ビルトインガレージを増設リフォーム。費用や法規制の注意点を解説

ビルトインガレージを増設リフォーム。費用や法規制の注意点を解説

自動車を所有する場合、自宅の外に駐車スペースを設けるのが一般的です。しかし、「敷地が狭い」「使っていない部屋をガレージにしたい」と考えているのであれば、ビルトインガレージの増設リフォームもおすすめです。今回は、ビルトインガレージを増設する場合の費用や注意点などをご紹介します。

住宅駐車場の種類

近年、自動車を持たない生活を選択する方も増えていますが、郊外や地方など依然として自動車が欠かせない地域もあります。そして、自動車を所有する場合、駐車場が必要です。マンションでは駐車場が併設されているのが一般的ですが、一戸建てに住んでいる場合は、駐車スペースを設けなければなりません。

一戸建ての駐車場には、以下の3つのタイプが存在します。

・ガレージ(車庫)
・カーポート
・カースペース

ガレージとは、駐車スペースが独立の建物、または建物の一部となっているものを指します。愛車だけでなく、バイクや自転車なども雨に濡れることなく保管が可能です。カーポートとは、駐車スペースに柱や梁を備えた屋根つきのものを指します。柱や屋根のない駐車スペースがカースペースです。敷地を広く確保できる低層住宅地に多く見られます。

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ビルトインガレージとは

ビルトインガレージとは、ガレージのなかでも建物の一部に組み込まれた駐車スペースを指します。シャッターやドアを設置して、外部と空間を仕切るのが一般的です。使用していない部屋をビルトインガレージとして造り変えることもあれば、地下に新たなスペースを設けることもあります。

ビルトインガレージのメリットとデメリット、向いている家は?

ビルトインガレージは、自宅に駐車スペースを設ける際のひとつの選択肢です。こちらでは、ビルトインガレージのメリットやデメリット、向いている家の特徴をご紹介します。

ビルトインガレージのメリット

自宅にビルトインガレージを設ける主なメリットは、以下の5つです。

・愛車を雨風や汚れから守ることができる
・セキュリティ面での安心感が増す
・乗り降りや荷物の出し入れが簡単にできる
・固定資産税が安くなることがある
・実用性のある趣味の空間ができあがる

ビルトインガレージは建物内に愛車を収納できるため、風雨から守ることができます。使用していない間に車が傷つく危険性を減らせる点がもっとも大きなメリットといえるでしょう。

ビルトインガレージのデメリット

ビルトインガレージは、建物内に駐車スペースを設ける関係で気になる点もあります。ビルトインガレージの主なデメリットは、以下の3つです。

・騒音・換気対策が欠かせない
・一定の間取りや強度が求められる
・コストがかかる

ビルトインガレージは、建物内でエンジンをかけるため、エンジン音や排気ガスへの対策が欠かせません。その他にも、ある程度広いスペースが必要となる分、間取りや強度に制約がかかる点もデメリットとなるでしょう。

ビルトインガレージに向いている家

ビルトインガレージは、とくに狭小住宅に適しているといわれます。建物の外に駐車スペースを設けるのが難しい狭小住宅も、1階部分をビルトインガレージ、2階・3階を居住スペースとすることで、土地を無駄なく有効活用できるためです。

また、柱の数が少ない軽量鉄骨構造の住宅もビルトインガレージを建てるのに向いています。柱の多い木造や2×4工法の住宅と比べて、柔軟な設計が可能なためです。ただし、柱が少ない分耐震強度が弱く、補強工事が必要になるケースもあります。

ビルトインガレージの素材と特徴

シャッターは騒音、デザイン性、お手入れの手間、費用などを総合的に見て種類を決めよう
シャッターは騒音、デザイン性、お手入れの手間、費用などを総合的に見て種類を決めよう

ビルトインガレージに使用されるシャッターには複数の種類があり、収納形式や開閉方法、素材ごとに分類されます。こちらでは、素材による分類のなかから、スチール製と木製の特徴をご紹介します。

スチール製

スチール製のシャッターは、コストを比較的安価に抑えられる点が最大の特徴です。コストパフォーマンスが良く、素材にあまりこだわりのない方や早くガレージを設置したい場合などには最適でしょう。ただし、スチール製のシャッターは、他の素材と比較して腐食しやすいというデメリットもあります。10~15年で腐食が進むため、長期の使用を考えているのであれば、防サビ塗装の施してあるスチールシャッターを選ぶのがおすすめです。

木製

木製シャッターは、他の素材と比較して高級感があり、高級住宅街などでも見かけます。デザイン性を考慮してシャッターを選ぶのであれば、木製がおすすめです。ただ、木製のシャッターは傷みや腐食などが発生しやすく、定期的なメンテナンスが欠かせません。メンテナンスを怠ると、交換を余儀なくされる可能性もあります。

ガレージのシャッターの種類と特徴

ガレージのシャッターの素材を選んだら、次は収納形式や開閉方法を考えます。こちらでは、代表的な収納形式や開閉方法をご紹介します。

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巻き上げ式

巻き上げ式は、シャッターの上部にシャッターボックスが設置されており、シャッターを開けるとスラット部分がそこに収納されるタイプです。コストが安く、ガレージの天井スペースを自由に使用できるため、自動照明を設置でき、駐車スペースも広く確保できます。

ただ、開閉時の音が大きい、開閉スピードが遅いなどのデメリットを抱えています。騒音問題になるケースも考えられるため、住宅街では避ける傾向にあり、工場などで採用されることが多いようです。

オーバースライダー式

オーバースライダー式は、シャッターボックスがなく、ガレージの天井に沿ってシャッターが収納されるタイプです。開閉音が静かで、開閉スピードも速いため、一般的な住宅にも使用されています。

デメリットは、巻き上げ式と比べると高価な点です。設置面積などにもよりますが、1.5倍ほど変わることもあります。また、天井スペースを使えないため、照明を壁に設置する必要があり、駐車スペースが狭くなる点も理解しておきましょう。

スイングアップ式

スイングアップ式は、シャッターが前方にスイングすることで開閉するタイプです。海外ではメジャーなタイプですが、住宅の前に一定のスペースが必要となるため、狭い道路の多い日本ではあまり見かけません。他の収納形式と比べると、開閉音がほとんどしないのが特徴です。

開閉方法は手動か電動

ガレージのシャッターの開閉方法は、手動と電動の2種類から選べます。手動には安価で導入できるというメリットもありますが、開閉スピードが速く、騒音の発生しにくい電動シャッターが人気です。とくに、自宅のガレージシャッターをお探しであれば、コストは多少かかるものの、電動シャッターのほうが利便性は高いでしょう。

ビルトインガレージの費用相場はいくら?

ビルトインガレージの設置以外にも、車庫内に取り付ける照明や換気扇などのコストも念頭に置こう
ビルトインガレージの設置以外にも、車庫内に取り付ける照明や換気扇などのコストも念頭に置こう

自宅にビルトインガレージを設置しようと考えている方にとって、もっとも気になるのが費用ではないでしょうか。設置費用の相場について、1台分のスペースを想定してご紹介します。

ガレージを建物の外に新たに増築する場合、施工費用の目安は約150万~350万円前後です。一方、使用していない部屋やスペースを減築してビルトインガレージを設ける場合は、約60万~240万円前後の工事費がかかります。

使用する素材や、自転車やバイクなどの置き場を設けるか、耐震補強の有無などによっても費用は変わってきます。予算内で工事が可能か気になったら、リフォーム会社に相談するのがおすすめです。

ビルトインガレージを設置するときの注意点

愛車を守ることができ、セキュリティ面でも安心なビルトインガレージは、設置すれば便利な存在として役に立つでしょう。ただし、設置の際には気をつけたい点がいくつかあります。こちらでは、ビルトインガレージを設置するときの注意点をご紹介します。

固定資産税

一般的に、住居とは切り離され庭などに設置されるカーポートやカースペースは、家屋と認められず固定資産税の対象となりません。ただ、屋根と壁で覆われ住居部分と密接に関連し、家屋の一部ともいえるビルトインガレージは、固定資産税の対象となります。「ビルトインガレージに固定資産税はかからない」といった知識は間違いです。注意しましょう。

建ぺい率・容積率

ビルトインガレージにも固定資産税がかかるものの、建築基準法施行令で定められた「容積率の緩和」に関する特例を用いて、その額を下げられる可能性もあります。具体的には、ビルトインガレージの面積が延べ床面積の5分の1以下であれば容積率に算入されず、固定資産税が安くなります。

車庫には、建ぺい率の緩和措置も規定されていますが、ビルトインガレージは「外壁を有しない部分が連続して4m以上であること」という要件を満たさないため、この措置の対象とならないケースがほとんどです。

内外装は防火材料を使用

建築確認申請書を提出する際、車庫(ガレージ)として提出するのであれば、内装制限が設けられています。具体的には、内装に使用する材料に防火材料を使用しなければなりません。木材で統一したいと考えた場合でも、天井と壁の面積の10分の1以内という制限を受けます。

また、外装については、防火地域や準防火地域、22条区域で制限が設けられています。火災発生時の延焼防止が目的です。法規制のなかでどのように理想のビルトインガレージを実現するか、リフォーム会社と相談することが大切です。

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公開日 2020年6月9日
更新日 2020年11月30日

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