ワンストップリノベーションとは?メリット・デメリット、上手な活用法を解説

ワンストップリノベーションとは?メリット・デメリット、上手な活用法を解説

中古物件のリノベーションは人生の一大イベントであり、理想の住まいを実現したいものです。リノベーションは、中古物件の状況と施工内容を考えながら、予算計画を立てなければなりません。今回は、この「ワンストップリノベーション」の概要やメリット・デメリット、依頼の際のポイントや会社選びについて解説します。

ワンストップリノベーションとは?

そもそも「ワンストップリノベーション」とは、どのようなサービスを行っているのでしょうか。まずは、サービス概要について説明します。

資金相談からアフターメンテナンスまで一社完結

資金相談~アフターメンテナンスまで一社完結
煩わしい手続きをまとめてくれているのが、ワンストップリノベーションの魅力

「ワンストップ」とは、「一カ所でさまざまなことができる」「なんでも揃えられる」といったことを意味し、多くの分野で広く使われています。ワンストップリノベーションも、さまざまな要素を取り入れたリノベーションサービスです。

リノベーションを行うまでの過程では、物件探しや購入、資金計画やローンの相談、工事のスケジュール調整など、多くの作業を進めなければなりません。ワンストップリノベーションに対応している会社を利用すると、こうした仕事すべてを任せることができます。ワンストップ型リノベーション会社は、一般的に以下の2種類に分けられます。

  1. 1社で物件探しとリノベーションを行う会社
  2. 不動産会社や工務店と連携し、自社が窓口となってリノベーションを行う会社

通常、リノベーションをする際には複数の会社とやり取りしなければなりません。そのため、リノベーションが完了するまでの過程は非常に煩雑です。ワンストップリノベーションは、リノベーションを短期間で済ませたい方や、手間を回避したい方におすすめのサービスといえます。

ワンストップリノベーションには2種類ある

ワンストップリノベーションは大きく2種類に分けられます。「オールワンストップリノベーション」と「パーシャルワンストップリノベーション」の2種類です。大きな違いは、ひとつの会社でリノベーションの行程をすべて完結させているか、もしくは社外に依頼しているかというポイントにあります。以下では、それぞれの違いについて紹介・比較していきます。

■オールワンストップリノベーション

オールワンストップリノベーション
「オールワンストップリノベ」はすべてを自社内で担当するサービス

「オールワンストップリノベーション」とは、ひとつの会社が不動産仲介からリノベーションの設計、施工までをすべて自社内で担当するサービスです。業務をほかの会社に外注することはありません。すべての行程が社内で完結するため、スピーディーなやり取りや中間マージンの削減効果が期待できます。

万が一の際に責任が分散されない点も魅力です。最初から最後まで一社が対応することから、提供されているサービスのクオリティがリノベーションの仕上がりに大きく影響します。多くのリノベーション会社のなかから、信頼できる一社を見つけることが大切です。

■パーシャルワンストップリノベーション

「パーシャル」は「部分的な」という意味です。パーシャルワンストップリノベーションは、仕事を「部分的に外部へと依頼する」ワンストップリノベーションです。ひとつのリノベーション会社が窓口となり、不動産仲介、設計、施工などを他社に外注する形態です。

窓口となるのは一社ですが、契約は関連する会社とそれぞれ結ぶ必要があります。窓口の会社は、代理店のような役割を果たします。サービス全体を包括的に提供している会社が少ないため、このパーシャルワンストップリノベーションを提供している会社が主流です。

一社が窓口になるという点ではオールワンストップリノベーションと共通ですが、連携している会社が多いためやり取りに時間がかかるケースがあります。中間マージンの発生により、オールワンストップリノベーションと比較すると割高になる可能性があります。

ワンストップリノベーションのメリット

ワンストップ型リノベーションのメリット
ワンストップ型リノベーションの数あるメリットから、代表的なものを紹介

ワンストップ型リノベーションのサービスはいくつかのメリットから、多くの方に利用されています。次に、代表的なメリットを紹介します。

シンプルな1カ所の窓口

不動産の仲介、設計、施工などをそれぞれの専門業者に依頼する一般的なリノベーションは、多くの人が関わっており、煩雑です。ワンストップ型リノベーションの場合、窓口が1カ所になり、大幅にシンプルになります。実際のコミュニケーションも、ひとりの担当者が対応します。

責任の所在が明確になる点も大きなメリットです。物件に問題が発見された場合、関わっている会社が多いほど責任がどこにあるのか曖昧になります。ワンストップ型リノベーションの場合、基本的には窓口となっている会社に相談できます。

バランスを考えた予算提案

予算のバランスを考えた提案
物件・リノベのバランスを考えた予算提案で、後々の妥協を回避

リノベーションにおいて、予算配分は神経を使う問題です。物件用に大きな予算を割くとリノベーション用の予算が少なくなってしまいます。一方、高額のリノベーション用予算を確保しようとすると、今度は物件用の予算がなくなってしまいます。正確な予算を出すためには、不動産会社とリノベーション会社、それぞれとやり取りを行う必要がります。

その点、ワンストップ型リノベーションの場合は社内で情報が共有されるため、スムーズに予算のバランスを考えたリノベーション計画が提案されます。さらに、希望のリノベーション内容をヒアリングしたうえで予算を立てるため、後から妥協することもなくなります。銀行とのローン契約についてもサポートが受けられます。

セットローンで費用を軽減

費用面でもメリットがあります。中古物件のリノベーションでは、不動産購入用の住宅ローン、リノベーション用のリフォームローンを契約するのが一般的です。住宅ローンは金利が低く長期間、リフォームローンは金利が高く短期間であることが特徴ですが、2つのローンが重なる期間は返済の負担が大きくなってしまいます。

セットローンは住宅ローンとリフォームローンの特徴を併せ持ち、低金利で長期間です。月々の返済負担を軽減することが可能です。セットローンはタイミングによっては契約できない可能性があるため、利用を希望する場合は早期の段階でワンストップ型リノベーションの会社に相談しておくことをおすすめします。

リノベーション向きの物件を紹介

リノベーション向きの物件を紹介
リノベーションに適した物件を把握・紹介できるのが強み

理想とするリノベーションの内容があったとしても、そのリノベーションに適した中古物件が見つかるとは限りません。後から妥協することのないよう、物件探しの段階からリノベーションのことを想定しておく必要があります。

希望のリノベーションができるかを判断するには、常にリノベーション会社に確認する必要があり、大変な手間です。反面、ワンストップ型リノベーションの場合は担当者が物件とリノベーションの双方について深く理解しています。希望をヒアリングした後、実現可能な戸建てや中古マンションを紹介してくれるため、手間も少なく、後々の妥協も回避できます。

ワンストップ型リノベーションのデメリット

ワンストップ型リノベーションにはデメリットもあります。とくにパーシャルワンストップリノベーションの場合は注意が必要です。以下では、パーシャルワンストップリノベーションを利用する場合の注意点を解説します。

総費用が割高になる可能性も

パーシャルワンストップリノベーションの場合、費用総額が割高になりがちです。費用を少しでもおさえたい場合は、オールワンストップリノベーションを選びましょう。ただし、パーシャルワンストップリノベーションのサービスを採用している会社は比較的大手が占めています。割高であっても大手の安心感を重視したい場合は、パーシャルワンストップリノベーションも検討しましょう。

別の会社に変更しにくい

別の会社に変更しにくい
デザインの好みが異なり、別会社に乗り換えたくても変更は困難

複数の事業者が関わる一般的なリノベーションの場合、手間がかかる反面、それぞれの行程で好きな事業者を選ぶことができます。一方、ワンストップリノベーションの場合、一社の対応やサービス内容すべてがリノベーションの結果に関わってきます。

担当者の対応が悪い、提案される間取りやデザインが好みと異なるなど、後から別の会社に変更したくなるケースもあり得ます。ワンストップリノベーションの契約内容は会社によって異なります。

不動産仲介をしてもらった後、担当者の対応などからリノベーションを別の会社に頼みたくなる場合もありますが、途中で会社を変更することは困難です。そうした囲い込みのような状態を避けたい場合は、契約の段階で規約を確認しましょう。

ワンストップリノベーション会社を上手に利用するために

ワンストップリノベーションは魅力的なサービスですが、理想のリノベーションをトラブルなく実現するために知っておくべき注意点があります。ワンストップリノベーション会社を上手に利用するために、大切なポイントを紹介します。

物件探しの前に、まず相談を

物件探しの前に、まず相談を
ワンストップリノベでは、先走って自分だけで物件探しをするのはNG

物件探しからリノベーションまですべて任せられるのが、ワンストップリノベーションの魅力です。先に物件を探してから相談すると「すべて任せられる」というワンストップリノベーションならではのメリットが薄れてしまうほか、希望のリノベーションを実現できないことが発覚するなど、トラブルが生じやすくなります。

ワンストップリノベーション会社を利用するのであれば、物件探しを始める前の段階で相談するとよいでしょう。希望のリノベーション内容をヒアリングしたうえで、その施工内容に適した物件を提案してくれます。

リノベーションのテイスト・価格帯を確認

それぞれのワンストップ型リノベーション会社は得意するリノベーションの内容が異なります。少しでも自分の理想に近いリノベーションを実現するためには、会社が実施しているリノベーションのテイストについても確認しておきましょう。

過去の施工事例などから、その会社が得意としているテイストがわかります。価格帯も後から問題が発生しやすい要素です。リノベーション会社によって、サービスの価格帯は異なります。価格帯についてもあらかじめ確認しておきましょう。ワンストップ型リノベーションであれば、一社が担当するため、一般的なリノベーションよりも見積もりの比較が容易です。

ワンストップリノベの会社選びに迷ったら?

ワンストップリノベの会社選びに迷ったら?
生涯の住まいに関わる重要な契約相手の決め手は「フィーリング」

ワンストップリノベーション会社は慎重に選びましょう。まず、過去の施工実績や価格、サービス内容は重要な指標です。その他、実際に利用した方の口コミも参考になります。こうした情報は、インターネットで確認できます。

もうひとつ重視したいのが、実際にコンタクトをとった際のフィーリングです。インターネット上の口コミでも「担当者が好印象で決めた」「話した際の雰囲気が決め手になった」といった声があります。将来の住まいに関わる重要な契約のため、最終的にはやはり信頼感が大切です。

ワンストップリノベーションのサービスには物件探しからローン契約、設計から施工まですべてが含まれています。必然的に、サービス提供会社とやり取りをしている期間は長くなります。担当者の人となりを信頼できなければ、ストレスが溜まります。

フィーリングを確かめるためには、セミナーや物件の内覧などで、担当者がどんな人なのか注視してください。担当者と会話をしてみれば、その会社がどんなサービスを提供しているのかも確認できます。

多くのリノベーション会社は、新規契約者獲得に向けたセミナーや相談会を頻繁に行っています。一度契約するとその会社の担当者とは長い付き合いになるため、契約前に慎重に判断することが大切です。

公開日 2020年11月11日
更新日 2023年3月22日

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