リノベーション済みのマンションを購入するメリット・デメリットを解説

リノベーション済みのマンションを購入するメリット・デメリットを解説

住宅を購入する際、中古のリノベーション済みマンションを選ぶ方が増えています。中古のリノベーション済みマンションにはさまざまなメリットがある一方で、新築にはないデメリットがあり、特徴を理解したうえでの購入が望まれます。

リノベーション済みマンションのメリット・デメリットを事前に把握しておけば、物件選びに失敗することもないでしょう。中古マンションを活用して新しい住まいを手に入れようと計画中の方は、ぜひ下記の情報を参考にしてください。

リノベーション済みか否かを踏まえて検討する

中古マンションをリノベーションしようと考えたとき、「リノベーション済みマンションを購入する」か「購入後にリノベーションする」かふたつの選択肢があります。それぞれのライフスタイルや生活志向、家族構成に沿った最良の選択が望まれます。

リノベーション済みマンションだと、即入居可能で、プロが手掛けた安定の住まいが手に入ります。しかし、間取りやデザインにこだわりがある場合、それでは満足できない可能性も。

間取りから素材のセレクトまですべて自分たちの意向を反映させたいのであれば、中古マンションの購入後にリノベーションする方法がおすすめです。

どちらが自分たちの住まいづくりに適しているかを正しく判断するためにも、それぞれのメリットとデメリットについて詳しく知っておきましょう。

リノベーション済みマンションのデメリット

リノベーション済みマンションには、次のようなデメリットや注意点があります。

築年数次第では耐震・耐久性に不安がある場合も

築年数次第では耐震・耐久性に不安がある場合も

リノベーション済みマンションには築年数の古い物件が多く含まれます。1981年(昭和56年)より前に建築されたマンションは、旧耐震基準をベースに建てられたと思っていいでしょう。

マンションの耐震性や耐久性に不安がある場合は、住宅診断サービスなどを使って詳しく調べることをおすすめします。

共用部分の設備機器が劣化している可能性

部屋の設備は真新しくても、エレベーターや水道管など共有部分の設備が劣化している可能性があります。また、廊下やエントランスなどの共有部分の汚れや損傷も目に付く状態かもしれません。

原因が築年数ではなく、管理会社の管理不足や住民のマナー、モラルの問題だとすれば、住居の購入は慎重に判断したほうがよさそうです。

間取りが決まっている

間取りが決まっており、変更できない場合も

リノベーション済みということは、すでに間取りから設備まですべてが決まっている状態です。ある程度コモディティ化された住まいの提供となるため、無個性で無難なデザインには不満を覚えるかもしれません。

収納やデザイン、部屋の数をピンポイントで指定したい方には不向きといえます。自分好みの間取りやデザインになっているか、内覧時に細かくチェックすることが大切です。

断熱・遮音性が低い可能性

築年数の古いマンションが目立つリノベーション済み物件だけに、断熱性や遮音性が低い可能性が考えられます。

間取りや収納性に重きを置く一方で、性能面に配慮していない物件も少なくありません。住まいの快適性や住宅性能を重視する方ほど、この点に注意して物件を探してください。

仲介手数料や諸費用などランニングコストがかかる

マンションには、戸建てにはないランニングコストが発生します。その代表が、月々収める管理費・修繕積立金です。

マンションの維持には日々の管理やメンテナンス、修繕計画の立案・実行が重要となり、そのコストを捻出するために管理費用が徴収されます。費用相場は月々2万~3万円程度ですが、築古物件だと相場以上の金額になる傾向です。

また、中古マンション取得時に不動産会社へ支払う仲介手数料も発生します。手数料の金額は「物件価格+3%+6万円」で算出。3000万円の物件だと96万円の手数料です。物件購入費のほかに、こうした初期費用やランニングコストがかかる点に注意してください。

リノベーション済みマンションのメリット

リノベーション済みマンションには次のようなメリットがあります。

新築よりも購入価格・諸費用が安い

新築よりも購入価格・諸費用が安い

「中古といってもリノベーションの施工費用が上乗せされれば新築の費用と変わらないのでは」と思われるかもしれません。しかし、新築よりは1000万円ほど安い値段で購入できます。

首都圏の新築マンションの平均価格は、5871万円(不動産経済研究所の調査より)。これに対し、中古マンションの平均価格は3333万円(東日本不動産流通機構の調査より)で、フルリノベーションの費用相場900万円を足しても新築マンションの購入価格より安い金額で収まります。

また、固定資産税は築年数の経過とともに安くなるため、リノベーション済み物件のほうが軽い税負担となります。さらに、個人から中古マンションを買い取った場合、消費税はかかりません。諸費用が安い点もメリットです。

物件が豊富で選択肢が増える

物件が豊富で選択肢が増える

リノベーション済みマンションの内装設備の新しさは、新築住宅と遜色ありません。しかも、駅前や都心部といったアクセスのいい好立地に建てられた物件が多く、住みやすさや利便性も確保できます。

新しい建物も増えていますが、新しくつくり変えた中古マンションも同時に増加しています。つまり、新築住宅に代わる選択肢ができてユーザーも物件を選びやすくなった環境が整いました。理想の住まいの選択肢が増えたのは大きなメリットです。

室内や周辺環境を事前に確認できる

中古マンションなら、購入前に住まいの状態を見学できます。リノベーションの完成度を確かめたうえで購入できるため安心です。

デザインや間取り、収納性、生活動線など、物件を選ぶポイントはさまざまですが、これらをじっくりと観察しながら気に入った物件を選べるのです。周辺環境も物件選びの貴重な材料となるため、見学のときはこちらもチェックしましょう。

設備や内装が新しい

設備や内装が新しい

天井や床クロスの新鮮さや内装全体の美しさ、水回り設備の新しさは新築に引けを取らないほどです。基本構造以外はすべて新しくするフルリノベーションの状態のため、「本当に中古マンション?」と思うくらいの意外性とインパクトを感じるでしょう。

資産価値が下がりにくい

一般的に、新築マンションや新築戸建ての価格は築年数の経過とともに下落します。新築後15~20年でその価値はおよそ半分になるほどに。

その後は価格も安定して資産価値を大きく減らすことはありません。リノベーション済みマンションを購入しても価格が大きく下がるリスクは少なく、安定した価値を保つことができます。

ローンをまとめることが可能

中古マンション購入で大切なローン選び。仮に選んだマンションが未リノベの場合、住宅ローンだけでは間に合わずリフォームローンを組むことになるかもしれません。

リフォームローンは比較的金利が高く、返済期間も短いため、毎月の返済負担が重くのしかかります。これがリノベ済みマンションであれば住宅ローン一本で済むため、余裕をもって返済できます。

マンション購入後にすぐ住める

マンション購入後にすぐ住める

購入時点でリフォーム工事は完了しているため、すぐ住むことができます。仮住まいを確保する必要はなく、余計なコストがかかりません。

転勤や子どもの転校など自分たちの都合に合わせて入居日を決められます。引っ越しに伴う転居手続きや住所変更申請といったもろもろの手続き対応もしやすくなるでしょう。

購入後にリノベーションするメリット・デメリット

もうひとつの方法である「物件購入後にリノベーション」。リノベーションされていない物件を購入して、そのあとにリノベーションする方法です。これにはどんなデメリット・メリットがあるのでしょうか。それぞれ詳しく説明します。

デメリット

購入後リノベーションのデメリットは主に次の3点があげられます。

  • ローンの金利が高くなりやすい
  • プランニングや工期がかかる
  • 購入後にすぐ住むことができない可能性

ローンの金利が高くなりやすい

ローンの金利が高くなりやすい

購入後にリノベーションする場合、住宅ローンに加えてリフォームローンを利用するケースがほとんどです。

リフォームローンは住宅ローンより金利が高く、変動金利で「住宅ローン0.7%:リフォームローン3.942%」と3%以上も高い金利となります。

ただし、物件購入時にリノベーションを前提にローンを組めば、住宅ローン内にリノベーション費用を含めることもできます。

プランニングや工期がかかる

未リノベの場合、本当の住まい探しは購入後に始まるといっていいかもしれません。どんな間取りにするか、内装デザインはどんなコンセプトでまとめるか、天井や床の素材、キッチン設備は何を選ぶかなど、細かくプランニングする作業が始まります。

それがリノベーションの醍醐味でもあるのですが、物件選びに住まい設計の時間と労力が加わることを踏まえたうえで購入する必要があります。

購入後にすぐ住めるとは限らない

購入後にすぐ住めるとは限らない

住めるのはリノベーション工事がすべて終わってからとなります。工期は一般的に設計期間で2~3カ月、施工期間で1~2カ月です。半年程度を見込んで引っ越し計画を練ることになります。引っ越しが早ければ仮住まいの住居費がかかる点にも注意が必要です。

メリット

未リノベマンションのメリットは、「自分好みの間取りやデザインにできる」「設備の性能を家族構成に合わせられる」の2点です。

間取りやデザインを自分で決められる

間取りやデザインを自分で決められる

好みに合う間取りやデザイン設計ができる点は大きなメリット。すべてをフルオーダーで決められる分、理想を形にしやすくなります。住まいに対するこだわりが強い方におすすめです。

設備の性能を家族構成にあわせてアップできる

リノベーション済みマンションであれば各設備の性能をそのまま利用することになりますが、購入後にリノベーションする場合は設備の種類や性能を家族構成に合わせてランクアップすることも可能です。

キッチンやトイレ、浴室の設備をどう選ぶかも自由。要望を細かく反映できて、家づくりに自らかかわる楽しみも味わえます。

ワンストップリノベーションのメリット・デメリット

ワンストップリノベーションのメリット・デメリット
LogRenoveでは、オンライン・ショールームにてワンストップリノベーションのご相談を承ります!

中古マンション購入後にリノベーション計画を立てている方に知っておいてほしいのが、ワンストップリノベーションです。

これは、物件探しから設計と施工、お見積もり、住宅ローン計画まで家づくりの流れをリノベーション会社に任せる方式となります。

ワンストップリノベーションのデメリットとメリットについて説明します。

ワンストップリノベーションのメリット

ワンストップリノベーションのメリット

ワンストップリノベーションのメリットは大きく分けて下記の4つです。

  • 窓口が1カ所であちこち回る必要がない
  • 物件価格とリノベーション費用の総額を考えた予算提案
  • 低金利で長期間のセットローンが組める
  • リノベーション向きの物件を紹介できる

窓口が1カ所に集約されることで、あちこちと回る必要がないため、連絡や打ち合わせの工数がぐっと減らせます。

また、紹介する物件はすべてリノベーション可能物件に限られますので、気に入ったはいいがリノベーションに制限があり、購入を断念。一から探しなおすことに。といった無駄をはぶくことができます。

最大のメリットは費用面。最初からリノベーションを前提に予算を立てていくことで、予算オーバーを防ぐことができます。

また、高金利なセットローンを利用できるため、月々の返済負担を抑えられます。コスト優先の方はワンストップリノベーションの利用を検討してみてはいかがでしょうか。

ワンストップリノベーションのデメリット

ワンストップリノベーションのデメリット
  • 総費用が割高になる可能性も(パーシャルワンストップリノベーションの場合)
  • 別の会社に変更しにくい

パーシャルワンストップリノベーションとは、一社が窓口となって物件購入やリノベーションを各専門業者に仲介するサービスのことです。

この場合、請求額に仲介手数料が含まれるため、総費用が高くなる可能性があります。仲介せずにすべてのサービスを一社が請け負う「オールワンストップリノベーション」であれば、仲介手数料はかからないため、逆に総額は安くなります。

また、すべての工程を一社が請け負う場合は、それぞれの工程で好きな業者を選べず、契約を結んでしまえば途中で業者変更することは難しいです。契約前に担当者との相性や、その会社が信頼できるのかをしっかりと検討する必要があります。

リノベーションマンション選びの注意点

購入後にリノベーションを計画される方は、次の点に注意してください。

管理組合の規約内容を事前に確認する

マンションにおけるリフォームやリノベーションは管理組合の規約内容に沿って実施する必要があります。使用できる素材や遮音性能、工事の進め方などが規定されているため、必ず事前に目を通しておきましょう。

専有部分と共用部分を把握しておく

専有部分と共用部分を把握しておく

マンションは専有部分と共用部分で構成されます。施工範囲を共用部分にまで広げることはできないため、マンションリノベーションではふたつの違いをきちんと把握したうえで工事を進めましょう。

居住者の住まいスペースのうち、玄関やバルコニー、配管などは「共用部分」となります。

マンションの構造基準を確認する

マンションの構造基準を確認する

リノベーションをするなら、マンションの構造を確認することはとても重要です。構造の種類でどこまで変更や工事ができるか決まってくるためです。

マンション構造は、「ラーメン構造」と「壁式構造」のふたつに大別されます。壁で支える壁式構造に対し、ラーメン構造は柱と梁の枠組みで建物を支える仕組みです。

壁を外して間取り変更までできる自由度の高い設計を希望するなら、ラーメン構造が向いています。構造の違いを踏まえたうえで、プランニングに合うリノベーション物件を選ぶといいでしょう。

公開日 2020年12月18日
更新日 2023年3月22日

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