リノベーション、リフォームが「コロナ離婚」を防ぐってホント!?

リノベーション、リフォームが「コロナ離婚」を防ぐってホント!?

リノベーション──一般的には「住まいの改修・改善」のことをこう呼びますが、空間環境だけではなく日常生活全般をもリノベーション(改革・刷新)すると、QOLはよりいっそう向上していくはず。LogRenoveは、日々の何気ない暮らしのなかで、我々が直面するさまざまな悩みの解決策を、斯界の識者とともに探っていきます。さあ、私たちと一緒に「ライフスタイルのリノベ術」を追究していきましょう。

Q.新型コロナウイルス蔓延による外出自粛期間中、ずっと夫や息子と一緒に家にいました。すると、やたら食事や子育てに口うるさかったりと、今まで見えていなかった夫の嫌な部分が、やたら鼻につくようになって…。ようやく夫もボチボチ会社に出勤するようにはなったものの、まだ自宅でリモートワークしている時間が長くて、毎日息が詰まりそうです。最近「コロナ離婚」という言葉をよく聞きますが、子どもがいる私でも離婚を決意することはできるのでしょうか?(37歳・既婚女性/専業主婦・息子は小学2年生)

30代中後半~40代前半を中心に「コロナ離婚」は確実に増加

たしかに、ネット上でも、テレビや新聞や週刊誌などでも「コロナ離婚」なるキーワードがやたら目につく印象はあります。「目につく」ということは、多かれ少なかれ、それが社会問題になりつつある証(あかし)であるわけですが、実際はどうなんでしょう? 夫婦問題研究家として活躍する、「離婚カウンセラー」の第一人者でもある岡野あつこさんは、こう断言します。

「新型コロナショックによる外出自粛をきっかけとする離婚、すなわち“コロナ離婚”を考えるご夫婦は、間違いなく増えていると思います。私のところへ相談に来られる人も、通常の3~4割ほど多くなっている。(相談者の)年齢層は、30代半ば過ぎ~40代前半あたりがメインでしょうか。家族構成はまだ小さい、幼稚園や小学生のお子さんがいらっしゃる女性が大半ですね」(岡野さん)

コロナ離婚の原因は歴然。まずご主人が家にいる、共稼ぎだとしても奥さんも在宅。普段なら夫婦ゲンカなんてしているヒマもなかったのが、お互いが一日中家にいると、今まで気がつかなかった、あるいはスルーできていた“嫌な部分”が際立ってくるからです。

とくに、ずっと会社で働いていて、家事や育児は任せきりだった夫側からすれば「なんであんな(子どもの)育て方してるんだ!」と。いっぽうの妻側からすると「夫が横入り的なかたちで子どもに口出ししてくるのがうっとおしい」ってことに……。

「家事」に関しては、夫側が「なんでこんないい加減な掃除で済ますんだ!」と。妻側からすると「手伝ってもくれないし…」「テレワークなんて家で延々仕事してるわけじゃないんだから、ちょっとは手伝ってくれてもいいでしょ!」ってことになってくる。手伝ってくれても、妻が長年やってきた手順とまったく違っていたり……。普通だと許せていたことが在宅によって許せなくなる──そりゃあ、24時間同じ部屋でずっと顔を突き合わせていたら、そうなってしまうのも無理はありません。

「コロナ離婚」の要因は「騒ぐ子ども」と「昼ごはん」!?

ではなぜ、コロナ離婚の大多数を占めるのが「30代半ば過ぎ~40代前半のご夫婦」なのでしょう? 岡野さんは以下のように分析します。

「この年頃であるご夫婦のお子さんは、家にいてもすごく暴れるんですよ。外では遊べないし、保育園や小学校も休みで子どもにストレスが溜まって、それを御せないことによって、妻も夫もイライラが募って『オマエのしつけが悪い!』『アナタがちゃんと叱らないから』と責任のなすり合いになってしまう…。“子どもの騒がしさ”って経験したことない人にはわからないんだろうけど、半端じゃありませんから。ちなみに、私の場合、20代のご夫婦からの相談はまだあまり受けていませんが、逆に、まだこの年頃は子どもがいないご夫婦が多いせいか、相談にくる以前にスパッと別れてしまうのかもしれません」(岡野さん)

家では散々威張り散らしていた夫の仕事ぶりを見たことがなかった妻が、テレワークによってそれを目の当たりにして……。たとえば、上司に媚びへつらっているさまを見てげんなりしてしまう“イメージダウン”のケースも、少なからずあるのだそう。自分が抱いていた「理想の夫」像が自宅勤務によって脆くも崩壊してしまうわけです。あと、「お昼ごはん」もコロナ離婚の大きな原因になっている……との指摘も!?

「これまでは朝と夜だけで済んでいたのが、夫と子どものために昼食もつくらなければならない──そんな、まるで夫が定年退職してからの熟年離婚みたいな“新たな”ストレスが妻側に生じるのです。せめて昼くらいはリーズナブルな外食でもできればいいんですけど、コロナ自粛の時期はお店も閉まっていましたからね。また、夫側からすれば昼食も夕食も子ども寄りの献立で…。新型コロナショック前は、ランチやたまの飲み会で違った嗜好の食事を外で楽しむことも可能だったし、朝と夜だけが子ども寄りならまだギリギリ我慢できていたけど、“三食全部”ってことになったら、それが夫にとってもストレスになってしまいます」(岡野さん)

性急に「離婚」を決断することは得策なのか?

“コロナハイ”の状態も手伝ってか、誰もが「次のステップへと踏み切ること」に性急となっている兆候が見え隠れしている昨今──「もう我慢の限界!」と早々に「離婚」という切り札を出してしまうのはいかがなものなのか? 「原則として、白黒をつけたいときに離婚という行動に出るのがベスト」と前置きしながらも、岡野さんは「このコロナの時期にかぎると、勢いだけでパッと離婚してしまうのは正直あまりおすすめできません」と警鐘を鳴らします。

「私たち人類はまさに今、未曾有の体験の真っ最中にいるわけで、そんな一寸先の予測が不可能な時代においては、“パートナーの本当の大切さ”を見落としてしまうことも多々あるはず。(離婚を)ジャッジされる側だけではなく、ジャッジする側もナーバスになって、冷静さを欠いているわけですから。コロナ騒動が落ち着へば、また元のいい夫・妻に戻ることだって十分にあり得ます」(岡野さん)

しばらくのあいだは“即決断”をくだすのではなく、せめて“心の中の決意”に止めておくべき。パートナーにもう一度チャンスを与えてみて“その後”を観察し、慎重に事を進めてみても遅くはありません。まだ完全な終焉を迎えていない“非常事態時”の瞬発力のみに頼った行動力は、ときに後悔の元にもなりかねないということです。

すべて「コロナのせい」にしてしまえ!

ならば、ここまで夫婦間で積もり積もってしまった「コロナストレス」に対抗する術(すべ)は、はたしてあるのでしょうか? 岡野さんは「一緒にコロナに立ち向かおう!」といったメンタルを、家族で育むことこそが大切だと言います。

「閉じられた空間でお互いを見てしまうからケンカになっちゃう。“相手”ではなく“コロナ”を見るべきなんです。『コロナのせいで私たちはこんな事態に追い込まれているのだから、二人の共通の敵はコロナだ』という発想に転換するのがポイント。敵はパートナーではなくコロナ! 全部コロナのせいにしちゃえばいいんですよ」(岡野さん)

「二人で美味しいものを食べに行き、心身の免疫力をアップしてコロナに感染しないよう注意しよう」でもOK。外食はまだまだ躊躇してしまうなら「一緒に工夫してご飯つくってみようよ」でもOK。「コロナに対抗するためにオレたち一致団結しなくちゃね!」といった雰囲気づくりができれば、しめたもの。

「たまに夫が料理にチャレンジしてくれても、やたら食材にお金はかけるわ、キッチンはとっちらかすわで、むしろ邪魔」なんて“ありがた迷惑”な面もあるでしょう。が、ここはちょっぴりガマン! せっかく夫は妻のためになにかやろうとしているのだから……。「夫が妻の家事を手伝う」ではなく「妻が夫の家事を手伝う」という感覚を持ってみませんか? 

あと、コロナに関連する“見知らぬ第三者”を“ヤツ当たりの標的”にするのも、かなり有効とのこと。

「緊急事態宣言中は、やれアベノマスクがダサいだとか、政治家や官僚や、テレビに出ているコメンテーターや医者や芸能人などに、いろんなブーイングをぶつけていたはず…。しかし、それもある種“二人の共通の敵を設定している”わけで、ストレス発散の方法としては間違っていません。身近な人たちを攻撃の対象にすれば問題になりますけど、別にテレビの向こうにいる人たちへと文句したところで、聞こえやしないんですから(笑)」(岡野さん)

なるほど、こうやって“仮想敵”を無理やりにでも眼前に置き、家族でサンドバッグ代わりにすれば、団結力も不思議と強くなっていくものなのでしょう。

「引っ越し」「リノベーション」「リフォーム」が効く

リノベーション済の部屋
今後もテレワーク化が進めば、都心エリアにこだわらず、郊外の広めの中古マンションを自分好みにリノベーションするといった選択肢も現実的となる

さらに、「断舎離」も“気分転換”には大きな効果をもたらすと岡野先生。現実の話、コロナ自粛最中に断舎離を実行した人も多かったのでは? ただし「断舎離は、かなりの覚悟をもってやらなければ、中途半端なかたちで終わってしまいがち」とも……?

「断舎離に一番いいのは“引っ越し”。私も、趣味の海外旅行にもなかなか行けなくて、家でじっとしていてもモヤモヤするだけなので、旅行に使うお金を貯めて、最近引っ越しをしました。以前住んでいた家より平米数が小さい家に引っ越したため、従来は収納できていた物が物理的に収納できなくなってしまった。だから、捨てるしかない(笑)。“広くなる・狭くなる”は関係なく、引っ越しすることによって収納のサイズが合わなくなって、おのずと捨てる物がたくさん出てくるわけです」(岡野さん)

とは言っても、引っ越しにはお金も時間も手間ヒマもかかるため、誰もがすぐできるわけではありません。じゃあ、次は「リフォーム」あるいは「リノベーション」。こうした「革新、刷新、修復」──「マイナスの状態のものをゼロの状態に戻すための機能の回復」するリフォームや、「プラスαで新たな機能や価値を向上」させるリノベーションを夫婦で計画してみてはいかが?

今回の新型コロナ騒動で、「じつは遠くに住んでいても仕事ができる」ことに気づいた人も多いようです。事実、都心から離れた場所への引っ越しを計画なさっているご家族も、この数ヶ月で急増していると聞きます。

「価格的にも安いエリアで広めのマンションを購入し、フルリノベするというプランは、けっこうリアリティがあると思います。狭い都心で夫婦ゲンカしているより、広々とした遠い郊外でのんびり暮らす──電車だって、これからは恒久的なテレワーク化によって、通勤ラッシュもどんどん緩和されてくるでしょうし…。今すぐ大がかりなリノベやリフォームをする必要はありません。将来に向け、二人で“環境を変えること”について、あれこれと話し合うことに意味があるんです」(岡野さん)

もちろん、プチリフォームでも全然大丈夫!「ウチは賃貸だし貯金もないし…」というご夫婦でも、近ごろは壁を傷つけずに簡単に剥がせる壁紙なども、リーズナブルな価格で販売されていますから、ちょっとした模様替えで、部屋の雰囲気もガラッと変わります。

それすら厳しい……まさに「生活費がカツカツ」だと嘆くあなたは、メルカリやネットオークションでいらない物を売ってみるのもアリ!

「近年はインターネットだけでいろんなことができる時代なので、“小遣い稼ぎ”をきっかけに、本格的な副業にチャレンジしてみるのも◎。部屋も片付くし、一石二鳥です」(岡野さん)

「おもいやり」と「気遣い」を家族へと向けるべき時代

最後に、岡野さんから「アフターコロナ・ウィズコロナにおける夫婦の在り方」について、珠玉のアドバイスをいただきました。

「『おもいやり』『気遣い』を上司に、取引先に、近所の人に、学校の先生に…と、ビフォー・コロナまでは外に対してのみできていたことを、パートナーに向けても施す努力をしてほしい。これからは“外”ではなく“内”への『おもいやり』を意識して『気遣い』しないと、一緒に協力し合って、この困難を乗り越えてはいけない。そして、そんな両親のそういう姿勢を見れば、子どもだって素直に言うことも聞いてくれるようになります。“共通の敵”に立ち向かうには一人では無理なんです」(岡野さん)

「自分のことだけを考えない」「パートナーの立場に立って考える」……すでに使い古された当たり前の心構えではありますが、こうした思考の切り替えが改めてきちんとできなければ、コロナと共生をしつつ夫婦で生き抜くのは難しくなってきているのかもしれません。

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岡野 あつこ(おかの・あつこ)

夫婦問題研究家・離婚相談士・NPO日本家族問題相談連盟理事長。自らの離婚経験を活かし、夫婦の問題に悩み苦しむ人を一人でも多く救いたいという思いから「離婚カウンセリング」という前人未踏の分野を確立。29年間で35,000件以上の相談を受け、修復も含め、数多くの夫婦問題を解決に導いてきた。現在は後進の育成にも力を注ぎ、全国で『離婚カウンセラー養成スクールオンライン講座』を開講。著書も多数。最新著書は『女性が起業する理想的な働き方〜離婚カウンセラーになる方法〜「幸せ」のゴールを一緒に探す やりがいのあるお仕事』(ごきげんビジネス出版/1540円・税別)

取材・文:山田g事務所

公開日 2020年6月24日
更新日 2020年6月30日

#新型コロナウイルス, #COVID-19

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