シックな部屋にするには?インテリアスタイルやおすすめコーディネートを紹介

インテリアやファッションにおける「シック」という表現。洗練された上品で高級感溢れる雰囲気、おしゃれで落ち着いた大人のイメージなどの意味になりますが、インテリアデザインにおいて「シックなお部屋」というといくつかのテイストがあります。実際に再現するにはどういったポイントをおさえたらいいのか、どのようにカラーコーディネイトをするべきなのか紹介していきます。
「シック」とはどういう意味?
シックな装い、シックなデザイン……、インテリアやファッションについて表現するときに使われる「シック」という言葉。実は「chic」というフランス語を日本語表記にしたものです。『広辞苑』で意味を見てみると「粋なこと。しゃれたこと。」とされています。
ちなみに英語でシックというと「sick」。こちらは病気を意味し、まったく異なる言葉になります。ファッションやインテリアで「シックな部屋」といった使い方をするときには、「上品で洗練された」「おしゃれ」「あか抜けている」「落ち着いている」といった意味になります。
「シック」と呼ばれるインテリアスタイル

シックな部屋とはつまり、上品で洗練されたおしゃれなインテリアの部屋ということ。大人っぽく落ち着いた印象の部屋というイメージです。そんなシックなインテリアにもいくつかテイストがあります。
シックモダン
シンプルなデザインの中に重厚さを感じさせる「シックモダン」は、落ち着いた雰囲気や格調高いテイストが特徴。「大人インテリア」の代表的素材でもあり、最近の住宅に多く採用される人気のスタイルです。象徴的なイメージカラーはグレー。たとえば、ホワイトや薄いグレー、グレーベースの他カラーで部屋全体を統一し、濃いめのグレーやブラウンなどの家具をポイントで配置するなどのコーディネートになります。
ソフトシック
「ソフト」というだけあり、洗練された中にもほどよく柔らかさを感じさせるようなイメージなのが「ソフトシック」スタイル。シンプルなだけでなく、曲線デザインの家具などで品のよさや優しさを演出するのが特徴的です。グレイッシュカラーなどやさしい色合いでほっとくつろげる空間は、近年トレンドのテイストでもあります。
シャビーシック
洗練されたシックと、使い古した・粗末なという意味のシャビーとの組み合わせが絶妙にマッチすると、ほどよくアンティーク感のある優雅な「シャビーシック」なインテリアになります。ホワイトベースのコーディネートが主流で、使い古された味わい深さをDIYで加工するなど、いわゆるシャビー加工された家具を取り入れるのも人気。ゴージャスで品がありつつフェミニンな雰囲気が、女性に人気のシック系インテリアです。ブラウン系をプラスすると行きつけのカフェのような雰囲気にもなります。
ファッション・インテリアでよく形容されるスタイルの意味
モダン
「モダン」は英語の「modern」で、「現代的な」「近代的な」という意味。つまり現代的で今っぽい最新であるというイメージです。機能性とシンプルさを追求した直線的なデザインの家具、都会的な雰囲気が特徴で、インテリアの場合はシンプルやミニマムなどとも似た意味を持っています。
レトロ
「レトロ(retro)」は、「retrospective(レトロスペクティブ)」の略語で、懐古趣味のこと。古さやを感じさせるものという意味で、素朴な懐かしさを感じる雰囲気の家具や色味のインテリアのことを指します。日本では大正ロマンや昭和レトロなど、その時代を彷彿させるインテリアコーディネートがあります。
ビンテージ
ビンテージは、英語の「vintage」。もともとはワイン用語で、古くても価値のある古着や楽器などにも使われる言葉。インテリアでビンテージという言葉をつかうときは100年程度までのもののこと。それ以上のものはアンティークと言われるようです。古材やユーズド家具でコーディネートするスタイルで、アメリカンビンテージ、ヨーロッパビンテージなど、さまざまあります。本物に似せてつくられたビンテージテイストも人気。
クラシック
クラシックは「古典的」という意味のclassicからきています。繊細な装飾がほどこされた家具、きらびやかなシャンデリアや重厚感のあるカーテンなど、ヨーロッパの宮殿やお城をイメージしたようなスタイル。伝統的な装飾が格調高い雰囲気で素材にも大理石など高級なものが採用すると本格的です。
シックな部屋を再現するには? インテリアコーディネートのポイント

シックなインテリアがどのようなイメージか分かったところで、具体的にどうすれば実現できるか紹介していきます。洗練された高級感ある雰囲気が理想だといっても、ライフスタイルはひとそれぞれ。自分の暮らしに合うようにうまく取り入れてシックな部屋を再現したいところです。おしゃれな実例を参考にしながら、リビングや寝室など過ごす時間が長い空間から始めてみてはいかがでしょうか。
カラーや素材を意識することで素敵な空間が作れる
色味はインテリアのイメージを決めるかなり重要な要素。センスを感じさせる部分であり、ぜひこだわりたいところです。シックなカラーコーディネートの基本はモノトーンカラーが中心。上品で洗練されたイメージをつくるためには、色数は控えめにしましょう。異なるトーンの色を取り入れるときは、あくまで「アクセント」にとどめ、小物など面積が狭い部分にしておくのがおすめです。
ベースはホワイトやグレー系。明るいトーンの色であれば、どんな色の家具とも相性がよく、のちにアレンジを加えたいと思ったときも応用が効くというメリットがあります。部屋を広々と見せることができるという利点も。ブラウンやブラックもポイントで取り入れるといいでしょう。賃貸の場合はできるアレンジが限られますが、自分が理想を詰め込んだらそこは“マイホーム”。まずは色を決めるところからはじめましょう。
落ち着きのある自然な素材を取り入れる
部屋全体の統一感を重視しすぎると、きれいにまとまりすぎて、逆に落ち着かない空間になってしまうことがあります。空間に変化がないと単調で、息苦しさを感じてしまうことも。そうならないために取り入れたいのが自然素材でつくられた家具。ソファやダイニングテーブルなど部屋のメインとなる家具がおすすめです。ラタンや無垢材など、ナチュラルな素材感は温かみを与えてくれ、部屋に開放感を演出してくれます。
シックなカラーコーディネートとは?
シックなインテリアに欠かせないのがモノトーンカラーを中心としたイメージのカラーコーディネート。ホワイトやグレー、落ち着いたブラウン系カラーやブラックなどを取り入れると、洗練された大人っぽいコーディネートになります。目指したいのはすっきりとシンプルな色使い。派手すぎない、色を使いすぎないことで、落ち着きある空間を作れるでしょう。
グレーを基調したコーディネート
シックな部屋のイメージにぴったりなグレーのコーディネート。モノトーンカラーの中でも、グレーのグラデーションにはスタイリッシュで品のよさを感じさせる雰囲気があります。グレーは自己主張が強くないので、ほかのカラーとの相性がよくなじみやすいのが特徴。
むしろ周囲の色を引き立ててくれる万能な脇役者です。部屋全体をグレーにすることが難しければ、グレー系の家具や小物などを多めに取り入れることで、大人っぽいグレートーンのインテリアが叶います。
ブラウンを基調としたコーディネート
大地の色、木の色……ブラウンが持っている空気は柔らかさやあたたかみ。穏やかさで落ち着ける雰囲気づくりには最適です。レザー素材の濃いめブラウンから、木製のナチュラルトーンまで、ブラウンカラーにもさまざまな種類がありますが、どの部屋にも取り入れやすく初心者でもコーディネートしやすいのが特徴。上品な大人のインテリアを比較的簡単に作ることができるでしょう。
ベージュを基調としたコーディネート
アイボリーや淡いベージュは、ほとんど色味を感じさせない中間色のような存在。全体をベージュでまとめた部屋は、どんな世代にも人気です。一方で、色を感じさせないことで単調になりがち。立体的に織られたファブリックや、木目調の家具、珪藻土の壁など、豊かな質感のものを取り入れると趣を感じられて効果的です。
空間の中に重圧感と存在感を引き立たせる「黒」
モノトーンインテリアで黒を使ったインテリアを作る場合、どの場所にどれくらいの面積の黒を使うかによって部屋の印象がかなり変わってきます。黒は、たとえばソファやラグ、カーテンなどに使うと圧迫感がでてしまい、部屋全体が重く暗い雰囲気になってしまいます。黒を取り入れるときはあくまでアクセントとして、空間を引き締める程度に効果的にプラスするイメージで。
カーテンや間接照明、壁面の装飾は「シンプルに」

おしゃれでスタイリッシュなイメージのシックな部屋のコーディネート。センス良く見せるためには統一感が重要です。好みのシックスタイルを見つけたら、ブレずに貫くこと。アイテムを厳選してバランスよく配置することで、洗練された雰囲気を作ることができます。
カーテン
カーテンの色味は、部屋の中でかなり大きな面積を占め、部屋全体の印象を大きく左右するので選ぶときは慎重に。どのような色を選ぶかでイメージは大きく変わります。部屋を広く見せたいなら白、優しい色合いのベージュアイボリーなどがおすすめ。家具や床壁紙の色を選ばない明るめのグレーという選択も。寝室ならややダーク系カラーで落ち着きを演出してもよいでしょう。
間接照明
日本では、照明が天井のシーリングライトひとつという家が多く見られますが、これがインテリアの印象を単調にする失敗パターン。ペンダントライトやスタンドライトなど、複数の間接照明を組み合わせるのがおしゃれでシックな部屋の鉄則です。光の強弱をつけてメリハリのある雰囲気を演出しましょう。シックなインテリアなら、デザイン性のある照明器具をポイントにするとアクセントになります。
壁面装飾
カーテンと同様に部屋の印象を左右するのが壁面です。壁面装飾は、アートや雑貨、写真、植物など種類はさまざま。素材にもファブリック、木製のものなど多様なアイテムがあります。うまくコーディネートすればシックな部屋に華やかさをプラスしてくれる効果がありますが、バランス感がとても重要。飾る場所や数、アイテムの種類など、やりすぎると乱雑な雰囲気になってしまうので、少しずつ試すのがおすすめです。
シックなお部屋の収納方法とは?
せっかく色や素材を統一しても、モノが多くて散らかっていてはシックなお部屋も台無しです。シックインテリアに限らず、収納はおしゃれな部屋を叶えるために欠かせない要素。シックな部屋を引き立てる収納のコツについてご紹介します。
家具・インテリアの存在が引き立つよう、物は置かない
たとえ気に入った物で、色や素材感が統一されているといっても、インテリア雑貨や小物が多すぎるとアイテムにばかり目がいってしまい、部屋全体もなんとなく乱雑な印象になりがちです。これではシックな部屋としては失敗。インテリアの核となる家具を厳選したら、必要以上にたくさんの物を部屋に置かないこと。壁面の装飾や間接照明も、デザイン性のあるものにすれば、あえてインテリア雑貨を置いたりしなくても、おしゃれなアクセントになります。
収納ボックスは「同系色」で統一感を出す
見せたいものは絞り込んでバランスよく飾る、そして見せたくないものは収納ボックスにしまう、これが部屋をすっきりさせるコツです。飾るものは最小限にして、残りは収納ボックスに入れることで、部屋に無駄なものが置かれることなくディスプレイされたものも生きてきます。隠したいものをしまっておくツールとしての収納ボックスも、同系色、できれば同デザインでそろえて統一感を忘れずに。
公開日 2020年8月3日
更新日 2020年10月22日
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