手すり設置のリフォーム費用相場は?段差をサポートするための意味と必要性

手すり設置のリフォーム費用相場は?段差をサポートするための意味と必要性

若いうちはちょっとした段差で転ぶようなことはまずありません。ところが高齢になると、肉体的な理由によりちょっとした段差でつまづくようになります。高齢者が転倒した場合、骨折するケースもあります。骨折からそのまま寝たきりになるリスクもあり、高齢者にとってちょっとした段差も命とり。シニアが安心して生活するために、手すりは不可欠なのです。

手すりを取り付ける理由

高齢者の自宅には、玄関先や玄関や浴室、トイレなどに手すりがついていることがあります。手すりを取りつける理由は「転倒や転落防止・歩行や移動の支援・動作の補助」などがあり、筋力・体力の衰えた高齢者が安心して生活するために必要です。ではここからは、手すりを取り付ける具体的な理由についてひとつひとつチェックしていきましょう。

安心、安全に階段の昇降を補助する

高齢者の自宅の事故のうち階段で発生する事例は全体の約19%となっており、リスキーな場所のひとつです。足を踏みはずしたりバランスを崩して転倒するリスクを低減させるため、階段に手すりは必須。

階段の昇降を補助するために階段に手すりを設置し、手すりをつたってゆっくり昇降すれば事故の可能性はかなり減少します。ただ手すりの高さが高すぎると重心が後ろにズレ、バランスを崩して後方に転倒するリスクもあるので要注意。手すりを利用する方の身長や体形に合わせて最適な高さに設置してもらうことが重要です。

高齢者や要介護者の移動で利用

高齢になると体力や筋力が低下し、膝の関節も硬くなるため歩きにくくなります。水平な廊下を歩くときも足腰にはかなりの負担がかかっているのです。そのため手すりにつかまることで下半身にかかっていた重みが上半身にも分散され、グッと歩きやすくなります。

足が上げにくくなるため手すりにつかまることで転倒防止にもなり、高齢者や要介護者にとって手すりは必要不可欠。事故防止の配慮からも、廊下への手すり設置は必要です。

手すりを取り付ける際の安全性

手すりには縦型(I型)やL字型、波型、据え置き型、可動型、台付きなどさまざまなタイプがあり、状況によって使いわけるのが一般的です。また素材も木製や金属製、プラスチック製など複数あり、その部屋にどのような手すりを設置すればいいのかある程度は決まっています。

材料費や工賃により設置費用にもバラつきがあり、施工費込みで数万円することも。「高い手すりは買えない」と自己流で手すりを設置される方もいますが、安全性の面を考えるとやはり危険です。ネジが取れたり手すりが抜けるなどの事故が起きる可能性もあり、その場合自己責任になります。

階段の取り付けは業者への依頼がおすすめ

階段や廊下、玄関などへの手すりの取りつけは専門の施行会社に依頼するのが安全です。施工会社はさまざまな経験があるため「廊下にはこの手すり、階段はこの商品が良い」とあらかじめ最適な手すりを提案してくれます。

また利用者の身長や足腰の調子などを考慮して高さを決め、場合によっては滑り止め付きの手すりなどより安全性の高い商品を紹介することも。手すりの取り付けには相場がありますので、そこから逸脱していなければ問題ありません。心配であれば施工会社の評判を聞く、ケアマネージャーに相談するなどしてみるのがおすすめです。

個人で取り付けることも可能だが注意が必要

自分で材料を購入し自宅に手すりをつけたいという方もいらっしゃるでしょう。ある程度DIY慣れしている方であれば不可能ではありませんが、以下の点に十分注意してください。

・手すりは柱に設置していく(壁に適当に設置すると取れる可能性がある)
・設置する場所や利用する方に最適な太さの手すりを選ぶ(手すりは太すぎても細すぎてもダメ)
・手すりを設置する高さにも注意する(廊下は高さ75~85cmが適正範囲)

材料費だけで設置できるため費用がかからないのが魅力ですが、事前にしっかり勉強して使用中に事故が起きないようにしましょう。

住まいの形状を意識した介護の手すり補助とは

高齢者の移動に手すりは必要なもの。介護の際は、どこに、どのように設置されているか確認することも重要
高齢者の移動に手すりは必要なもの。介護の際は、どこに、どのように設置されているか確認することも重要

高齢者が生活する自宅は一軒一軒間取りや家の形が違います。長い廊下の自宅では手すりも長くなり固定する箇所も増えてしまいます。逆に廊下が短い自宅では手すりの長さや固定部分も変化しますし、部屋への入り口が引き戸かドアかでも手すりの位置や形状が変化することに。お風呂やトイレ、玄関、階段の広さや形状も各家庭によってさまざま。部屋の広さなどを考慮して、跳ね上げ式や可動式手すりを設置することが重要です。

木製のフラット手すりとディンプル手すりを紹介

手すりといえば一般的に丸型をイメージしますが、ほかにも丸型手すりの表面に凹凸(ディンブル)をつけたディンブル手すり、そして手すり部分が平らなフラット手すりがあります。それぞれの特徴をみていきましょう。

・ディンブル(凹凸)手すり…握力が弱っている方は手すり表面に凸凹がついている方がしっかり握れるため、筋力の衰えた方はこの手すりを適用するのがよいでしょう。水気があり滑りやすい場所(トイレや浴室)にも、ディンブル手すりが向いていて便利です。

・フラット手すり…手すり表面が平らなタイプをフラット手すりと呼びます。リウマチなどで握力が弱くなり、手すりがつかめなくなった方が手のひらや肘を乗せて移動するために役立つ形状です。

樹脂製の手すりはタイル、お風呂に適切

手すりには木製、プラスチック(樹脂)製、金属製などいくつか素材別に種類があり、使用する部屋ごとに使い分けると安全です。お風呂は水気の大変多い場所のため、金属製の手すりは錆びる可能性もあり木製の手すりも腐るリスクがあります。

そのため水分によって品質が劣化しない樹脂製(プラスチック製)がおすすめです。樹脂製手すりは「寒い冬場手すりに触れた瞬間、ヒヤッとしない・表面に凹凸加工をほどこし水に濡れても滑りにくい」などのメリットがあり、浴室用として積極的に選ばれています。

外に設置するならステンレス、アルミ材の素材

玄関アプローチやスロープに手すりを設置するならアルミ製やステンレス素材がおすすめです。アルミやステンレスには以下のようなメリットがあり、外回りには最適。

・アルミニウムは軽く、強度が強いため台風や大雨でも簡単に壊れない
・低温液体窒素(-196℃)や液体酸素(-183℃)の極低温下でも、アルミニウムの品質が保たれている(耐候性がよい)
・見た目の美しさも特徴で、玄関先のスロープやアプローチを美しく演出

玄関先に設置するためのセット商品も販売されており、手が触れる部分は耐水性に優れた木材を使用し見た目にも美しく仕上げられています。

手すり工事のリフォーム費用

手すり工事を専門の施工会社に依頼する場合、材料費や施工費、管理費などがかかります。どのような製品(グレード)を使うか、施工費の違いなどによって同じ工事でも施工費用に差がつくのが一般的。そこで手すりのリフォーム工事をお願いするときは、複数の施工会社に見積もりをお願いすると安心です。

一番安い会社にお願いするのも良い選択ですし、施工を希望する本命の会社に「ほかの会社がこんなに安いんだからもうちょっと勉強して」と値引きの材料にもなります。見積もりを取ることで工事の費用相場もわかるため、複数社見積もりをお願いするのが無難です。

階段の形状によって変化する工事費

階段は途中に踊り場のない直階段やL型階段、折り返しのあるU型階段などいくつか種類があります。それぞれの階段に手すりをつけるとなると、階段の形状にあわせて部材を切断しブラケットで接合し、壁にしっかり取り付けなければなりません。まずは、それぞれの階段別にかかる材料費をチェックしてみましょう。

・直階段…4万5000円から(補強が必要な場合はさらに費用アップ)
・L型階段…6万5000円から(上記と同じ)
・U型階段…8万円から(上記と同じ)

直階段が一番材料費が安く、U型階段がもっとも材料費がかかる結果となしました。材料費とは別に施工費が加算されるため、U型階段の施工費用が一番高くなる可能性大です。階段の形状によって工事費が変わる点に注意しましょう。

玄関、階段、廊下の手すりを取り付ける場合

玄関、階段、廊下には木製の手すりが良く使われます。それぞれどのような点に気をつければいいのでしょうか?

・玄関…玄関の上り下りにはI型手すりが便利ですが、より安全性を高めるならL型手すりを使い土間から廊下へとスムーズに移動できると安心
・階段…階段斜め部分は階段の段鼻から75~80cm前後の高さに手すりを設置するのが一般的で、階段が終わる部分はI型手すりを設置するとより安全です
・廊下…階段での手すりの高さは、利用する方の手首や大腿骨大転子の位置に設置するのがベスト、床から75~80cmの高さが一般的ですが利用する方の身長によりそれより低い、高いなど調整する必要があります

浴室、トイレなどの水回りの手すりを設置するケースでは

水回りは水分が多い場所なので、滑りにくい樹脂製の手すりを使うのがもっとも安全です。そのうえで以下のような点に気をつけましょう。

・トイレ…I型かL型の手すりが最適で、I型は便器先端から20~30cm前方にあると利き手で持って重心移動しやすくなります
・浴室…浴槽に入る時に足が上がらず転倒することもあるためI型やL型手すりが必要。I型手すりは60cm以上の物を設置すると掴みやすく態勢を整えやすくなります

屋外に手すりを設置する費用と用途

屋外ならではの素材で作られた手すり。介護の際にはなくてはならない手すりの費用や補助金について確認しましょう
屋外ならではの素材で作られた手すり。介護の際にはなくてはならない手すりの費用や補助金について確認しましょう

玄関アプローチに段差がある場合、手すりにつかまって移動するのが安全です。屋外には木製やプラスチック製ではなく、丈夫なアルミやステンレス製が適しています。では屋外にバリアフリーリフォームで手すりを設置すると、どれくらいの費用がかかるのでしょうか?介護リフォームを使用するケースでは介護保険から補助金がおりるため、その方法もチェックしてみましょう。

リフォーム会社に依頼するときに検討する内容

リフォーム会社に屋外の手すり取り付けを依頼するときは、以下のような点について注意しながら検討しましょう。

・スロープに手すりを設置する場合は、利用する方の体に合わせて手すりの高さや太さを選択する
・施主が立ち会って打ち合わせをおこなう
・予算内におさまるかの検討
・手すり以外のリフォームを勧められた場合、目的をしっかりもち不必要なリフォームには「NO」を

ベランダ、バルコニーの手すりを補強

雨風にさらされている2階のベランダやバルコニーの手すりは経年劣化により強度不足になっていることがあります。腐食により土台部分まで腐っているケースもあり、手すりリフォームをおこなう際に「ベランダの柵がグラつく」など気になる点があれば施工会社に相談してみましょう。2階のバルコニーやベランダの柵が倒れると命に関わります。事故防止の観点から一度チェックしてもらうと安心です。

手すり設置での補助金と助成制度について

手すり設置は補助金や助成金の対象となります。

・介護保険居宅介護(介護予防)住宅改修費…要介護認定を受けている方は最大20万円まで(自己負担1割)補助金が受給できます
・市町村独自の補助金…市町村が独自におこなう介護リフォーム補助金制度。補助金額は10万円、20万円などさまざま。くわしくは市町村の窓口まで

「補助金の申請がわからない」などお悩みの方は、まずお住まいの地域包括支援センターにご相談ください。

介護保険を受けるには

介護保険を受けるには、まず要介護者であることを認めてもらう必要があります。地域包括支援センターか市町村の窓口に「要介護認定の申請」をおこない、面接による1次判定、さらに専門家による2次判定を経て認定の可否が判断される仕組みです。

話し合いの結果、要支援か要介護、またはどれにも該当しないと結論付けられ、要介護認定された方のみ、自立支援の一環として「介護保険居宅介護(介護予防)住宅改修費」の支給が受けられます。自宅改修やバリアフリー工事自体は要支援・要介護・自立の別なくいつでもおこなうことができますが、補助金を受給したい場合は要介護認定を受けなければなりません。

階段の手すりリフォームの費用を抑えて設置するには

階段の手すり工事を専門会社に依頼すると、施工する場所にもよりますが5~15万円前後の費用がかかります。とくに施工の難しいU型階段は部材を細かくカットしたりブランケットを多めに使うなどして手間がかかる傾向です。少しでも安い費用でリフォームを実現するならDIYでおこなうか、部材を安く購入し施工会社に支給する方法しかありません。

DIYの場合、手すりを壁の奥にある間柱にしっかり取り付けることが重要です。また壁自体が薄く、全体に補強が必要な場合は下地をつけて手すりをしっかり固定しなければなりません。薄い壁では強度が足りず、手すり自体が壁から落ちケガをすることがあります。部材を安く購入し施工会社に施行だけお願いする(施主支給)方式は、受け入れてくれない施工会社もあるため事前に話し合いが必要です。

信頼できる業者の見つけ方|複数の会社から情報と提案をもらう

信頼できるリフォーム会社をどのように見つければいいのでしょうか?いくつか対策があるのでチェックしてみましょう。

・実際に手すりリフォームをおこなった方にいい業者を聞いてみる
・地域包括支援センターの担当者に評判の良い施工会社を聞いてみる
・地元の方から話を聞く
・2~3の施工会社に目星をつけ、実際に見積書を作成してもらう

複数の会社から見積もりや情報を収集し、最終的にどの会社にリフォームをお願いするか決定します。このとき、リフォームの依頼者が要介護者であれば「介護保険居宅介護(介護予防)住宅改修費」の利用をすすめてくれたり、手続きのために必要な書類をすぐに作成してくれる会社は良心的です。

予算内に収めるために親身になって相談にのってくれる、相場以上の施工費を上乗せしていないなど「この会社は信頼できる」ところは必ずあります。じっくり腰を据え情報を収集しながら見極めていきましょう。

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公開日 2020年9月17日
更新日 2020年10月22日

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