高島平、仲宿、大山、ときわ台…板橋各エリアの住み心地を板橋在住ライターが徹底解説!

高島平、仲宿、大山、ときわ台…板橋各エリアの住み心地を板橋在住ライターが徹底解説!

実は30代以下から60代以上までの全世代で「行ったことのない区No.1」(ニフティ)という板橋区。前回の「23区最後の秘境、板橋にあった最高の住環境」の後半に盛り上がりすぎたので、各エリアの詳細は今回に回すことになりました。さて、板橋区にはどんな街があるのでしょうか。板橋経済新聞編集長の塚原智美さーん!

「はーい! こちら生まれてから板橋の高島平団地にしか住んだことのない塚原です! 前回もお話した通り、板橋には、エリアごとに語り尽くせないほどさまざまな表情があります。まず高島平エリアですが、言わずとしれた国内最大級のマンモス団地エリア。約1万世帯、2万人が暮らしていて、各棟の1階にはスーパーや商店が入っていたりもします」

団地と住み心地の街、高島平

出典:UR賃貸住宅HP MUJIが手掛けたリノベーション物件も話題に

あまりに広大な団地はそれ自体がもはや街と言ってもいいほど。

「間取りは2DKで50㎡弱という物件が多いんですが、最近はMUJIなどのコンセプチュアルなリノベーション物件やバリアフリー化された部屋など、昔の団地とはイメージの違う部屋も増えてきています。団地全体が長屋のような雰囲気で何かあったら助け合い、困ったときはお互い様という気風がある。利便性に比べて家賃も抑えられていて、住み心地は最高です。『実際に住んでいる人の満足度ランキング』みたいな調査があれば、絶対上位に入ると思うんです!」

団地外の飲食店も大充実。近年の焼きそばブームの火付け役とも言われる「あぺたいと」本店のほか、国民的アイドルグループメンバーの実家のビアパブ「キリギリス」に、広島風キャベツ串が隠れた名物の『串揚げふく助』なども。

「地元で人気の居酒屋『百楽』では、日の高いうちからおじちゃんたちがゴキゲンに盛り上がっていますし、奥の座敷はPTAの会合に使われたりもしています。昨年末には『地元の人に地元の店で飲んでもらえる地元のビール』として、試作を重ねた『高島平ビール』というクラフトビールもリリースされました。『にりんそう』や『竹串』など知る人ぞ知る、地元の名店、約30軒で注文できます!」

旧街道時代から400年以上、栄え続ける商店街

江戸時代初頭に徳川家康によって整備が始まった五街道のひとつ、中山道。起点となる日本橋からひとつめの宿場が板橋宿。中山道においては、実際の旅の起点としても機能していたとも言われる交通の要衝だったのだそう。

「江戸時代から旅の要所として茶屋や酒場が集まり、栄えていたと言われていますが、旧街道がそのまま商店街となっていて、いまも酒場や商店がにぎわいを見せています。初めて訪れた方だと『こんなに活気のある商店街が、まだ都内にあったんだ!』と驚かれる方も多いんです。確かに高齢化や後継者問題もありますが、現代に至るまで長く栄え続けてきた商店街だけに、しなやかでしたたかなんです」

代替わりや事業承継などの機会に新しい業態へ移行し、遠方から客を呼ぶ新たな人気店となっている飲食店や商店もたくさんあるのだとか。

「その昔、冒険家の植村直己さんも通ったという中華料理店「三木家」は代替わりに伴って、「MIKIYA GYOZA STAND」というマニア垂涎の餃子スタンドとして大人気になっています。築100年の米穀店だった「板五米店」は、クラウドファンディングでおむすびを提供するコミュニティカフェに生まれ変わりました」

他にも「クランクビール さかみちタップルーム」のようなマイクロブルワリーができたり、東十条にあった名店の作り方を受け継いだという立ち食いそば「そば谷」など、新しい味の息吹も芽生えているのだとか。

「鳥肉専門店の『鳥新』の店頭が夕方に賑わうのは日常の光景ですが、地域や学校の催事などがあれば、店頭に山と積まれたからあげや焼鳥などが飛ぶように売れていきます。もともとは業務用の鳥肉卸なので、地鶏や銘柄鶏を求めて、区外の焼鳥専門店の方も仕入れにいらっしゃるそうです」

今年は例年よりも催事が控えめではあるものの、夕方のにぎわいは相変わらず。最寄り駅となる板橋区役所前駅から大手町まで直通19分という利便性にも関わらず、お家賃控えめなのもうれしいところです。

話題の大山へと続く商店街ロード

出典:ハッピーロード大山商店街HP 商店街のHPと思えないほど凝ったデザイン

その板橋区役所前駅(都営三田線)から、「ハッピーロード大山」などの商店街でおなじみの大山駅(東武東上線)の間は鉄道の路線こそ交わっていないものの、徒歩でも10分程度の距離。しかもその間にもまた他の商店街があるという、お買い物&食べ飲み歩き天国とも言えそうな充実ぶりです。

「仲宿の方から大山に向かうと、山手通りの仲宿交差点を越えてすぐ、『遊座大山商店街』に入ります。最近は『ハッピーロード大山』の知名度が急上昇していますが、こちらも発足70年というベテラン商店街です」

仲宿側から商店街を入るとすぐ右側には「ときわ食堂」の看板が。メニュー構成は、巣鴨にある同名の有名店にも似ていますが、遥かに地域密着の香りが濃厚でこれは魅力的! 左前方にはJR板橋駅前で名を馳せた塊肉料理店の「肉小屋」の2号店も。かと思えば、精肉店や靴店、時計店などの個人商店がいまなお現役でバリバリ営業しています。

駅前に近づくとチェーン店も増えてきますが、個人店とチェーンが共存しつつ活気を呈する姿は、未来の商店街像を見るかのようです。

そして大山駅を越えるとそこからは「ハッピーロード大山」。

「商店街公認アイドルやイベントの設定、その他にもポイントカードや直営ショップ「とれたて村」など、自ら商店街を盛り上げようという意気込みがものすごい。公式ウェブなんて、パッと見、商店街のWebページには見えません!」

もちろんハッピーロード大山も飲食、商店ともに大充実。魚介と天ぷら居酒屋「魚猫」に、メニュー数、ボリュームともにおかしいくらいに充実した「ピエロ」など、メディアでもたびたび取り上げられる飲食店が目につきます。

仲宿商店街から遊座大山商店街、ハッピーロード大山とおよそ2kmに渡って断続的に続く商店街の周辺には「よしや」や「ライフ」など、数軒のスーパーマーケットもあり、さながら買い物天国と言えそうな様相で、いかにも楽しげ!

志村、小竹向原、赤塚、成増…エリアごとに多彩な地域色

前編でも少し触れましたが、その他のエリアも、古くは支城もあった志村あたりは古くからの住民も多い住宅地で、交通の便もいい小竹向原は大企業の社長や役員も住む高級住宅街。クルドサック(※)があって『板橋のパリ』、『板橋の田園調布』と言われるときわ台も人気の街ですし、赤塚は区立美術館や郷土資料館、東京大仏や赤塚城址もある、区内きっての文教エリア。成増は駅前の喧騒から少し離れると畑もあるのどかな住宅地。あと、東武練馬駅は、練馬区と思われがちですが、駅北側はほぼ板橋区だし、駅自体も板橋区にあるので、あそこは完全に板橋でしょう! あ、ちなみに、わたし、練馬も大好きです!」
※袋小路に設けられた転回用のサークル状スペース


しかし東武練馬駅には飲食店が複数入っている駅ビルがあります。前回、板橋には「百貨店もアトレもエキュートもない」とおっしゃっていたような……。

「大丈夫です! 東武練馬駅にあるのは『EQUIA(エキア)』といって、アトレでもエキュートでもありませんし、1Fに回転寿司店、2Fにコメダ珈琲店と各フロア1店舗でがんばっている施設なので百貨店というにはちょっと無理があるような…。エキアは比較的店舗数の多い成増店は2階建てですし、5階建てのときわ台は各フロア原則1店舗。駅ビルと言ってもどことなくのどかな雰囲気が漂い、温かみがある。駅ビルひとつとっても、板橋らしさにあふれていますよね!」

大規模商業施設の進出や再開発は生活が便利になる反面、街の色が失われる寂しさも伴います。しかし板橋区内の各エリアには、それぞれのエリアに鮮やかな街の色が残されていて、そこに代替わりや転入事業者によって新たな彩りが加えられていく。「23区内最後の秘境」は、人の体温が感じられる多様な魅力にあふれた街でもあったのです。

 

取材・文:馬場企画

塚原智美(つかはら・ともみ)

生まれてから団地にしか住んだことがない板橋区高島平在住のエディター・ライター。企画・取材・執筆から講演パネリスト、MCまで広範囲で活躍する。街づくり、飲食関係、エンタメ分野が得意。板橋推しの板橋LOVER。スタミナ源は肉と酒。「おいしいごはんを出す店に間違いなし」が信条。とにかく美味しく楽しい時間が大好きで、愛犬のチワワと一緒に呑める店を常に探索中。

合同会社tribee代表
高島平観光協会(仮)代表
板橋経済新聞編集長
メイドイン東京の会 広報

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公開日 2020年9月2日
更新日 2020年10月22日

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