団地リノベーションのメリット・デメリット。「賃貸でリノベはできる?」といった疑問にも答えます

「団地リノベーション」とは、古い団地の一室の設備や内装に手を加えるリノベーションスタイルです。
団地は、住環境が良く安価な物件が多く、リノベーションの“素材”として人気を集めています。
この記事では、団地リノベーションの事例や費用相場、メリット・デメリット、注意点を解説。よくある質問のQ&Aも用意しています。
団地をリノベーションする3つのメリット
団地リノベーションのメリットを3つにわけて説明します。
- 購入価格が安い
- 住環境がいい
- 耐震性能が高い
それぞれ詳しく見ていきましょう。
メリット1|購入価格が安い
団地リノベーションのメリットは、周辺の中古マンションと比べても安価で入手できる点。購入価格を抑えられる分、内装工事に費用を割いて、室内の快適性を追求することも可能です。
メリット2|住環境がいい

団地がたくさん建てられ始めたのは昭和30年代から。そのため団地には古い物件が多いものの、周辺には緑があふれ、敷地面積も広くとられています。
団地内に公園が設けられていることもあるため、子育て世帯には魅力的な環境といえます。
メリット3|耐震性能が高い
団地は耐震性能が高いといわれています。その理由は、団地には壁式構造を採用している建物が多いからです。
「壁式構造」とは、壁で建物を支える建築方法で、柱や梁などで建物を支える「ラーメン構造」よりも、地震に強いとされています。
団地をリノベーションするデメリット
次に団地をリノベーションするデメリットについて紹介します。
- 間取り変更が制限されることがある
- ご近所付き合いが多い
- 外観が古い
このデメリットについては好みによるところが多いです。詳しく見ていきましょう。
デメリット1| 間取り変更が制限されることがある

団地に多い「壁式構造」の建物は、壁を取り払って全面的に間取り変更するには不向きです。壁で建物を支える構造のため、その部分の壁を取り壊すことができません。
同様に、配管が支柱となる壁に埋め込まれている場合は水回りの工事も困難になります。
間取りの自由度が高いリノベーションを希望する場合は、壁式構造の団地は不向きといえます。
デメリット2|ご近所付き合いが多い
団地には昔から住んでいる方々も多く、住民同士の交流もさかんに行われています。人によっては、団地ならではのご近所付き合いがわずらわしく感じられることもあるでしょう。
デメリット3|外観が古い

購入した部屋をきれいにリノベーションしても、団地の外観や共用部分は古いままです。建物の外観が気になる場合、古い団地は避けたほうがいいでしょう。
団地リノベーションでよくある失敗と注意点
団地は古い物件が多いため、防音や設備面でのトラブルが起こりがちです。住み始めてからの生活をよくイメージして、購入を検討しましょう。
騒音が問題になる
団地リノベーションでよくある失敗は、騒音問題です。リノベーション工事中の騒音は、思った以上に周りに響くと感じた方が多いようです。
住んだあとの音漏れも気になる方が多いため、防音性を高めるリノベーションを検討したほうがいいでしょう。
エレベーターなしの物件が多い

団地は古い物件が多いため、エレベーターがついていないものも多く見られます。最初は大丈夫だと思っていても、長く住んでいると不便に感じるタイミングが増えてくるかもしれません。
また、エレベーターがない団地の高層階を選ぶと、引っ越し費用が高くなる可能性があります。引っ越し作業の負担が増え、時間も長くかかってしまうためです。
4階以上に住む場合は、エレベーターの必要性をしっかりと考慮しましょう。
団地リノベーションでよくあるQ&A
団地リノベーションをする際によく挙げられる疑問点についてQ&A形式で答えていきます。
Q:団地はどうやって探せば買える?

A:主に3つの選択肢があります。団地リノベーションをする場合は「物件販売も可能なリノベーション会社を使う」ことをおすすめします
- 物件販売も可能なリノベーション会社を使う
- UR(公団)・公社マンションサイトを使う
- 不動産会社のサイトを使う
それぞれ詳しく解説します。
物件販売も可能なリノベーション会社を使う
物件販売も行っているリノベーション会社であれば、不動産会社と同様に、団地の紹介も可能です。
担当者に団地に興味があることを伝えれば、条件から物件を絞り込んで提案してくれるでしょう。
リノベーション物件探しでお困りのことがあれば、LogRenoveの物件探し相談会をご活用ください!
UR(公団)・公社マンションサイトを使う
UR(公団)・公社マンションサイトの東日本住宅なら、団地に絞った検索をすることができます。東京・神奈川・埼玉・千葉で団地をお探しの方向けのサイトです。
サイト上には物件価格や広さや間取りなどの基本スペックに加え、周辺施設などの住環境面も紹介されています。イメージを膨らませやすいでしょう。
不動産会社のサイトを使う
不動産購入の情報サイトでも団地の取り扱いはあります。ただし、中古マンションと団地の情報が混ざっているため、団地に絞り込んだ検索はできません。
中古マンションも含めて、条件に合う物件を探したい場合はおすすめです。
Q:団地とマンションの違いは?

A:団地とマンションに違いをつけるとしたら、一般的には下記のように区分されます
- マンション:3階建て以上の大規模な共同住宅
- 団地:公営住宅やUR賃貸住宅など
団地の特徴
厳密にいえば、団地とは住居ではなく土地を表す用語です。大きな土地のなかに計画的に立てられた集合住宅や一戸建ての総称として、団地という用語が使われています。
自治体が運営している物件が多いためか、団地の周辺には公共施設や病院、学校などがそろっているケースが多く見られます。
周辺相場に比べて安いため、都内などの人気エリアでは入居できる収入に制限が設けられていることもあるようです。
マンションの特徴
団地と比較すると、マンションは物件の価格が高くなる傾向にあります。鉄筋コンクリート造、もしくは鉄骨鉄筋コンクリート造であり、耐火構造を備えています。
管理が適切に行われているマンションなら、共同部分の整備が行き届いており、防犯面でも安心感がある点が魅力です。
Q:賃貸でもリノベーションしていいの?

A:全くだめではないが、原状回復義務があるため△
たいていの賃貸物件には、原状回復義務があります。退去の際は、入居時と同じような状態に戻さなければいけません。そのため戻せる範囲にとどめましょう。入居者の責任による傷や破損などは、敷金から費用を出して修繕します。
ただし、UR都市機構のDIY住宅のように、原状回復義務が免除される物件も存在します。退去時のことを気にせず改装できるため、自由に室内を変えられるのが魅力です。
また、URのDIY住宅は、工事期間中3カ月間の家賃が無料になります。工事中も二重に家賃を支払う必要がないため、リーズナブルにリノベーションが行えます。
Q:リノベーションはDIYでも可能?

A:壁紙や床材の変更は可能。専門知識が必要な個所は免許が必要な場合があるためできません
DIYでもできるリノベーションはあります。壁紙や床材の貼り替え、壁面収納なら、初心者にも扱いやすくておすすめ。DIYのメリットは、業者に頼むよりも安価でリノベーションができることです。
ですが、間取りの変更や給排水管、電気配線の工事などは初心者では不可能なので、大きくリノベーションする場合はプロの業者に任せましょう。
Q:リノベーションの工期はどれくらい?
A:最長6カ月程度。リノベーションの工期は部分で行うか、フルリノベーションを行うかで変わります
部分のリノベーションであれば長くても2ヶ月、フルリノベーションの場合は最長で6ヶ月かかることがあります。
いずれも早い場合で1ヶ月程度で完了することもありますが、そこそこの期間が必要だと認識しておきましょう。
LogRenoveでは、賃貸の更新、結婚、出産、子供の就学など、ライフイベントに合わせてリノベーションの計画立てをしたい人向けのセミナーイベントを開催しています。
団地リノベーションの事例
団地といえば、和室や狭いダイニング、古い水回り設備のイメージが強いですが、実際にリノベーションした団地の事例を見てみましょう。
団地とは思えないようなおしゃれな部屋に驚くことも多いはず。
白を基調とした広々としたリビング

団地には見えない、広いLDKが特徴的。窓際に面したリビングは、陽の光を多く部屋に取り込み、白を基調とした壁紙と相まって部屋全体が明るい印象になります。
ひとり暮らし用のおしゃれなミニマムキッチン

設備の大きさはライフスタイルに合わせるもの。こちらはキッチンをひとり暮らし用のミニマムなものにリノベーションしています。
ひとり用のコンパクトキッチンといえば、特徴のないシンプルなものが思い浮かびますが、このような配管が剥きだしたおしゃれなシンクにリノベーションしてみてはいかがでしょう。
団地リノベーションの費用相場

団地をフルリノベーションする場合と、部分的に団地リフォームする場合の費用相場を紹介していきます。
団地をフルリノベーションする場合の費用相場
フルリノベーションの費用相場は、㎡単価で10万~15万円が目安。物件の広さや設備のグレードによって総額は変わってきます。
例えば70㎡のお部屋の場合、スタンダードクラスの設備であれば約700万~840万円前後でフルリノベーションできます。
50㎡ほどの物件であれば、約500万~600万円前後で済むでしょう。
LogRenveのリノベーションサービスで、無垢材を使ったフルリノベーションの総額をシミュレーションすることができます。
水回りの費用相場

- 水回り全体リノベーション:100万〜300万円程度
- キッチン:30万〜150万円程度
- 浴室:20万〜150万円程度
- トイレ:10万〜60万円程度
- 洗面所:10万〜60万円程度
リビング(居間)や廊下の費用相場
- リビング:30万〜180万円
- 1部屋(和室、洋室):18万〜50万円
- 和室を洋室に変更:20万〜100万円
- 廊下:3万〜40万円
どこをどのようにするかによって大きく値段が変わるので、まずは複数の業者に相見積もりを取ることをおすすめします。
内装(壁・天井・畳など)の費用相場
- 壁紙の張替え:750〜1500円/㎡
- フローリングの張り替え:2万〜6万円/畳
- 畳の張替え:5000〜3.5万円/畳
団地リノベーションの費用を抑える方法

次に団地のリノベーション費用を抑えるためのポイントを6つ紹介します。
費用の上限とリノベーションの優先順位を決める
まずは予算とリノベーションしたい箇所の優先順位をしっかりと決めておきましょう。
施工業者にはっきりと予算と要望を伝えることで、必要以上の施工で予算がオーバーすることを防げるでしょう。
既存の設備で活用できるものはそのまま使う
既存設備の中で傷んでいないものがあればそのまま活用するのも費用を抑えるポイントです。
洗面台やトイレなどの本体は交換せずに、壁紙やドアといった目につきやすい箇所をリノベーションするだけでも大きく雰囲気が変わります。
団地の施工に慣れている業者に依頼する
施工業者によって得意な物件は異なります。業者を選ぶ時は相見積もりを取るだけではなく、口コミや評判をチェックして集合住宅のリノベーションの実績があるかどうかもチェックしておきましょう。
物件探しから始める人におすすめのサービス

まだ物件を持っておらず、物件探しから団地リノベーションを検討している人には、「ワンストップリノベーション」がおすすめ。
ワンストップリノベーションの魅力は下記の通りです。
- 物件探しからリノベーション施工までを一社で完結できるから手間が少ない
- 物件購入費用とリノベーション費用を合わせた資金計画が立てやすい
- リノベーション向き物件に絞って紹介してもらえる
施工業者の相見積もりは必ず取る
施工内容が一緒でも業者によって見積り金額は大きくかわります。まとめて見積もりが取れるサービスもあるので、施工内容が決まったら相見積もりをとるのをおすすめします。
補助金・減税制度を利用する
施工内容によっては国や自治体の補助金制度や減税制度が活用できます。
バリアフリーと省エネ、耐震化を目的とした工事が対象になりやすいですが、市町村区によって違うのでまずは確認してみるといいでしょう。
減税制度を利用する際は「建築士」が在籍している業者に依頼すると必要書類の一部を発行してもらえます。
ローンの利用も検討する

リノベーション費用が高額になる場合はリフォームローンの活用を検討しましょう。物件購入とリノベーション費用をまとめて借りられるセットローンもあります。
施工業者によっては資金計画の相談、ローンの紹介や手続きの代行などを行ってくれます。
公開日 2020年6月16日
更新日 2021年1月14日
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