セルフリノベーション|初心者でもできるDIY実例と費用・失敗しないための注意点を紹介

住宅を便利に、かつ自分好みの空間へ変えられるのがリノベーションの魅力です。ただし、すべての作業をプロの業者へ頼むと、高額な料金が発生することもあります。費用が気になる場合は、DIYできる部分をセルフリノベーションしてみましょう。この記事では、セルフリノベーションに関するさまざまな情報や初心者でも気軽に挑戦できるDIYを紹介します。
セルフリノベーションとは
セルフリノベーションとは、住宅のリノベーションを自身で行うことです。現在はリノベーション可能な賃貸物件もあり、自らの手で改装を行う方も多く見られます。
セルフリノベーションのメリット・デメリット

セルフリノベーションはメリット豊富な一方、状況次第ではデメリットのほうが大きくなる場合もあります。自分にとってメリットが大きい場合はセルフリノベーションを選択し、そうでない場合はプロの業者に頼むのがおすすめです。こちらでは、セルフリノベーションのメリット・デメリットを紹介します。
メリット1:費用が安い
セルフリノベーションのメリットは、何といっても費用が安いことではないでしょうか。必要なのは材料費や工具費程度です。リノベーション会社に依頼するよりも、たいていは安価に仕上がります。コストをかけずに理想の家づくりができます。
メリット2:DIYを楽しめる
セルフリノベーションは、DIYが好きな方にはぴったりといえます。アイデア次第で自宅を好きなようにデザインでき、資材もこだわれるため思う存分DIYを楽しめるでしょう。セルフリノベーションを行うことで愛着がわき、DIYに関して新しい学びがあることも多いはずです。
メリット3:家に他人が入らない
リノベーション会社に頼むと、見積もりから施工完了までの間にさまざまな方が家に出入りします。自宅に他人を招くのが苦手な方は、セルフリノベーションをしたほうが精神的な負担が少ないかもしれません。
デメリット1:工期が長くなる
セルフリノベーションのデメリットのひとつは、工期が長くなることです。仕事の後や家事の合間、休日などに作業を行う方が多いようですが、1日中作業する時間はなかなかとれず、完成までの期間がどんどん延びていくケースが多いようです。
デメリット2:クオリティは人それぞれ
セルフリノベーションのクオリティには個人差があります。プロ並みのスキルを持つ方なら問題ありませんが、慣れていない素人の方だと満足のいかない仕上がりなることも。また、知識や経験が少ないことから、失敗してしまうこともあるかもしれません。安定して高いクオリティのリノベーションを行いたいなら、職人に依頼するのがおすすめです。
デメリット3:ひとりではできないことがある
リノベーション作業では、重たいものを動かしたり大きなものを解体したりすることも多くなります。1人だけでは作業できず、ほかの方に手伝ってもらわなければならないこともあるでしょう。無理をせず、家族や友人に協力を頼むのが大切です。
セルフリノベーションの注意点とは?
セルフリノベーションは、住んでいる物件や工事したい場所などにより、できること・できないことがあります。自分だけでできる工事の範囲はどこまでなのかを知り、安全に作業できるよう計画を立てましょう。
セルフリノベーションでどこまでできる?
セルフリノベーションは、人それぞれのレベルに応じてできることが異なります。人によっては家具を作ったり、床や天井を張り替えたりと、難易度の高いDIYも可能です。ただし、照明の位置替えやコンセントの取り付けなど、資格がなければできない危険な作業もあります。その場合はプロの業者に施工を依頼しましょう。また、お住まいの物件によっては希望の工事が難しい場合があります。構造に応じて法律や管理規約上の制限があるため注意が必要です。
マンションの場合は管理規約をチェック
マンションをセルフリノベーションする場合は、管理規約をチェックしましょう。マンションには「共有部分」と呼ばれるゾーンがあります。たいていは窓やベランダ、玄関のドアなどが共有部分に含まれ、勝手に手を加えてはいけないと決められていることがあります。マンションによっては室内でもリノベーション不可能な場所があるため、しっかりと規約をチェックしましょう。
また、退去時の原状回復義務についても調べておくのが大切です。基本的に、マンションを退去する際は借りたときと同じような状態に戻さなければいけません。壁に穴をあけたり、床の色を塗り替えたりしている場合は、原状回復費用が発生することがあります。
詳しくはこちらをご覧ください。
【専有部分と共用部分】中古マンションをリノベしたいけど、トイレの位置って変えられないの?
資格の必要な工事は業者に頼もう
電気工事やガス工事、水道工事などは、資格を持っていなければ行ってはいけません。勝手に配線や配管などをいじると危険なうえ、法律違反になってしまうため注意しましょう。
電気工事
天井の照明の位置を変えたいときや、コンセントの配置を変更したいときは、電気工事のできる業者へ依頼しましょう。電球を取り換える、照明器具を取り付ける程度の作業なら資格を持っていなくても可能です。また、インターホンやスピーカーの取り付けも資格なしで行えます。
ガス工事
キッチンやお風呂場などのガスの配管工事は資格が必要です。セルフリノベーションで行える工事はほとんどありません。給湯器の交換やガス栓の取り付け、配管の取り換えなどは、業者に依頼しましょう。
水道工事
水回りの設備の移動のように、水道の配管工事をともなうリノベーションは、資格がなければ行えません。ただし、水栓の交換や便器の取り換えなどはセルフリノベーション可能です。
住みながらのセルフリノベーションは可能?
セルフリノベーションの規模が大きい場合、住みながら作業を進めるのは難しいでしょう。物件の一部のみのリノベーションで、工期も短く済みそうであれば、住みながらのセルフリノベーションが行えます。
ただし、生活に必須のトイレやキッチンなどが長く使えない状態になる場合は、住みながらセルフリノベーションするのは難しいといえます。また、複数人でお住まいの場合は、それぞれの事情も考慮するのが大切です。セルフリノベーションによってご家族の生活に支障が出るなら、工事期間中の仮住まいも検討しなければいけないでしょう。
セルフリノベーションの準備

セルフリノベーションでは、準備や計画がとても大切です。とくに慣れない方がリノベーションにチャレンジする場合は、詳細なプランを練っておきましょう。ここでは、セルフリノベーションで用意するものや計画の立て方などを紹介します。
用意するもの
セルフリノベーションで用意するものは、基本的な工具のほか、施工する場所に合った道具や材料などです。とくに持っておいたほうがいい工具は以下の通りです。
電動ドライバー
電動ドライバーは、家具の組み立てや解体など、幅広い場面で活躍します。セルフリノベーションするならぜひ持っておきたいアイテムです。取り回しの良いバッテリー式や、パワフルなケーブル式などがあるため、用途に応じて選びましょう。
ノコギリ
ノコギリは木材のカットで使います。ソーガイドと呼ばれる補助の道具をつけると、まっすぐ切りやすくなります。
さしがね、メジャー
長さを測るための道具は最低でもひとつは持っておきましょう。部屋や家具の寸法を測るために、長めのメジャーを購入するのがおすすめです。木工をするなら直角のさしがねがあると便利です。
水平器
目視だけで水平をとるのは難しいため、水平器を用意しておくのがおすすめです。水平器があれば、棚板などをきれいに設置できるでしょう。
カナヅチ、ハンマー
カナヅチやハンマーは、釘を打つときに必要です。釘打ちは失敗することも多いため、釘抜きもついているものを購入するとベスト。
計画の立て方
セルフリノベーションの計画を立てる際、まずは完成した理想の住まいの姿をイメージしてみましょう。そこから、希望のイメージに近づけるにはどういった作業をすればいいか考えていきます。
次は設計図を作ったり、作業の流れを書いたりして、実際に行うことを決めていきましょう。作業工程には、ゴミ処理を組み込むことも大切です。セルフリノベーションでは廃棄するものがたくさん出ることがあります。地域のごみ捨て日やルールも確認しておきましょう。
そして、必要な工具の費用や材料費、ゴミ処理料金などを調べ、リノベーションでかかる金額を計算しましょう。予算オーバーであれば計画を練り直します。計画が定まったら、実際にリノベーションを開始しましょう。
場所別のセルフリノベーション例
セルフリノベーションは、簡単なものなら1~2日あれば完了します、こちらでは、場所別のセルフリノベーション例を紹介します。一般的な6畳の部屋を想定し、材料費や工期の目安も記載するので、ぜひ参考にしてみてください。
壁・天井のDIY

壁や天井のセルフリノベーションは、クロスの張り替えやペンキなどを用いた塗装が主流です。一般的なグレードの壁紙を張り替える場合、予算の目安は1万5000円ほどです。
また、最近では珪藻土を塗るDIYも流行しています。珪藻土は調湿性能が高く、自然素材であることから人気を集めています。ただしクロスよりも値段が高く、費用は7万円以上かかると考えておくといいでしょう。壁や天井のDIYは、どれも1~2日で終わることが大半です。ただし、既存のものを解体する場合はそれ以上の日数が必要になります。
床、フローリング
床材の張り替えは経験がなければ難しいといわれています。セルフリノベーションであれば、既存の床にフローリングを重ね張りするのがおすすめです。費用の目安は4万5000円ほどで、作業は2日ほどかかります。天然の木を使った無垢フローリングは、木目の風合いを感じることができる人気の高いフローリング材です。
また、水回りにはクッションフロアのように耐水性の高い床材を購入して敷くのも手軽でおすすめです。費用は3万円ほどですが、敷き詰めるだけなら1日程度で作業が終わります。
リビング

リビングは家族が集まる空間で、家のメインともなる場所です。リビングテーブルを作り変えるだけでも、雰囲気が変わるでしょう。SPF材のように安い木材を使えば、材料費は1万円もかからず作れるはずです。塗装をするなら乾燥させる時間が必要なため、作業は1~2日かかります。
キッチン

キッチンのセルフリノベーションでは、リメイクシートを貼って棚や引き出しなどの印象を変えるのがもっとも簡単です。リメイクシートは100円均一ショップでも販売されており、気軽に購入できます。木目調のものを貼り、カフェ風のキッチンを作ってもおしゃれです。100円均一ショップで材料をそろえたら、1000円程度で済むこともあります。作業も当日中に終えられるでしょう。
トイレ
配管工事をともなうリノベーションは資格がなければできませんが、便座交換なら個人で行えます。トイレ内にコンセントがあれば、温水洗浄便座の設置も可能です。費用相場は1万5000円ほどで、作業は1日もかからずに終えられます。
洗面台

洗面台そのものの交換は難易度が高く、給排水管の工事もともなう場合があります。セルフリノベーションするなら、タイルやリメイクシートを貼り付けるなどで見た目を変えるのがおすすめです。タイルは等間隔に貼るのは大変なため、慣れていなければ2日以上かかってしまうこともあります。費用相場は2万円ほどです。
玄関
玄関でもっとも目立つ部分は扉ではないでしょうか。扉の色を塗り替えるだけでも、印象ががらりと変えられます。ただし、マンションの場合は玄関扉そのものに塗装できない場合があります。その場合は、玄関と部屋を仕切る扉に塗装してみましょう。ドアの素材が木材の場合は、オイル仕上げをすると木目を活かした質感が出せます。費用相場は1万円以下ですが、乾燥が必要なため作業に2日ほどかかるでしょう。
バルコニー・ベランダ
バルコニーやベランダは、工夫次第でさまざまな空間に変えられます。たとえば、殺風景なコンクリートのベランダが気になる場合は、ウッドパネルを敷いてみましょう。ウッドパネルの値段によりますが、6畳程度のベランダなら1万円ほどでDIYできるはずです。敷き詰めるだけのため、作業時間もそれほどかかりません。
インテリア重視のセルフリノベーション実例
部屋のインテリアを重視するなら、雰囲気にこだわった家具などをDIYしてみましょう。初心者向けのグッズを使えばそれほど難しくありません。こちらでは、飾り棚や壁面アートなどのセルフリノベーション例を紹介します。
飾り棚

壁に穴をあけても良い場合は、棚受けを直接打ち付けて飾り棚を作るのが手軽です。賃貸の場合は、「ディアウォール」や「ラブリコ」などの商品を活用しましょう。2×4材や1×4材などと組み合わせて床と天井の間に突っ張ることで、簡単に柱を立てられます。
柱を2本立てて棚受けと棚板を設置すれば、飾り棚の完成です。塗装をしない場合、1日もあれば作業が終えられます。材料費も1万円前後に抑えられるでしょう。塗装をする場合は、好みの雰囲気に合わせた塗料を選ぶのが大切です。初心者の場合は扱いやすく、独特のにおいが少ない水性塗料が便利です。
壁面アート
部屋の壁をおしゃれに飾る壁面アート。まずは完成図を明確にイメージしてから制作を始めるのがおすすめです。おしゃれなオーナメントを飾る、イラストや文字をペイントするなど、好みのテイストで壁面を彩りましょう。
賃貸の場合は、マスキングテープのように壁紙を傷つけにくいものを使ってみてはいかがでしょうか。それほど細かい作業が必要なければ、1日ほどで終わります。マスキングテープは100円均一ショップでも手に入るため、費用も抑えられます。
一戸建ての古民家や中古住宅をセルフリノベーション。費用や時間はどのくらい?
一戸建ての古民家や中古住宅を購入後、リノベーションして住みやすく作り変える方はたくさんいます。個人でできない部分は業者に任せつつ、できる限りセルフリノベーションするなら、どの程度の費用と時間がかかるのでしょうか。
結論としては、物件や材料費、それぞれのDIYスキルなど、さまざまな要因で費用と工期が変わります。たとえば、平日は仕事をし、休日だけを使ってリノベーションしていくなら、完成までに数年はかかるでしょう。反対に、リノベーションに割ける時間が多ければ数カ月で作業は終わるはずです。
費用がもっとも高額になるのは、やはり業者に依頼する部分です。例えば壁を壊して間取りを全体的に変える場合はリノベーション会社へ施工を依頼します。そうすると、総額で600万円以上かかることもあります。ただし、最低限のところだけ工事してもらう場合は、100万円程度の予算で済む場合もあります。リノベーションの計画を立てる際に業者へ依頼する部分についても決めておき、見積もりを出してみましょう。
詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。
古民家をリフォーム、リノベーションしてスローライフを実現。費用相場や注意点を紹介
セルフリノベーションのコツ
セルフリノベーションをする際は、作業する順番や下準備など、さまざまな点に気をつけましょう。限界を感じたらリノベーション会社へ任せるのもひとつの方法です。最後に、セルフリノベーションのコツを紹介します。
簡単なものから始める
DIYに慣れていない方は、簡単なセルフリノベーションから始めていきましょう。いきなり壁の解体や浴槽の交換などの難易度が高いDIYをすると、途中で思わぬトラブルが発生することもあります。
現在はさまざまなDIYグッズが販売されています。ぜひこういったものを活用し、便利なアイテムの力を借りてセルフリノベーションを成功させましょう。
塗装や張り替え前に下地処理を済ませる
壁や床の塗装や張り替えの前には、下地処理を済ませましょう。たとえば、木材に塗装する場合は、毛羽立ちやヤニなどの影響で塗料がうまく乗らないことがあります。ナイフなどで削ってヤニを取り除く、ヤスリ掛けをして表面を磨くなどの処理を行ってから塗装に移りましょう。
作業に取り掛かる前に養生を行う
養生とは、汚したくない部分を覆って保護しておくことです。とくに塗装の前には必ず行っておくといいでしょう。
広範囲を覆う場合は養生シート、狭い範囲を保護する場合はマスキングテープなどを使って養生します。養生シートは「マスカー」とも呼ばれ、ビニールシートにテープが付いているものが販売されています。
養生の際は、隙間から塗料がこぼれないようにしっかりと密着させるのが大切です。動かせる家具は移動しておくと養生する箇所が減ります。また、でこぼことした部分を養生する場合は、コーキング剤を使うのがおすすめです。マスキングテープや養生シートだけでは塗料がはみ出してしまうときも、コーキング剤を使えば隙間を埋めておけます。
無理せずリノベーション・リフォーム会社へ依頼する
資格がなければ工事できない部分は、最初からプロの業者に頼む必要があります。大規模なリノベーションをしたい場合も、初心者であれば業者に頼んだ方が安心です。作業を進めるなかで、セルフリノベーションでは難しいと感じた部分があれば、無理せずにリノベーション会社へ施工を依頼しましょう。セルフリノベーションの経験が浅い方が無理やり作業を続けてしまうと、思わぬケガや事故などが発生することもあり得ます。何かあったときは、はやめにリノベーション会社へ相談するのがおすすめです。
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公開日 2020年7月15日
更新日 2020年10月22日
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