地下室の増築リフォームの費用は? 自宅や庭の地下に増築する際の注意点も解説

地下室の増築リフォームの費用は? 自宅や庭の地下に増築する際の注意点も解説

今住んでいる住宅に「地下室を作れないだろうか」と考えた経験はありませんか? 秘密の隠れ家のような響きを持つ地下室。音楽スタジオやミニシアターのような趣味の部屋にしたり、書斎やワインセラーなど収納に活用したりと、用途はさまざま。子供が増えたり、親との同居を考えたりと家族構成の変化で居住スベースを増やす方法としても注目されています。

とはいえ、もともと家の建っている場所に増築するわけですから、建物の基礎部分や地盤に影響がないのかどうかも気になるところ。また地下室の湿気や換気も気になります。さらに、居住スペースとして使用可能なのでしょうか。地下室をリフォームする際の疑問や費用、注意すべきポイントをまとめました。

住宅に地下室を増築・増設する方法

建築基準法において、床が地盤面下で、その床面から地盤面までの高さがその階の天井の高さの3分の1以上のものが地下室と定義されています。地下室は、地盤の強度や住宅の構造などに十分配慮した上で、補強しながら地下を掘り進めていく方法があります。

新築の住宅を立てる際には、地盤の強度を基準に基礎や構造を設計していきます。地下を掘り進めるということは、その基準を変えてしまうことになりますから、強度不足の恐れが出てきます。そもそも住宅は、建築基準法という法律のルールに基づいて建てられています。住宅を新築する場合、建築物の敷地や構造、設備や用途等など細かく決められた基準を守らなければならないのです。

その他、土地の開発について定めた都市計画法などの基準を満たす必要があります。これは住宅のリフォームであっても同様です。小規模なリフォームであれば問題ありませんが、住宅の構造を大きく変えるなど工事内容によっては「建築確認申請」を届けなければなりません。

工事内容が建築基準法や都市計画法から逸脱していないか、適合しているかどうかの審査を受けるのです。地下室の増築・増設工事では、地下の基礎部分に手を入れることになります。つまり施工に際し、あらためて建築確認申請を行う必要があります。こういった制約をクリアすれば、地下室の設置は可能です。

既存建物の下に地下室を作ることは可能か?

すでに住宅があるところに地下室を作る場合、あらためて地盤調査を行い、強度を調べます。建築基準法は改定を繰り返している法律で、既存の建物を建設した当時と内容が異なっていることがあります。しかし既存建築物を現在のルールに合うように建て替えるのは現実的ではありません。

そこで、当時の建築基準法に適して建てられてはいるものの、現在の法律には適合していない建築物を「既存不適格建築物」といいます。既存不適格建築物を補強しながら地下室を作る場合、現在の建築基準法に則って建築確認申請を行うことになります。

そのため、大幅な補強が求められるケースもあるのです。加えて、地下室を居室として使いたいなら、建築基準法における一定の条件を満たす必要があります。

・からぼり(ドライエリア)等に面する開口部が設けられていること
・湿度や温度を調節する設備が設けられている(換気の設備がある)
・防水措置が講じられている

もちろん、防水対策や土圧、水圧、地震などの条件において構造耐力上安全である前提に基づいています。その他、地下室の居室利用には細かい規定がありますので、ルールを再度確認した上で、信頼できる施工業者に相談するのがおすすめです。

地下に部屋を作るときの注意点

年間を通して温度が一定で過ごしやすい地下室ですが、ジメジメとした湿度に悩まされるのも特徴です。夏場、涼しい地下室に外の外気が入ると、地上と地下の温度差が大きくなり結露が発生します。

カビや雑菌が繁殖しやすくなってしまいます。換気できる設備を整え、日当たりや通気を確保するためにからぼり(ドライエリア)を設けましょう。建築基準法にも出てくるからぼり(ドライエリア)とは、建築物の周囲の地面を掘り下げて作る空間のことです。

地下室の工事にかかる費用と見積もり

既存の住宅の下に新規で地下室を作る際の工事費は、立地や地盤、住宅の構造によりケースバイケースです。一般的な金額を算出するのは困難です。施工の前に建築確認申請を行う場合もありますので、地盤調査などの結果次第でコストは異なります。現況確認のため、リフォーム会社や業者に地盤調査や申請を行う際の見積もりを出すところからスタートとなります。

地盤調査や建築確認の金額と目安について

まずは地盤調査を行います。地盤の強度を測定するボーリング調査などを中心に、必要であれば他の方法を検討することになります。相場は約25万~30万円程度です。構造計算、構造設計図作成など、建築確認に必要なプランを立てていきます。敷地面積や構造によって異なりますので、あくまで一例です。

【例】構造計算と構造設計図作成内訳
地下の部分(鉄筋コンクリート造)約30万~45万円程度
既存の部分(木造住宅)約20万~30万円程度
実際の地下部分の施工図 約30万~80万円程度

その他、地下を掘削する際に地盤沈下や崩壊防止のために土留め工事を行う費用や、残土の処理、防水工事、ドライエリア工事などにそれぞれ費用が発生します。

増築のメリット・デメリット|土地や敷地の問題に注目

もともとの土地の範囲が狭い場合、地価の空間を活かして部屋を増設すればメリット尽くし
もともとの土地の範囲が狭い場合、地価の空間を活かして部屋を増設すればメリットは多い

地下室増築の1番のメリットは、土地や敷地が狭く、地上に部屋やスペースを増やせない際、新たな空間を得られる点です。さらに地下ならではの特質を生かし、地上の部屋とは異なる機能を持った部屋を作ることが可能になります。年間を通じて一定の環境を保つことができるからです。地下室のメリットを細かくみていきましょう。

地下室ならではのメリット

地下空間は外気の影響を受けにくく、年間を通して10~25度程度と一定の温度環境を保つことができます。基本的に夏は涼しく、冬は温かいので快適に過ごせるのも地下室ならではの利点です。その特色を生かし、ワインセラーや食品の保存庫としても活用できます。地上の部屋とは異なった、快適なスペース確保できるのは大きなメリットのひとつです。

防音性の高さが人気

地下室は住宅の基盤部分に作られます。土とコンクリートに囲まれているため、高い防音性、遮音性を維持できます。心置きなく楽器演奏ができる音楽スタジオやオーディオルーム、シアタールームとしての利用に最適です。カラオケルームやトレーニングルームなどに利用してもいいですね。

容積量が地上と地下で分割できる

住宅を立てる際、よく耳にする容積率。敷地の面積に対する床の延べ面積の割合のことで、行政やエリアごとに都市計画でその割合が決められています。床の延べ面積とは、それぞれの階の面積の合計にあたります。

容積率に則して住宅を建てなければならないので、設ける部屋やスペースも制限されます。敷地に面している道路の幅が狭い場合には、さらに容積率が制限されるケースも。一方、一定の条件を満たせば、地下室は容積率緩和の適用を受けるのも可能です。その条件は以下となります。

・地階である
・地盤面から地下の天井が1m以下
・住宅としての用途であること

ちなみに「地階」とは、床が地盤面より下にある階かつ床から地盤面までの高さが、床から天井までの高さの3分の1以上であることが条件です。この条件を満たしていれば、上半分が地上、下半分が地下に分割されていても「地階」とみなされます。つまり、いわゆる「半地下」であっても、地階=地下室と同じ。容積率の緩和にも合致するのです。

音を遮断する

地下室が防音性と共に、音を遮断する遮音性も高いのが特徴です。地下室は密閉性が高い状態を保てるので、外からの音を遮ぎってくれます。読書や勉強、仕事等などじっくり考えごとをするのも自由。プライベートな空間にするのもおすすめの使い方です。

室内を適温で保てる

外気の影響を受けにくい地下室は、室内を一定に保てるため、ひんやりした空間で快適に過ごせます。年間を通して10~25度程度の安定した環境を維持できるのも大きなメリットといえます。

注意が必要な地下室のデメリット

メリットもたくさんある地下室ですが、デメリットも存在します。地下室の増築リフォームを考えているのであれば、デメリットも頭に入れてプランを練っていくことを推奨します。

大雨時に浸水の可能性あり

湿気が多く、ジメジメしたイメージが先行する地下室。湿気対策として、ドライエリア(からぼり)を設置する方法があります。ドライエリアは周囲の地面を掘って設けるスペースで、自然光や通風を行えるメリットがあります。地下を居室をして使用するためにも、ドライエリア(からぼり)設置が条件となっていることは先にもお伝えしたとおりです。

ドライエリア湿気対策に大きなメリットがある反面、大雨時などには浸水する原因にもつながってしまいます。特に最近のゲリラ豪雨は、短時間に大量の降雨をもたらします。大雨で飽和状態になった道路の雨水が、ドライエリアを伝って地下室に侵入するケースも多数報告されています。

湿気が多くなるためカビが発生しやすい

地下室は換気が難しく、湿気がたまりやすいもの。暑い夏は特に注意が必要です。外の暖かい空気がひんやりした地下室に流入してしまうと、外気との気温差が原因で結露が発生します。結露の水分がたまり、カビが出てきてしまうと厄介です。リフォームの前に、断熱、防水対策にも目を向けておかなくてはならないのです。

日本と海外で地下室設置の差があるのはなぜ?

日本と海外では機構が違うこともあり、その土地や国々で用途が変わってくる
降雨量が少なく、乾燥している国や地域では地下室を積極的に活用してきた歴史がある

高温多湿で雨の多い日本の気候では、地下室を設置してもメリットが得られませんでした。建築物は基本的に木造がほとんど。地下室に木材を利用しようものなら、腐食して使い物にならないでしょう。

海外でも降雨量が少ない地域、また乾燥しているエリアでは地下室は積極的に利用されています。建築に石材を用いる文化的背景もあり、食料庫やシェルター、居室としても地下室を活用してきました。また地下室の容積率緩和が認められるなど、地下室設置の諸条件や目安などが整備されてから日が浅いというのも理由の1つといえるでしょう。

地下の室内・空間を使って様々な用途の部屋を確保

防音や遮音機能に優れた地下スペースでは、外からの音を気にせずにDVDでの映画鑑賞などを楽しむシアタールームとして活用できます。部屋から外に音が漏れる心配も少なくて済みます。ピアノやギターなど楽器の演奏も、周囲の音漏れを気にすることなく楽しめるでしょう。地階の定義を満たす部屋を作れば、半地下であっても容積率の制限を緩和に該当します。地下室を作ると、床面積を最大限有効に活用できるのです。

段差のある土地や傾斜のある場所に地下室を設ける場合、あまり手を加えずとも半地下状態の部屋を作ることが可能です。ドライエリア(からぼり)設置も必要なくなり、有効な床面積を増やしつつ、コスト削減につなげられるケースもあります。

地下室の増築を成功させるポイントを紹介

湿気が多いなど、地下室にはデメリットもあります。そのデメリットへの対策を前提にした地下室の増築は、新築よりも多方面に気を配る必要があります。あらためて建築確認申請を行ったり、地盤の強さを調べたりと増築前の綿密な計画が欠かせません。次に紹介するポイントに注意し、信頼できるリフォーム業者に相談しながら、丁寧に計画を練るなどしっかりした事前準備を行いましょう。

断熱処理や除湿機を利用した環境の整備

一般的に湿気は、下にたまる傾向にあります。もともと日光もあまり当たらず、住居の下部分にある地下室には、湿気がたまりやすいのです。室内の空気を乾燥させ、湿度を下げるには除湿機を活用しましょう。また地下室内の壁の温度を下げすぎないよう、断熱材を施工するのも結露対策となります。

多くの実績を残しているリフォーム業者に依頼する

地下室の増築リフォームは既存の住宅の構造や地盤の強度など、多岐にわたる調査が必要です。また建築基準法などのルールに適合するかどうかは、専門家でなければ判断が難しい面があるのも事実です。

さらに地下室はその特性上、防水や防湿・除湿対策を徹底する必要があります。最適な工法がどんなものか、こちらもプロの視点で見極めてもらいたいもの。現状地下室の増築は可能なのか、ルールに適合しているのか、どんな調査が必要なのか前もって綿密に計画を練る必要があります。

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公開日 2020年9月17日
更新日 2020年10月22日

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