ふすまリフォームの基礎知識。張り替えやドアへの交換はいくらかかる?

ふすまリフォームの基礎知識。張り替えやドアへの交換はいくらかかる?

ふすまのリフォームは、和室の印象を変えるのに効果的です。「部屋がなんとなく薄汚れてきたな…」と感じたら、一度ふすまのリフォームを検討してみましょう。

ふすまの基礎知識

ふすまとは?

ふすまとは、木製の骨組みに和紙などを重ね貼りし、枠と引き手を取り付けた日本特有の建具(たてぐ)を指します。部屋と部屋の仕切りに使う建具であり、伝統的な日本家屋に欠かせないものです。その語源は「伏す間」、つまり寝室にあるとされます。

ふすまの特徴は、大きくわけて3つあります。

・空間を自由に仕切れる
・軽くて扱いやすい
部屋の印象を簡単に変えられる

ふすまはもともと、平安時代の建築様式である「寝殿造り」の家屋において、空間を仕切るために作られました。可動式かつ軽量で取り外しも容易であるため、部屋の広さを柔軟に変化させられる利点があります。

ふすまの種類と構造

ふすまには、以下のようにさまざまな種類が存在します。

・和ふすま(本ふすま)
戸ふすま
源氏ふすま
量産ふすま

ここでは、それぞれの構造や特徴についてご紹介します。

和ふすま(本ふすま)

中子骨と呼ばれる芯材に対し、茶ちり・銅張り・袋張り・ふすま紙など受け紙(下地材)、木枠・縁・引き手、そしてふすま紙を張り付けた伝統的なふすまです。「(※1)浮かし張り」という技法で、1枚ずつ職人の手作業によって作られます。

最大の特徴は、表面のふすま紙が簡単かつ綺麗に剥がれることです。お手入れしやすく、ふすま紙の張り替えも容易です。また、ふすま紙と受け紙の間に空気層があることから、量産ふすまに比べて断熱性に優れます。

※1.浮かし張り……紙の四方にのりを付け、太鼓のように浮かした状態で張り付ける技法のこと。袋張りとも呼ばれる

戸ふすま

戸ふすまとは、和室と洋室を仕切る際に設けるふすまのことです。芯材にベニヤ板を使用するため、表面を叩くとコンコンという音がします。通常、片面は壁紙などのクロス仕上げに、もう片面にはふすま紙を張ります。表面素材を変えることで、空間の違いを演出します。

なお、和ふすまに比べて重量があるほか、表面素材の違いから建具の反りが発生することもあります。

源氏ふすま

源氏ふすまは、表面の一部を障子窓にしたふすまのことです。採光性に優れる特徴があるため、茶室や奥座敷などの部屋に設けられます。また、障子窓は大きさや形、作り方によって印象が大きく異なるのが特徴です。いずれも意匠性が高く、芸術作品のような源氏ふすまも見られます。

量産ふすま

芯材にダンボールや発泡スチロールを使用することで、生産効率性を高めたふすまです。ダンボール製の量産ふすまを「ダンボールふすま」、発泡スチロール製のものを「発泡スチロールふすま」といいます。軽量で製造コストが安く、大量生産できる特徴があります。

近年の賃貸物件の和室では、そのほとんどで量産ふすまを採り入れています。コスト面のメリットがある一方、「耐久性に難がある」「ふすま紙を張り替えられない」「枠を外せない」などのデメリットもあります。

障子紙・ふすま紙の種類と価格相場

ふすま本体のみならず、ふすま紙にもさまざまな種類があります。ここでは、障子紙・ふすま紙の種類と価格相場の違いを見ていきます。

和紙と織物

趣のある絵柄のふすまは重厚感のある和室に。絵柄によっては軽やかで明るい雰囲気にもなるため、インテリアをイメージして選ぼう

ふすま紙は、一般的な「和紙」と糸の目を詰んだ「織物」に大別されます。それぞれ製紙原料や加工法、デザインによってグレードが変わります。

【和紙のグレード】

・本鳥の子:職人が(※1)手漉きで生産する最高級品

(参考価格:1枚あたり1万〜1万5000円前後)

・鳥の子:機械漉きが一般的だが、手漉きに近い風合いがある高級品

(参考価格:1枚あたり1500〜4000円前後)

・上新鳥の子:鳥の子の普及品。機械漉きで生産される比較的安価な中級品

(参考価格:1枚あたり1200〜2000円前後)

・新鳥の子:機械で一貫生産される廉価品

(参考価格:1枚あたり900〜1000円前後)

【織物のグレード】

・上級織物:ドビー糸などで目を詰んだ最高級品。絵柄は丁寧に手加工される

(参考価格:1枚あたり3000〜5000円前後)

・中級織物:レーヨン糸やスラブ糸などの意匠撚糸で織る中級品

(参考価格:1枚あたり2000〜2500円前後)

・普及版織物:レーヨン糸などで織る廉価品。スクリーン印刷機で絵柄を加工するものもある

(参考価格:1枚あたり1500〜2000円前後)

※1. 手漉き:機械ではなく手で紙を漉くこと。手漉きの和紙は高級品として有名

普通紙と強化紙

織物以外の障子紙・ふすま紙においては、一般的に使用される「普通紙」と表面強度を高めた「強化紙」の2種類があります。特筆すべきは後者であり、強化紙は普通紙に比べ、約5倍の強度を誇ります。紫外線カット・防炎・ひっかき傷防止などに特化した製品も販売されているため、家族構成やニーズに合わせて選ぶと良いでしょう。

ただし、表面強度が高い分だけ価格相場も割高となります。普通紙のふすま紙は、標準寸法品で1枚あたり1000円程度なのに対し、強化紙のふすま紙は1枚あたり5000~7000円前後です。

ふすまをリフォームするタイミングと工事費用の目安は?

使用環境や種類によりますが、ふすまの耐用年数は10年前後といわれます。そのため、状態の良し悪しに関わらず、10年程度でリフォームする方が少なくありません。

また、ご自宅のふすまが以下の状態にある場合、早めの交換・張り替えをおすすめします。

・前回の張り替えから10年経過している
・目立つ汚れや破れがある
・シミができている
・表面が色あせている
・ふすま紙のシワ、たるみが目立つ
・カビが生えている
・ふすまの枠が曲がっている(歪んでいる)

具体的な費用相場

ふすま交換・張り替えの具体的な費用相場は以下の通りです。

【ふすま交換の費用相場】

  • 天袋・地袋:6000~1万円前後
  • 押し入れ:1万~2万円前後
  • 間仕切り:1万2000~3万円前後

【ふすま紙の張り替え(片面)の費用相場】

  • 天袋・地袋:2000~1万2000円前後
  • 押し入れ:3000~2万4000円前後
  • 間仕切り:5000~4万円前後

このように、ふすまの位置や大きさ、交換・張り替えるふすま紙のグレードによって価格は変動します。より詳しい作業工程や、費用相場をケース別で見ていきましょう。

古いふすまを新しいふすまに交換

和紙と織物
市松模様×黒色の組み合わせがシックなふすま。和モダンな雰囲気に

ふすま交換の費用相場は、6000~3万円程度のお値段です。その内訳は「材料費+工事費+諸経費(廃棄費用など)」が一般的です。

なお、交換以外に修理・補修の依頼も可能です。DIYで穴・破れを補修することもできますが、美しい仕上がりを求める場合は、プロに任せるのが無難でしょう。

ふすま紙を張り替える

ふすま紙の張り替えには、既存のふすま紙を張り替える方法と、表面に新しいふすま紙を重ねる「重ね張り」の2種類があります。費用相場は6000~3万円前後となっており、ふすま紙のグレードや作業工程により変動します。

「浮かし張り」を用いる和ふすまは、既存の紙を剥がし、新しいふすま紙と張り替えられます。一方で、下地材を「(※1)ベタ張り」している戸ふすまなどは、その構造から木枠を外せなかったり、ふすま紙を綺麗に剥がせなかったりします。したがって、重ね貼りで対応せざるを得ません。

※1.ベタ張り……紙の全面にのりを付け、下地材全体に張り付ける方法のこと

ふすまを引き戸に交換

ふすまを引き戸に交換する場合、以下の2パターンが考えられます。和室を洋室にリフォームする際などの参考にしてください。

既存の枠を使用し、ふすまを引き戸に交換する場合

既存の枠を流用するパターンです。工事の必要がなく、枠の寸法に合う引き戸を用意するだけでリフォームできます。引き戸1枚あたりの価格相場は3万~10万円前後で、ふすまリフォームの中では安価です。ただし、隣室との間に段差がある場合は、段差を除去する工事が必要となります。見積もり段階でリフォーム会社にご相談してみましょう。

枠を新しく取り付けて引き戸を設置する場合

ふすまの鴨居と敷居を取り除き、新しい枠を取り付けるパターンです。大がかりな工事になるため、リフォーム会社に依頼するのが一般的です。リフォーム費用は引き戸の枚数によりますが、12万~15万円前後となります。

ふすまをドア(開き戸)に交換

和室を洋室に変更するときに行うリフォームです。ふすまをドア(開き戸)に交換する場合、扉1枚あたり7万~15万円前後の費用がかかります。ドアの大きさに合わせて壁を新設する必要があるため、大がかりな工事が必要です。ふすまのみを交換する例は少なく、部屋全体のリフォームと同時に行うことが多く見られます。

押し入れのふすまをクローゼットの扉にリノベーション

「押し入れが使いづらい」「押し入れの傷みがひどい」「和室から洋室に変更したい」などの理由から、押し入れをクローゼットにリノベーションするケースが増えています。ふすまを扉に変更するのはもちろん、内部は一度解体し、洋服用のハンガーパイプを取り付けます。

また内部を拡張し、ウォークインクローゼットに変更することも可能です。扉の本体価格や解体費、諸経費を含めて約7万~30万円程度でリノベーションできます。

ふすまをおしゃれにDIY!壁紙を貼るリメイク方法

最後に、ふすまのDIYテクニックについてお話します。ふすまの種類を見極めたうえで、ふすま紙の張り替えや、壁紙の重ね張りに挑戦してみましょう。

ふすま紙の張り替え方・壁紙の貼り方

ふすまのDIYにおいては、既存のふすま紙に新しいふすま紙・壁紙を重ね張りして問題ありません。ただし、明らかな破れ・劣化が見られる場合は、リフォーム会社に張り替えを依頼するのが無難です。そのうえでDIYに取り組んでみてください。

ふすま紙の張り替え(重ね張り)方法は、以下の通りです。和ふすまの張り替えを例とします。

1.ふすまの高さを測る

2.枠と引き手を外す

3.下張り用のふすま紙をカットし、丁寧に張り付ける

4.ふすまの上にふすま紙を仮置きし、外周に沿ってカットする

5.下地材の上にのりを塗り、ずれないようにふすま紙を張る

6.枠を取り付ける

7.引き手を取り付ける

8.のりが乾燥するまで待つ

9.完成

綺麗に仕上げるコツは、ふすま紙の両側を引っ張りながら張ることです。内の空気がムラ・シワの原因となるため、刷毛を使いつつ、外に追い出すように張り付けてください。もし乾燥後にムラやシワが見られる場合は、湿らせた当て布の上からアイロンをかけましょう。

DIYでふすまに壁紙を貼るときの注意点

注意点は、大きくわけて2つあります。

・壁紙は「国産壁紙」を使用する
・ふすまの種類に合わせて「両面テープ」と「のり」を使いわける

壁紙には横幅約92cmの国産壁紙と、横幅約52cmの輸入壁紙の2種類があります。一般的なふすまの横幅は約90cmのため、国産壁紙なら1枚で事足ります。継ぎ目が発生しないため、慣れない方でも綺麗に重ね貼りできるでしょう。

また、重ね張りの場合は、ふすまの種類に合わせて「両面テープ」か「のり」を選択します。両面テープはふすまの種類に関わらず使用できますが、のりはダンボールふすまや発泡スチロールふすまには使えません。芯材自体が水分に弱く、ふすまが反ったり歪んだりする恐れがあるためです。ご自宅のふすまがどの種類かを見極めたうえで、適したものを使いましょう。

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公開日 2020年6月3日
更新日 2021年11月30日

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