期間1週間~1ヶ月2ヶ月~
売却価格市場の1~3割減市場価格
契約不適合責任免除必要

次項からは仲介について少し掘り下げてみましょう。

仲介による不動産売却とは

仲介とは、不動産会社に販売活動を依頼して、買主を探してもらう売却方法です。買主が不動産会社になる買取と違い、仲介は個人が買主となります。そのため買主が現れない限り売却は進みません。ただし売却価格は市場価値によるので、買取よりも高値で取引されることがほとんどです。

仲介による不動産売却の流れ

仲介では大まかに以下の流れに沿って不動産の売却が行われます。

⦁ 不動産査定依頼
⦁ 媒介契約
⦁ 販売活動
⦁ 決済・引き渡し

不動産買取と同じく、複数社の不動産会社に査定を依頼します。査定額や担当営業の対応に納得がいく会社と媒介契約を結び、売り出しをスタートしてもらいます。買主が現れたら、条件の交渉などを行います。双方の合意が取れたら売買契約を結び、決済・引き渡しを行うといった流れです。

不動産買取のメリット

不動産買取には下記の4つのメリットがあります。

⦁ 仲介手数料がかからない
⦁ 売れるまでの期間が短い
⦁ 契約不適合責任の免除
⦁ 近所の人に知られることなく売却が可能

買取は不動産会社との直接取引なので、仲介手数料が発生することはありません。売主、不動産会社間で条件の合意が取れればすぐに売却できます。販売活動を行うこともないので、売却の事実をご近所に知られることもありません。また売却する家に対しての責任も負わなくて済むため、売れるか売れないかの心配が伴う仲介よりも気楽に売却ができるでしょう。

仲介手数料がかからない

不動産買取では、不動産会社が直接買い取るため仲介手数料がかかりません。仲介の場合は、売却が決まると「売却価格×3%+6万円+税金」(売却価格400万円以上の場合)の手数料が発生します。例えば、仲介を利用して2000万円で家が売れたとしましょう。この場合、「2000万円×3%+6万円×1.1(税金)=72.6万円」が手数料として発生します。

売却価格が3000万円を超える場合は、手数料で100万円以上引かれることになります。取り引き額が大きいので、手数料もバカになりません。

売れるまでの期間が短い

仲介は買主が現れるまで売却できません。早ければ2ヶ月程度で売れることもありますが、売れない場合はいつまで経っても売れないという状況が続きます。

一方、買取は早くて3日~1週間程度、遅くとも1ヶ月程度で売却可能です。そのため、現金化が早いというメリットがあります。

契約不適合責任の免除

買取では、契約内容を保証する契約不適合責任が免除されます。契約不適合責任とは、契約内容と異なる物件を売却した場合に問われる責任です。例えばシロアリ被害や雨漏りなど。仲介ではこれらの欠陥があるにもかかわらず、契約書に記載してない場合は、売買契約が成立した後でも売主が責任を負って修繕費などを負担する必要があります。

しかし買取の場合は、所有権が不動産会社に移るため、契約不適合責任を問われることはありません。

近所の人に知られることなく売却が可能

仲介の場合はチラシや内覧などの販促活動を行うため、売却を近所に知られる可能性が高くなります。しかし買取では、こうした販売活動を行いません。不動産会社と直接取引を行うので、「いくらで売られていた」などと近所で噂が立つ心配もありません。

不動産買取のデメリット

不動産買取には下記のようなデメリットも存在します。

⦁ 売却価格が安い
⦁ 買取してもらえない可能性もある

買取は買い取った家をリフォームして売り出し、利益を得るという仕組み上、仕入れ値を抑える必要があります。そのため、どうしても買取価格が低くなりがちです。またリフォームしても売り出せそうにない物件や売り出すまでに時間がかかりすぎるコスパの悪い物件は買い取ってもらえないこともあるので留意しておきましょう。

売却価格が安い

手数料で利益を得る仲介と異なり、買取は買い取った家をリフォーム後に売却してはじめて利益が発生する仕組みです。市場価値で買取をしてしまうと不動産会社は赤字になってしまうため、リフォーム費や構成費を引いた金額での取り引きとなってしまうのです。そのため一般的には買取時の売却価格は、市場価値の1~3割程度になります。

買取してもらえない可能性もある

買取してもらえない可能性もある
老朽化や場所が悪い土地などは買取してもらえないことも

先述したとおり、不動産会社は買い取った家をリフォームしてから売りに出します。そのためリフォーム費がかかりすぎる物件や再販するまでに時間がかかりそうな物件は買い取ってもらえない可能性があります。

マンションは資産価値や需要が落ちにくい背景上、買取してもらえないことは滅多にありません。しかし老朽化した戸建てや場所が悪い土地など、更地にする手間や買い手が付かないリスクがあるため、買取してもらえないこともあります。

不動産の「買取」と「仲介」の選び方

ではどのような場合に買取を選択して、どのような場合に仲介を利用すれば良いかを紹介します。状況によって適切な選択をしないと損をする可能性もあるので注意が必要です。

買取が適しているケース

以下のような条件がある場合は、買取が向いています。

⦁ 早く現金化したい
⦁ 売却に関する費用を抑えたい
⦁ 旧耐震基準で売れにくいマンションを売却したい

買取は不動産会社と直接の取り引きとなるため、双方が合意すればスピーディーに売却が可能です。遅くとも1ヶ月程度で取引が終了するため、現金化までの時間も短く済みます。また保有物件があまりに酷いケースを除いて、仲介でなかなか買い手が見つからない物件でも買い取ってくれるのも不動産買取のメリットです。買い手を見つけるために、リフォームをする必要もないので、売却に関する費用も抑えることができます。

そのため急用でまとまった資金が必要な場合や、手放したい物件があるけど仲介ではなかなか売れない場合などには買取が向いていると言えるでしょう。

仲介が適しているケース

下記のような条件がある場合は仲介をおすすめします。

⦁ 売却金額を下げたくない
⦁ リフォームが必要ない築浅物件
⦁ 急いで売却しなくても良い場合

先述のとおり買取での買取価格は、市場価値の1~3割程度になります。しかし仲介であれば、市場価値での売却が可能なので、少しでも高く売りたい人は仲介を選択しましょう。またリフォームの必要がなく売れる可能性が高い築浅の物件の場合も仲介が適しています。

仲介のデメリットとして挙げられる「売却までの期間が長い」といった点は、急いで売却する必要がない人にとっては気にならないでしょう。急ぐ必要がないのであれば、安く売るより少し待ってでも高く売った方が良いのは自明の理です。

まとめ

不動産買取では不動産会社が直接買い取ってくれるため、個人の買主が現れるのを待つ仲介と違い、手数料がかからない上に短期間での売却が可能です。ただし仲介と比べて買取額が下がる点はデメリットになります。

しかし不動産はできれば高く、早く売りたいのが心情でしょう。そんな時は、不動産買取の中でも買取保証という方法を利用しましょう。買取保証であれば、仲介と買取を掛け合わせた売却ができますよ。

不動産の価値や自身の状況に合わせて最適な売却方法を見付けるためにも、まずは不動産会社に査定を依頼して、不動産の市場価値を見極めましょう!

公開日 2021年6月1日
更新日 2023年3月6日

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