床暖房リフォームの費用や工事期間、種類を解説。耐用年数やメンテナンス方法は?

床暖房リフォームの費用や工事期間、種類を解説。耐用年数やメンテナンス方法は?

床暖房の設置により、冬場の過ごしやすさは大きく変わります。近年は施工技術の発達により、マンションにおける後付け工事も可能となりました。そこで今回は、床暖房リフォームの費用や工事期間、システム別の耐用年数などをご紹介します。

床暖房リフォームはマンションでもできる

一戸建てとは違い、マンションはさまざま制約からリフォームできないことがあります。例えば、窓や玄関のリフォームです。これらは共用部分にあたるため、管理会社の事前承認なく手を加えるのは認められていません。

床暖房は、基本的にリフォーム可能です。ただし、マンションの「管理規約」は必ず確認しましょう。管理規約には、床材の張り替えの可否や「フローリング等級」に関する記載があります。それらの条件さえクリアすれば、床暖房を後付けできるはずです。
マンションのリフォームで、管理規約の内容は重要です。注意点も含め、本記事の後半で詳しく解説します。

床暖房を設置するのにかかる費用とランニングコストは?

マンションにおける床暖房リフォームの費用は、設置するシステムの種類と施工方法、部屋の広さによって変動します。具体的にいうと、床暖房システムには「電気ヒーター式」と「温水式」、施工方法には「重ね張り」と「全面張り替え」の2種類があります。システムと施工方法の組み合わせにより、初期費用が決まるイメージです。

それでは、各パターンの費用相場を見ていきましょう。

6畳10畳12畳16畳
電気ヒーター式重ね張り約37万円約54万円約60万円約81万円
電気ヒーター式全面張り替え約42万円約59万円約65万円約86万円
温水式重ね張り約44万円約66万円約77万円約99万円
温水式全面張り替え約50万円約71万円約82万円約103万円

費用相場の傾向としては、「温水式>電気ヒーター式」、「全面張り替え>重ね張り」の関係が成り立ちます。もっともリフォーム費用を抑えられるのは「電気ヒーター式×重ね張り」の組み合わせです。一般的に6畳一間で約37万円、16畳の広々としたお部屋でも約81万円でリフォームできます。

また、床暖房のランニングコストも気になるところです。床暖房を1日10時間使用した場合、電気ヒーター式は約1万2000円/月、温水式は約9000円/月が目安となります。温水式は初期費用こそ高いものの、ランニングコストを抑えられるのが特徴です。

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床暖房システムは電気ヒーター式と温水式の2種類!

床暖房
床暖房なら冬でも裸足で過ごせる

先述した通り、床暖房システムには電気ヒーター式と温水式の2種類があります。ここでは、その仕組みやメリット・デメリットについてお話します。

まず、電気ヒーター式は、本体の発熱体に電気を通すことで、熱を発生させる仕組みとなっています。温水式とは違い、熱源機を必要としません。初期費用を安く抑えられる分、光熱費(電気代)などのランニングコストは割高です。

一方の温水式では、給湯器などが発生させた熱を暖房に活用します。熱源機の種類も多く、リフォーム費用に幅があります。この内容を踏まえた上で、各方式の分類やメリット・デメリットを見ていきましょう。

【電気ヒーター式】分類・メリットとデメリット

電気ヒーター式の床暖房は、熱を発生させる方法・過程に違いがあります。分類は以下の通りです。

・PTCヒーター式:(※1)PTCサーミスタに電気を流し、自己発熱するタイプ

・電熱線ヒーター式:発熱体の熱線を加熱するタイプ

・蓄熱式:蓄熱材などの熱を自然放熱させるタイプ

PTCヒーター式は、一定の温度に達すると発熱を止め、その温度を保ち続ける自動制御タイプの床暖房です。「省電力設計」「メンテナンスがほぼ不要」「温度の立ち上がりが早い」「低温やけの心配がない」などのメリットから、近年人気があります。ただ、温度ムラがあったり、部分暖房に限られたりするデメリットもあります。

電熱線ヒーター式は、熱線を電気で加熱するシンプルな構造です。「初期費用が安い」「メンテナンスがほぼ不要」「狭い部屋にも後付けできる」などのメリットがある一方、ランニングコスト・修理費の高さや断線リスク、低温やけどのリスクが懸念されます。

蓄熱式は、夜間電力を活用して蓄熱材を温め、日中に自然放熱させるタイプです。いわゆる“蓄熱式床暖房”がこれにあたります。「夜間電力を使うためランニングコストを抑えられる」「昼夜問わず部屋が暖まる」などのメリットがあり、優れた省エネ効果も期待できます。

ただ、自然放熱を利用するため温度調整ができず、低温やけどのリスクもあります。ランニングコストは抑えられますが、蓄熱材の分だけ初期費用は割高です。

※1.PTCサーミスタ……熱に反応する温度依存性の抵抗素子のこと。一定の温度を超えると抵抗値が変化する電子部品。

【温水式】分類・メリットとデメリット

温水式は、さまざまな熱源で温水を作り、床暖パネル(以下、パネル)の下に循環させるのが特徴です。熱源は「電気」「ガス」「灯油」の3種類に分類され、「何で(どうやって)温水を作るのか?」に違いがあります。一例をご覧ください。

【電気の熱源機】
・エコキュート:夜間に湧かした温水をタンクに貯めておき、日中に循環させる

・床暖房専用ヒートポンプ:大気熱を熱エネルギーに変換し、温水を作る

・太陽熱利用温水器:太陽熱で作った温水を灯油ボイラーで再加熱する

【ガスの熱源機】
・温水暖房専用熱源機(ガス):床暖房専用のガスボイラーで温水を作る

・温水式ガス床暖房:エコジョーズなどのガス給湯器で温水を作る

【灯油の熱源機】
・床暖房専用熱源機(灯油):床暖房専用の灯油ボイラーで温水を作る

ここでは便宜上、各熱源機を「電気式」「ガス式」「灯油式」と呼称します。

エコキュートや太陽熱利用温水器などの電気式は、オール電化住宅との相性が抜群です。特にエコキュートは、電気代が安い夜間電力を使用するため、ランニングコストに優れます。一方、使用時間が限られたり、床暖房の面積に制限があったりするデメリットもあります。

ガス式は、給湯と床暖房を同一のボイラーで対応でき、専用機器の設置スペースもコンパクトです。廃熱を再利用する「潜熱回収型」という熱源機もあり、高い省エネ効果が期待できます。ただ、ガスを使用するため、ランニングコストは電気式に比べて割高です。

灯油式は、床暖房専用の灯油ボイラーで温水を作り、パネル下に循環させる仕組みです。初期費用とランニングコストが安く、広範囲を温められるメリットがあります。唯一のデメリットは、定期的な給油が必要なことです。

床暖房リフォームの施工方法と工事期間

床暖房工事
費用相場と工事期間、メリット・デメリットを確認しましょう

床暖房リフォームの施工方法は、既存の床にパネルを設置する「重ね張り」と、すべて張り替える「全面張り替え」の2種類があります。いずれも工事面積は、床面積比の約70%が目安です。費用相場と工事期間、メリット・デメリットを見ていきましょう。

【重ね張り】既存の床の上に設置

重ね張りの費用相場は、1畳あたり5万〜8万円です。パネルを後付けする面積は約70%ですので、仮に10畳のお部屋なら、7畳分の面積にパネルを設置します。よって、最終的なリフォーム費用は35万〜56万円となる計算です。

既存の床を撤去する必要がなく、張り替えに比べて費用は割安です。ただ、床とパネルの間に段差が生じるので、子どもや高齢者の転倒リスクがあります。そのため、ダミーパネルで段差をなくすといった対策が必要です。

工事期間は電気ヒーター式にするか、温水式にするかで変動します。前者の場合、最短1日で工事が完了しますが、後者は熱源機などの設置が必要になるため、2〜3日かかることもあります。

【全面張り替え】床を剥がして全面工事

既存の床を撤去し、床下にパネルを埋め込み、その上から新しい床材を設置します。全面張り替えの費用相場は、1畳あたり約8万〜11万円です。10畳のお部屋をリフォームする場合、だいたい56万~77万円の費用がかかります。

張り替えのメリットは、室内に段差が生じないことです。全面フラットになるため、お子さまの転倒リスクが軽減されます。費用は割高ですが、和室を洋室に一新するリフォームや、住宅のバリアフリー化のタイミングで行う機会が増えています。なお、工事期間は電気ヒーター式で最短1日、温水式で3〜4日が目安です。

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浴室に床暖房を設置してヒートショックを緩和

浴室に床暖房を設置するリフォームも人気です。そのメリットは以下となります。

・足元が常に暖かい
・床が素早く乾燥するため、カビの繁殖を防げる
・温度差を起因とするヒートショックを緩和

特筆すべきは、室内の温度差を起因とするヒートショックの緩和です。特に冬場はリビングが暖かく、浴室は寒いことが多いため、ヒートショックが起きやすい時期といえます。健康被害を未然に防ぐためにも、できるだけ浴室は床暖房化したいところです。ただ、自宅の浴室が「ユニットバス」と「在来工法」どちらかによって、施工内容や工費・工期が変わります。

ユニットバスとは、壁・床・天井・浴槽などがすべて一体型となった浴室を指します。現在分譲されるマンションは、そのほとんどがユニットバスです。したがって、床暖房を設置する際は、既存の浴室を工事し、床暖房機能を備えたユニットバスに交換しなければなりません。一方の在来工法は、職人が浴室を一つひとつ作り上げていく工法のことです。壁・床・天井・浴槽が独立しており、「完全オーダーメイドの浴室」といえば、わかりやすいでしょう。これらを踏まえたうえで、ユニットバスと在来工法の工費・工期の違いご覧ください。

リフォームの種類工費工期
ユニットバス(オプション費用)10〜15万円前後2〜3日
在来工法15〜25万円前後2〜3日

注意したいのは、ユニットバスの工費が「本体価格とは別」である点です。ユニットバスの中心価格が50万〜100万円前後で、それに10万〜15万円前後が加算されます。また、在来工法は床の解体工事が発生する分、工費がやや割高です。トータル費用で比べると安く済みますが、工費自体に金額差あることを覚えておきましょう。

仕上げ材は複合フローリングだけでなく、無垢材の対応商品も!

近年は無垢フローリング対応の床暖房も登場しました。無垢材は、熱伝導率の低さから“自然の断熱材”と呼ばれます。床暖房と組み合わせることで、複合フローリングよりも早く、部屋の広範囲を温めることができます。床の断熱対策はいくつもありますが、「無垢フローリング+床暖房」の組み合わせはとくにおすすめです。

床暖房のメンテナンス方法や耐用年数は?

床暖房のメンテナンス方法や耐用年数は、システム別で異なります。まず、電気ヒーター式、温水式ともに日々のメンテナンスは不要です。耐用年数は30〜50年が目安で、イレギュラーな故障が発生しない限り、長期間使用できます。

ただ、温水式は給湯器などの耐用年数を考慮しなければなりません。給湯器の耐用年数は10〜15年ですので、床暖システムが寿命を迎える前にメンテナンスしたり、交換したりする必要があります。具体的には、給湯器が故障した場合の修理対応、不凍液の定期交換、本体の買い換えなどが挙げられます。

床暖房リフォームの注意点

床暖房リフォームを検討する際は、以下の注意点を意識しましょう。

・床暖房対応のフローリング材を選ぶ
・床暖房とは別で、温水配管や熱源機の設置が必要(温水式のみ)
・場合によっては断熱リフォームも検討する

意外と見落としがちなのが断熱リフォームです。そもそも断熱性の低い住宅では、床暖房の性能を活かせません。内壁に断熱材を入れる・サッシを交換する・二重窓を設置するなど、床暖房設置と同時にぜひほかの部分の断熱リフォームも検討しましょう。

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公開日 2020年5月29日
更新日 2020年11月27日

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