浴室乾燥機って必要?設置のメリットや時間、電気代の目安、掃除方法を紹介

浴室乾燥機って必要?設置のメリットや時間、電気代の目安、掃除方法を紹介

「浴室乾燥機って本当に便利?」「電気代はいくらくらいかかる?」「浴室乾燥機のメリット・デメリットを知りたい」

共働き世帯の増加、生活リズムの変化、花粉やPM2.5対策などを理由に、浴室乾燥機の導入を検討する方が増えてきています。

天気に左右されず、いつでも好きなときに洗濯物を干せますし、浴室のカビ・ニオイの発生を抑えることもできます。また、浴室を温めることで、ヒートショック対策にもなります。

今回は浴室乾燥機の機能や特徴、メリット・デメリット、光熱費を抑えて効率よく使うコツをご紹介します。

浴室乾燥機とは?機能と特徴

浴室乾燥機は「乾燥」「暖房」「換気」「涼風」が基本機能として備わっています。浴室をただ乾燥させるだけでなく、ヒートショック対策やカビ抑制、夏場の快適な入浴など、季節に合わせた使い方をできるのが特徴です。

浴室乾燥機が持つ機能をひとつずつご紹介していきます。

乾燥機能

浴室乾燥機で頻繁に使用するのが乾燥機能です。「衣類乾燥」と「浴室乾燥」2つの役割があります。

製品によってそれぞれ分けている場合もありますし、乾燥機能として同じボタンで操作する場合もあります。

衣類乾燥

梅雨の季節、花粉の時期などに活躍するのが「衣類乾燥」です。この機能を使えば天候や外気の状況に左右されることなく、いつでも好きなタイミングで洗濯物を干せます。

室内干しは「生乾きによるニオイ」「場所を取る・見た目が悪い」といった懸念がありますが、浴室乾燥機を使った室内干しならしっかり乾きますし、浴室なので生活スペースを取る心配もありません。

また、季節によっては花粉やPM2.5であまり外干ししたくない状況もあるでしょう。そういった場合も、浴室乾燥機ならば室内干しですので心配いりません。

浴室乾燥

浴室乾燥機は一般的な換気扇のみの換気と違い、「換気と温風」により浴室をしっかりと乾かせます。浴室の湿気がすばやく除去できるので、カビやお風呂独特の嫌なニオイの発生も防げます。

暖房機能

浴室乾燥機にはお風呂場を温める暖房機能が搭載されています。冬場は温かい部屋と寒い浴室の温度差のせいで、血圧の急変動が起きる可能性があります。これをヒートショックと呼びます。

若く体力がある方ならまだしも、体の弱い子供や老人の場合、命に関わる危険性も。暖房機能は浴室内はもちろん、浴室のドアを開けて脱衣所も同時に温められます。しっかり温めておけば冬場のヒートショック対策になるのでぜひ活用しましょう。

換気機能

浴室のカビやニオイの発生を抑えるには換気が大切ですが、アパートやマンションなどの集合住宅では浴室に窓がない場合があります。そのような浴室だと、換気もしにくくカビが大量発生する可能性も高まります。

換気機能は換気により空気を循環させて浴室の乾燥を促し、カビ・ニオイの発生を防ぐ機能です。製品の性能にもよりますが、3~4時間ほど換気すればほぼ浴室を乾燥できるでしょう。湿気の多い梅雨の時期などは乾燥機能と併用してしっかり乾燥させるとより安心です。

涼風機能

涼風機能は心地よい風を送り、夏場の蒸し暑くなりやすい浴室を快適にしてくれる機能です。冷房ではないので完全に涼しくなるわけではありませんが、爽やかな送風が体のほてりを抑えてくれます。

浴室乾燥機のメリットとデメリット

浴室乾燥機は多機能で利便性が高く、導入するメリットが多いアイテムです。その反面、電気代や導入コストの問題もあります。ここでは浴室乾燥機のメリット・デメリットについてご説明します。

浴室乾燥機のメリット

浴室乾燥機は浴室を乾燥させるという点において、換気扇よりも高い性能を誇ります。また、室内干しが可能なため、天気や外気の状態に左右されずに洗濯物を干せる点も大きなメリットです。

換気・乾燥ができるので、生乾きの心配もないですし、干した洗濯物もシワになりにくいという特徴もあります。

浴室乾燥機のデメリット

浴室乾燥機は非常に高機能ですが、光熱費が高いというデメリットもあります。換気扇のようにただファンを回すだけではなく、暖房や乾燥など温める機能があるため電気代も高くつきやすいのです。

また、フィルターはホコリが溜まりやすく掃除をする手間も換気扇と比べて増えます。設置コストも高いので導入するのを迷う方も少なくありません。

浴室乾燥機の光熱費はいくら?

便利だからと頻繁に使っていると大きい出費になる可能性も。どのくらいの光熱費がかかるのかチェックしたい
便利だからと頻繁に使っていると大きい出費になる可能性も。どのくらいの光熱費がかかるのかチェックしたい

浴室乾燥機でもっとも懸念されるのが「光熱費」です。換気扇と違い、電気代・ガス代が多くかかります。実際にどのくらい光熱費がかかるのかを検証してみましょう。

電気式の場合

電気式浴室乾燥機の電気代はカタログなどに記載されている「消費電力」で計算可能です。たとえば、消費電力1200Wで電気料金が1Whあたり0.027円、浴室乾燥機を洗濯物が乾くのに最低限必要な3時間運転したとします。

【3時間運転の電気代:1200w×0.027円×3時間=97.2円】

もし、1ヶ月間毎日運転したならば2916円となります。乾燥時間が前後したり、毎日洗濯しなかったりとご家庭により状況はさまざまですが、電気式浴室乾燥機は1ヶ月あたりおよそ3000円の電気代がかかると考えておけばよいでしょう。

ガス温水式の場合

ガス温水式使用時のガス代もカタログに記載されている「ガス消費量」をまずは確認しましょう。たとえば、ガス消費量5kW、ガス料金145円、浴室乾燥機を2時間運転したとします(ガスの熱量は12.5kWとする)。

【1時間あたりのガス使用量:5kW÷12.5kW=0.4㎥/h】

【2時間運転のガス代:0.4㎥/h×145円×2時間=116円】

もし1ヶ月間毎日運転するならば3480円となります。電気式よりもやや高い結果となりましたが、ガス式の方がパワーもあるため乾燥時間が短縮できるというメリットもあります。

状況次第では費用が逆転することもあるので、電気式・ガス温水式どちらが高い・安いかは一概にはいえません。いずれにせよ、毎日使えば月3000円くらいかかると思っておきましょう。

光熱費を節約するには「時短」がポイント

電気式もガス温水式も毎日使えば3000円かかるということで、それなりに光熱費がかかってしまいます。利便性が高いとは言え、年間3万6000円は結構な金額です。浴室乾燥機を利用するならば、使用時間を「時短」することで節約をしましょう。

時短方法はいくつかありますが、たとえば以下のようなものを試してみましょう。

  • 1時間程度部屋干ししてから浴室乾燥機を使う
  • 干す前に浴室の水分は十分に拭き取る
  • こまめなフィルター掃除で高い乾燥性能を維持する
  • 外気温の高い昼間に干して乾燥を促す

ちょっとした手間を加えるだけでも使用時間はかなり変わります。光熱費を少しでも抑えたいなら、ぜひご検討ください。

浴室乾燥機の設置に向いている人は?

浴室乾燥機にはさまざまなメリット・デメリットがあります。それらを踏まえた上で、「こんな人は浴室乾燥機を使うべき」というポイントをご紹介します。

天候に左右されずに洗濯をしたい

夫婦共働きが当たり前の現代、お仕事や子育てが忙しくて家事をする時間を取るのも大変なものです。特に洗濯は天候に左右されやすく、せっかく時間が取れても「雨のせいで外干しできずに断念した」というケースも少なくないと思います。

浴室乾燥機があれば天候を気にせず、いつでも洗濯をして干すことが可能です。そういった意味では「自分の都合に合わせて洗濯をしたい」という方に浴室乾燥機は向いているといえます。

洗濯物をあまり外干ししたくない

実は天気の良し悪し以外にも、外干しは意外と気を使います。

近年、花粉はもちろんPM2.5などのアレルギー報告が増加傾向にあり、外に干した洗濯物にアレルギー物質が付着してくしゃみが止まらないといった悩みも増えています。

アレルギー防止のためには、洗濯のたびに花粉など大気の状況をチェックする必要があり、物干し竿も毎回拭き取掃除をしなくてはなりません。かなりの手間となるでしょう。

また、外干しは柔軟剤の香りが飛んでしまったり、外のニオイがついてしまったりもするので悩みはつきません。その意味でも、外干しにお悩みを持つ方にとって浴室乾燥機はよい選択肢といえるのではないでしょうか。

浴室のカビやニオイが気になる

マンションやアパートなどの集合住宅だと浴室に窓がない、または窓が小さすぎて換気しにくいといったところも少なくありません。

こまめに掃除をしているつもりでも、梅雨など湿気の多い時期はカビやニオイが発生してしまう可能性があります。

お風呂は体をキレイに洗い一日の疲れを取る場所ですから、清潔感は大切。浴室の換気状況が悪い、カビ・ニオイの発生を防ぎたいという方に浴室乾燥機は向いています。

浴室乾燥機の後付けは可能?

現在、浴室に換気扇がついているのであれば、浴室乾燥機を後付けできる可能性が高いといえます。多くの場合、既存の換気扇を浴室乾燥機に交換するだけであり、電気配線や排気といった設備が整っているため、数日間かかるような大規模なリフォームにはなりません。

換気扇がついている浴室であっても、浴室乾燥機を取り付けるスペースがない場合、換気扇と照明の距離が近い場合は、後付けできないケースがあります。

また、築年数が古い住宅の浴室は、浴室の乾燥を窓の開閉のみで行うことが多く、浴室乾燥機が設置されていないことがほとんどです。

浴室乾燥機の上手な使い方

浴室乾燥機を使えばカビの発生を抑える、気軽に室内干しができる、ヒートショック対策になる、などさまざまなメリットがあります。しかし、換気扇に比べて光熱費が高いというデメリットもあります。

ここでは浴室乾燥機の光熱費を抑えつつ、メリットを最大限に活かす上手な使い方をご紹介します。

1回あたり何時間でタイマーをセットすべきか

浴室乾燥機で洗濯物を室内干しする際は必ずタイマーをセットしましょう。タイマーの目安としては、2人分程度の洗濯物ならば2~3時間でOKです。

湿気の多い梅雨の時期や気温の低い寒い時期、厚手のものを乾かす、または乾きが悪いなと感じたときはプラス1時間くらいみておいてください。

浴室内の水分を拭き取る

浴室乾燥機を使用する前はぜひ浴室の床や壁面についた水分を拭き取ってください。余分な水分を除去すれば浴室内はより乾燥しやすくなり、浴室乾燥機の効率も高まります。

手の届く範囲をサッと拭き取るだけでも洗濯物が乾きやすくなりますので、家事の時短はもちろん光熱費削減にもつながります。

換気で湿気をなくし、乾燥で乾かすなど機能の使い分けをする

換気と乾燥、それぞれの機能を使い分けすると光熱費の節約につながります。浴室乾燥機は換気や送風と比べて乾燥・暖房は利便性も高いですが、エネルギー消費も格段に高くなります。

たとえば、洗濯物を干す場合でも乾燥機能だけ使うよりも換気機能を併用して使う方がコストを下げやすくなるのです。

具体的な使い方としては、最初に換気機能を使って水気を飛ばしてある程度したところで乾燥機能に切り替えるといいでしょう。すべて乾燥機能で行うよりも明らかに光熱費が安くなります。

洗濯物の量を調節し、干す間隔を均等にあける

洗濯時の乾燥効率をあげるには、洗濯物の間隔を適度に開けるようにしましょう。洗濯物同士に空間を開けることで空気の通り道ができるので、乾きやすくなります。

他にも、厚手またはサイズの大きいものを乾かすときはハンガーを2本使って空気に触れる面積を増やしたり、ズボンを裏返してポケット袋を外に出して風通しを良くしたりするなどの工夫で乾燥効率がアップします。

定期的にフィルター掃除をする

浴室乾燥機の性能を維持するためにも、フィルターは定期的に掃除をしましょう。まず、取り外したフィルターに掃除機をあててホコリを取り除きます。

その後、ベタつき汚れを落とすために浴槽などに中性洗剤を入れたぬるま湯を張りフィルターを漬け込みます。洗浄後はしっかりと乾燥させて元の位置にフィルターを取り付ければ完了です。

使用頻度にもよりますが、2週間に1度くらい掃除をするだけでも浴室乾燥機の運転効率を維持できます。洗濯物や浴室を乾燥させやすくなるとともに光熱費の節約にもなります。

半年~1年に1度程度、業者に分解清掃を頼むのもよいでしょう。機器の細部・深部まで清掃してくれるので、新品レベルにまで乾燥効率が復活することもあります。末永くお得に浴室乾燥機を使うためにもぜひお試しください。

浴室乾燥機で洗濯物が乾かない場合に見直したいポイント

「せっかく浴室乾燥機を使っているのになかなか洗濯物が乾かない」。こうした場合は、以下の点をチェックしてみましょう。

  • 乾燥前に浴室の余分な水分を拭き取る
  • 洗濯物の間隔は適度に開ける
  • 厚手のものはなるべく広げる
  • 梅雨の時期は乾きにくい傾向にある
  • 夜間ではなく昼間に試してみる
  • フィルターの掃除をしてみる

どうしても洗濯物の量が多い場合は、スタンドタイプの物干しを使用して薄手のものは部屋干し、厚手・大きいサイズのものは浴室乾燥機、といった使い分けをするのも方法のひとつです。

乾きが悪い理由の大半は「洗濯物同士が過密になっている」「湿気が多い」ことです。いまいちど洗濯状況を見直して、効率よく浴室乾燥機を使っていきましょう。

浴室乾燥機の掃除方法

定期的に掃除をしないと機能が低下するだけでなく、衛生面でも悪影響がでる
定期的に掃除をしないと機能が低下するだけでなく、衛生面でも悪影響がでる

浴室乾燥機は定期的に掃除をしないとカビやホコリが発生して乾燥効率の低下を招きます。さらには空気循環が不衛生になり、機器の故障などが起こりやすくなります。快適に効率よく末永く浴室乾燥機を使用するためのお手入れ方法をご紹介します。

事前準備として、まずは浴室乾燥機の電源を落として少し待ちます。その間に布巾、中性洗剤、綿棒、掃除機、必要であれば手ぶくろやマスクも用意しましょう。

電源を落としたのち少し時間をあけてからフィルターのホコリを掃除機で吸い取ります。大きな汚れが取れたら綿棒を使って細かい場所をキレイにしていきましょう。あまり力を入れると破損するので注意してください。

続いてカバーやファンを布巾で軽く拭いていきます。水洗いする場合は洗浄後にしっかり乾かすのを忘れずに。

ホコリを取った後のフィルターは、浴槽などに中性洗剤を混ぜたぬるま湯を張り、そこに30分~1時間ほどつけておきます。粘りのある汚れが落ちますのですっきりとした見た目になるでしょう。

ちなみに洗剤は必ず中性のものを使用し、酸性・アルカリ性のものは使わないようにしてください。洗浄力の強い洗剤はフィルターを傷めてしまう可能性があるからです。それと同様に、化学繊維の雑巾は繊維のせいでカバーやファンの表面を傷つけてしまう可能性があります。

また、お手入れ時にはご自身の体調のために換気をしっかりと行ってください。浴室に窓がない場合は脱衣所方面のドアを開けて、少しでも空気の流れをつくるようにしましょう。

浴室乾燥機と洗濯乾燥機の違い

浴室乾燥機と比較されるのが洗濯乾燥機です。どちらも洗濯物を外干しせずに乾かせるので、天気に左右されず家事をスムーズにしやすい、というメリットがあります。

両者にはどのような違いがあるのか、いくつかの項目に分けてご紹介します。

手間がかかるのはどっち?

浴室乾燥機は室内干しによって洗濯物を乾かすので、「干す作業」が必要となります。一方、洗濯乾燥機は機器に洗濯物を入れて、ボタンを押すだけで乾燥できるので、手間はあまりかかりません。

すばやく乾かすならどっち?

洗濯物の量や状況によりますが、一般的には洗濯乾燥機に軍配が上がります。浴室乾燥機は通常の室内干しと同様にじっくり空気の循環と湿気除去で乾燥させるのに比べ、洗濯乾燥機は衣類を回転させながら熱風を当てて乾かすためです。

シワができにくいのはどっち?

こちらは浴室乾燥機のほうが優れています。洗濯乾燥機はドラムで洗濯物を回転させながら乾かすため、衣類が絡み合ってしまいます。その過程でシワもできやすく、後でアイロンを掛け直さなくてはいけないなどの手間がかかることも少なくありません。

浴室乾燥機は衣類をそれぞれ独立させて乾かすのでシワになりにくく、干し方によってはパリッと乾かすことも可能です。

おしゃれ着の乾燥はどっちがよい?

陰干しが必要になるようなデリケートな素材であれば浴室乾燥機が向いています。洗濯乾燥機の性能にもよりますが、強烈な温風が衣類に当たることで縮みや破損などの危険性があります。浴室乾燥機は室内干し・陰干しと同様に衣類にダメージを与えることがほぼありません。

音が大きいのはどっち?

製品にもよりますが、一般的には浴室乾燥機の方が静かです。最近は洗濯乾燥機でも静音タイプが増えていますが、それでも集合住宅で深夜に使うのは気が引けるかもしれません。浴室乾燥機は換気扇を回すのと同レベルなので、深夜でも気兼ねなく洗濯物を干せるでしょう。

どちらも使い方次第

浴室乾燥機も洗濯乾燥機も利用シーンによって得手不得手があります。どちらがよい、ということではなく、ご自身がどのように使いたいかが大切です。メリット・デメリットを理解した上で必要なものを選ぶようにしましょう。

公開日 2020年7月8日
更新日 2023年3月22日

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