マンションのリノベーションの費用は? 期間は? 注意点は?おしゃれな10事例とともに紹介

マンションのリノベーションの費用は? 期間は? 注意点は?おしゃれな10事例とともに紹介

新築マンションよりも価格が安くて自由度の高い、「中古マンション+リノベーション」が人気です。しかし、中古マンションには思わぬ落とし穴があり、必ずしもすべて思い通りリノベーションできるわけではありません。

マンションのリノベーションをスムーズに行うために、注意すべき点や費用相場、完成までにかかる期間などを知っておきましょう。

マンションをリノベーションするときの注意点

趣味の自転車を整備するための広い玄関。リノベーションなら自分のライフスタイルに合わせた住宅をつくれる

マンションのリノベーションには建物の構造上の制約や管理規約による制約があります。予算があっても、このふたつの制約によってリノベーションできない場合もあるので注意が必要です。

マンションリノベーションを成功させるには、購入前の事前チェックが必要不可欠。「こんなはずじゃなかった」と後悔することがないように、事前に注意点を把握しておきましょう。

管理組合に申請し、承認をもらう必要がある

マンションリノベーションは管理組合に承認を得なければ工事を行うことはできません。分譲マンションは所有者で構成する管理組合によって管理規約が定められており、この管理規約に従って管理組合に申請を行い、承認を得る必要があります。マンションによっては管理規約で、水回り設備の移動や躯体への打ち込み、フローリングへの張り替えなどが禁止されているケースがあるので、事前確認が必要不可欠です。

リノベーション前提に中古マンションを購入する場合は、必ず購入前に、できれば早い段階で仲介会社に相談してください。そうすればリノベーション可能物件を紹介してもらえます。気に入った物件があっても、後からリノベーションができないと言われてしまったら無駄足になってしまいます。

専有部分のみリノベーション可能

部屋からつながるバルコニーは、意外にも共有部分にあたるためリノベーションができない
部屋からつながるバルコニーは、意外にも共有部分にあたるためリノベーションができない

マンションは個人でリノベーションできる範囲が決められています。リノベーション可能な部分は、部屋の内側の専有部分。エントランスや共用廊下など、他の住民と共有して使用する共有部分を勝手に変えることはできません。

意外と知らない人が多いのが、バルコニーや専用庭、玄関扉、窓なども共用部分にあたるため、勝手に変更することはできません。玄関扉については、交換することはできませんが、内側の色を変えることは可能です。

間取り変更の可否は構造に左右される

リノベーションの自由度は建物の構造にも左右されます。水回りの配管、柱の構造、天井は特に影響します。中古物件購入+リノベーションを検討している人は、建物の構造も意識して物件を選びましょう。

水回りの配置変更は配管の問題で制約される

キッチンや浴室、洗面台、トイレといった水回りの位置を変更できるかどうかは、床下の構造によって異なります。コンクリートスラブと床のスペースにゆとりがあれば、排水管の勾配を確保しやすいため、水回り設備の配置変更が可能です。排水管は移動距離が長いと水の流れが悪くなることもあるので、どれくらい移動ができるかは業者に現場を見て判断してもらいましょう。

壁式構造の場合、間仕切りを取り払えない

マンションには梁と柱で建物を支える「ラーメン構造」と、壁と床で建物を支える「壁式構造」があります。ラーメン構造の場合は自由な間取り変更ができますが、壁式構造の場合は専有部分内に構造部分にあたる間仕切り壁があるケースがみられるため、すべての間仕切りを取り外すことはできません。そのため、建物の間取り変更に制約が出てきます。

スケルトン天井ができないマンションもある

スケルトン天井とは、内装材が一切なく、コンクリートがむき出しになった天井のこと。デザイン性が高く、 開放感があることから、マンションのリノベーションでも多く採用されています。ただし、すべてのマンションがスケルトン天井に対応できるわけではありません。

古いマンションだと配水管が露出している場合があり、排水音が耳障りになる、躯体の劣化が想像以上に進んでいる、などの理由でスケルトン天井を諦めなければならないケースも出てきます。また、最上階の部屋の場合、天井裏には断熱材が施工されていてスケルトンにできないこともあります。スケルトン天井を希望している場合は、最上階は選ばないようにしましょう。

マンションのフルリノベーションの費用目安

フルリノベーションとは、建物を骨組みだけのスケルトン状態にし、大胆な改修をすることを指します。築年数が経過したマンションでも、フルリノベーションで理想的な住まいに生まれ変わることが可能です。ただ気になるのはやはり費用面。予算オーバーを回避するためにも、ここでリノベーション費用の相場をチェックしておきましょう。

1㎡あたり10万~15万円程度が相場

マンションのフルリノベーション費用は1㎡あたり10万~15万円程度が目安。ただし、1㎡10万円というのは、設備や素材などにこだわらなかった場合の費用目安です。こだわった場合は、1㎡12万~15万円くらいはかかるとみておきましょう。

㎡単価は面積が狭い方が設備にかかる費用が占める割合が大きくなり、リノベーション費用も高くなります。リノベーションは物件ごとのオーダーメイドとなるため、相場を示すのは困難です。相場はあくまで参考程度にとどめて、複数の会社から相見積もりをとりましょう。

素材のグレードや設備、施工内容により費用の差が出る

選ぶ部材や設備によってリノベーション費用の幅は広い。予算内に抑えるには優先順位をつけることが大事
選ぶ部材や設備によってリノベーション費用の幅は広い。予算内に抑えるには優先順位をつけることが大事

リノベーション費用は内装材や設備のグレードによっても大きく変わります。同じ広さのマンションでも、施工内容によって金額に大きな差が出てきます。とくに浴室やキッチンなどの水回りは、交換する設備のグレードによって費用が大幅に変わる部分です。水まわりを大きく移動させるとなると、大規模な工事が必要になり、費用も高くなりがち。広い床面に無垢材や高価な樹種を選択すると、価格に大きく跳ね返ってきます。

リノベーション費用を抑えるには、優先順位をつけることが大事。どうしても譲れないところはきちんとお金をかけて、それ以外の箇所はコストダウンを図るなど、予算配分にメリハリをつけましょう。リビングは無垢材のフローリングにして、あまり人目に触れない部分は安価な素材を使うなど、アイディア次第で費用を抑えながら理想の空間に仕上げることができます。

マンションのフルリノベーションにかかる期間の目安

フルリノベーションをするとなると、かなりの期間を要します。完成が翌年に持ち越されるケースもあるので、思いつきでできるものではありません。仮住まいの用意などもあるため、計画的に準備を進めていきましょう。

設計期間:1~2カ月程度

工事に取り掛かる前に設計期間が必要です。リノベーション会社と打ち合わせを行い、間取りや内装、設備などの仕様を決める段取りが必要になるため、設計期間だけで1~2カ月程度かかるのが一般的です。

工事期間:2~3カ月程度

工期は部分的なリフォームなら1~2週間。フルリノベーションなら2~3カ月ほどかかる
工期は部分的なリフォームなら1~2週間。フルリノベーションなら2~3カ月ほどかかる

部分的なリフォームでなら1〜2週間程度で終了しますが、建物をまるごと刷新するフルリノベーションになると、工事期間が2~3カ月程度かかります。設計期間を含めて、4カ月から半年程度の期間をみておきましょう。実際の施工の段階で予期せぬ事態が生じることもあるので、余裕をもった計画を立てることが大切です。

マンションリノベーションには事前準備が必要不可欠

中古マンションをリノベーションすることで、オリジナリティのある心地よい空間を手に入れることができます。ただし、マンションにはさまざまな制約・制限があるため、必ずしも思い通りにリノベーションできるわけではありません。大きな買い物になるので、安易な判断は禁物です。自分らしい住まいを手に入れるためにも、マンションの構造や管理規約を事前にしっかり確認し、時間に余裕を持って計画的に準備を進めていきましょう。

リノベーションについて詳しく知りたいという方のために、セミナーを開催している業者も多数あります。まだ迷いがあっていきなり問い合わせするのは不安という方はセミナーに参加するというのもひとつの手です。

おしゃれなリノベーションマンションの事例

リノベーションには興味あるけど、「どこから手をつけていいかわからない」という方も多いのでは。そこでここでは、おしゃれなリノベーションマンションの事例を紹介します。事例を参考にしながら、自分が希望するリノベーションをイメージしてみましょう。

◆LDKの好事例

LDKは過ごす時間が長い場所だからこそ、こだわりの空間にしたいもの。リノベーションによっておしゃれに生まれ変わったLDKの事例を見ていきましょう。

キッチンから見える広々としたリビングダイニング

キッチンからリビングが見渡せる間取りにリノベーション
キッチンからリビングが見渡せる間取りにリノベーション

キッチンとリビングの間の壁を取り除くことによって、開放的な空間が誕生。日差しも部屋全体に届き、明るいリビングダイニングに仕上がっています。LDK全体にゆとりが感じられる贅沢な空間。キッチンからリビングに目が行き届きやすいため、料理をしながら子どもの様子を見守ることができます。

無垢材で温もりのあるダイニングキッチン

床、テーブル、キッチン、扉と全体的に無垢材を使ったこだわりのダイニングキッチン
床、テーブル、キッチン、扉と全体的に無垢材を使ったこだわりのダイニングキッチン

床や家具に無垢材を使用すると、自然素材ならではの温もりを感じられるダイニングキッチンができあがります。柔らかな雰囲気に包まれた空間なら、家族みんなが居心地よく過ごせます。

壁に無垢材を使った個性的なリビング

壁に無垢材を使った個性的なリビング
happy_hf_77さんのインスタグラムより

壁全体に無垢材を使用することで、独特な雰囲気を醸し出すリビングに変身。まるでログハウスにいるような木のぬくもり溢れる空間は、一日の疲れを癒すのにぴったりです。

むきだしになった配線がおしゃれなスケルトン

むきだしになった配線がおしゃれなスケルトン
happy_hf_77さんのインスタグラムより

換気ダクトや電気配線を隠さずあえて見せるのがポイント。配線のラインがきれいなので、インダストリアルスタイルのように粗削りな印象ではなく、上品でおしゃれな空間に仕上がります。

壁や天井がアクセントになっておしゃれ

壁や天井がアクセントになっておしゃれ
chizu_tt_homeさんのインスタグラムより

壁紙の色と天井の木材が良いアクセントになったカフェっぽいおしゃれな空間に仕上がっています。壁や天井の一部を変えるだけでも、部屋がまったく異なる雰囲気に変身。北欧インテリアにもよく合っています。

適度にコンクリートを露出させたリビング

適度にコンクリートを露出させたリビング
richan_houseさんのインスタグラムより

既存の天井をはがし、コンクリートを適度に露出。一味違ったリビングにすることができます。クールな印象を持つコンクリートですが、住む人のこだわりが見える家具を配置することで、どこか暖かみのあるインテリアに仕上がります。

◆キッチンの好事例

キッチンは生活感の出やすい場所ですが、リノベーションによってスッキリとしたおしゃれな空間に仕上げることができます。

コンクリート×ステンレスでインダストリアルなキッチン

コンクリート×ステンレスでインダストリアルなキッチン
sho5_2670さんのインスタグラムより

コンクリートとステンレスを組み合わせることによって、スタイリッシュでかっこいいインダストリアルなキッチンが生まれます。観葉植物や木製の家具を適度に取り入れると、空間に温かみをプラスできます。

白いタイルで爽やかなキッチン

六角形の白タイルを使って、シンプルな白を個性的に仕上げている
六角形の白タイルを使って、シンプルな白を個性的に仕上げている

キッチンを白で統一した清潔感のある明るい空間。タイルは耐水性が高くキッチンとの相性はばっちりです。四角いタイルではなく六角形のタイルを使って個性を出しているところもポイント。作業台兼ダイニングテーブルにしている大理石の天板の足元には無垢材を使ってぬくもりをプラスし、白の無機質さを抑えています。

収納力抜群のダイニングキッチン

ダイニング側に高い収納力を出した対面式キッチン
ダイニング側に高い収納力を出した対面式キッチン

こちらのキッチンは収納力を意識したリノベーション。キッチン用品の収納は壁側の収納に収め、対面式のキッチン台には、ダイニング側に引き出しをつけて、ダイニング側から必要なものをパっと取り出せる仕様になっています。取り皿やカトラリーをダイニング側から取り出せれば、子どものいいお手伝いにもなりますし、タオルやストックなどの日用品などキッチン用品以外のものも入れておけます。

モノトーンとステンレス使いでシックでモダンなキッチン

白、黒、ステンレスでひんやりとしたシャープな空間に
白、黒、ステンレスでひんやりとしたシャープな空間に

全体的に白でまとめ、冷蔵庫やオーブンなどはステンレスで統一し、壁や台に埋め込むことで直線的な印象に。チェアやライト、壁紙の一部には黒を取り入れてモノトーンに仕上げたキッチン。床の無垢材も暗めでくすんだウォルナットを使うことにより、ひんやりとしたシャープな空間にまとめています。

公開日 2020年11月2日
更新日 2023年3月22日

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