戸建てのリノベーション、リフォームにかかる費用相場は? 建て替えとどっちがいい

新築よりも物件価格が安いため、中古の戸建て住宅を購入して自分好みにリノベーション、リフォームする人が増えています。
そこで気になるのが、戸建てをリノベーション、リフォームしたときの費用相場。また、どこをどのようにリノベーション、リフォームしたらいいのかわからないこともあるはず。
この記事では、中古の戸建て住宅をリノベーション、リフォームするときの費用相場とポイントも紹介します。
LogRenoveでは、築古の中古戸建を購入したユーザーを想定したオンラインセミナーを開催中。「建て替えるべきか? リフォームすべきか?」といった難しい悩みを解消していきます。
戸建てのリノベーションでできること
戸建てのリノベーション、リフォームは、自由度が高く、できることがたくさんあります。
- 屋根材の塗装や施工
- 外壁の塗装や張り替え
- 断熱性の高いサッシへ交換
- 断熱材を入れて断熱性能を向上させる
- 耐震補強
- ドアの交換
- 壁紙や床材の取り替え
- 水回り場所の移動
- 1階の天井を撤去して吹き抜けにする
- 敷地に余裕があれば増築する
- 二世帯住宅に改装する
- 和室を洋室に変える
上記のように戸建て住宅のリノベーションは、できないことのほうが少ないですが、平屋を2階建てに、2階建てを3階建てにするなど、建物の高さを変えることは原則、法規上できないことが多いです。
新築・建て替えとの比較
そもそも、すべて建て替えるか、リノベーションするかで迷う方も多いと思います。両者にはさまざまな違いがあり、特に費用と工期については大きな差があります。
リノベーション、リフォームの費用相場と工期
リノベーション、リフォームの費用相場は、規模や延床面積によって、かなり価格が異なりますが、だいたい300万〜2000万円くらいが相場です。
工事期間は、規模によりますが、1〜4ヶ月くらいが一般的です。
築10〜20年くらいの中古戸建てであれば、部分的なリノベーションだけで済むこともありますが、築20年以上になると、大掛かりな工事が必要になります。
自分にとって、建て替えとリノベーション、どちらがお得なのか。迷ったらまずはオンラインセミナーで情報を集めてみるといいでしょう。
新築・建て替えの費用相場と工期
新築・建て替えの場合は、工事を行う際、住宅のすべてを解体し、ゼロに戻した状態から建てていきます。
そのため、費用相場は1000万〜4000万円くらいと、かなり高額になります。
また、解体費や破棄費用なども必要となり、建て替え期間中の仮住まいの費用や引っ越し費用もかかってきます。
間取りやデザインに関しては、制限がなく、自由に設計することが可能です。工事期間は、4ヶ月〜6ヶ月ほどかかります。
リフォーム、リノベーション内容別の費用相場

中古戸建て物件の築年数や状態により、リノベーション、リフォームの規模も大きく変わってきます。
それぞれの費用がわかっていればどの程度予算を確保すればいいかわかって安心です。
一般的によく行われるリノベーション内容の費用相場について、適正価格をチェックしておきましょう。
間取りの変更
リノベーションで人気の高い間取り変更の費用相場は、20万〜350万円程度とかなり幅があります。
建物の構造体により、価格が大きく変わってくるため、既存の間仕切り壁を撤去する場合の費用相場は、一箇所につき10万〜25万円ほど。
間仕切り壁を新たに設置する場合の費用相場は、一箇所につきだいたい10万〜25万円です。
工事期間は、一般的には2〜6日ほどです。建物を骨組みだけの状態にするスケルトンリノベーションの場合は、工事期間が2ヶ月ほどかかります。
増築
戸建て住宅の増築は、さまざまなケースがあるため、増築工事の内容ごとに費用相場を見ていきましょう。
既存の窓などに、後付けバルコニーやベランダを増築する場合の費用相場は、だいたい30万〜50万円です。敷地内に、新たに部屋を増築する場合の費用相場は、200万〜250万円ほどです。
一般的なトイレの増築の費用相場は、だいたい120万円前後です。トイレの増築に関しては、水回りの工事も関係してくるため、増築する場所によっては、工事が大掛かりになることもあり、費用に差が出てきます。
耐震性を上げる

一般的な耐震性をあげるリノベーションの費用相場は、概算として120万〜150万円くらいです。
筋交いや接続用の金具を壁の間に取り付ける工事であれば、一般的には20万〜25万円程度で行えます。
耐震金具を柱・筋交い・土台に取り付ける工事は、設置する場所によって価格が変わってきますが、10個の金具の使用で、だいたい30万〜40万円が費用相場。
外壁に鉄筋ブレースやフレームなどの補強材を使用して、耐震性をあげる工事の費用相場は、だいたい50万円前後です。
また、外壁材を除去し、土台や柱に耐震パネルを取り付け、新たな外壁材をかぶせる方法の耐震リフォームの場合の費用相場は、概算として65万円前後。
瓦の屋根材を金属ルーフなどに葺きかえて、耐震性を向上させる工事は、足場を組む必要があり、大掛かりになるため、費用相場は一般的に80万〜120万円くらいと高額になります。
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断熱性を上げる
断熱性を上げる断熱リフォームは、床・床下、壁、天井、窓・玄関などで行われます。
一般的な戸建て住宅で、床・外壁・天井・窓の総合的な断熱リフォームを行う場合の費用相場は、350万〜600万円と言われています。
床・床下の断熱リフォーム工事の費用相場は、だいたい1㎡あたり3000〜5000円です。床下から断熱パネルを取り付ける工事になります。 壁の断熱リフォーム工事には種類があります。
壁のクロスなどを剥がして、室内側から構造材の間に断熱材を入れる「充填断熱」、外壁材を解体する「外張り断熱」(外壁張り替えリフォームと一緒に行うのが一般的)、断熱機能を備えた塗料を壁に塗布する「断熱塗装」があります。 それぞれの費用相場は下記のとおりです。
工事種類 | 1㎡あたり | 費用相場 |
壁(充填断熱) | 5000~1万円程度 | 50万~100万円程度 |
壁(外張り断熱) | 7000~9000円程度 | 70万~90万円程度 |
壁(断熱塗装) | 5000~8000円程度 | 80万~110万円程度 |
窓の断熱リフォーム工事には、複層ガラス窓への交換や、アルミサッシを樹脂サッシに交換する工事、内窓を取り付ける工事が想定されます。それぞれの費用相場は下記の通りです。
工事の種類 | 費用相場 |
複層ガラス窓への交換 | 1万~3万円程度 |
アルミサッシから樹脂サッシへの交換 | 3万~10万円程度 |
内窓を新たに取り付ける | 5万~12万円程度 |
吹き抜けにする
開放的な空間にすることができる吹き抜けリフォームも人気です。
吹き抜けをつくるリノベーション・リフォームの費用は、規模や建物の構造によって変動しますが、だいたい150万円前後が費用相場となっています。
とくに、柱や梁の位置や場所を移動させないといけない場合は、さらに費用が高額になることもあります。
吹き抜けにリフォームするには?工事費用、メリット・デメリットを解説
水回りを変える
キッチン・浴室・トイレ・洗面台など、水回りの設備交換も人気の高いリノベーションです。それぞれの相場を見ていきましょう。
キッチン

キッチンをリノベーションする場合は、だいたい75万~250万円程度が費用相場とされています。内訳は下記のようになります。
購入品・工事内容 | 費用目安 |
キッチン本体 | 50万~100万円程度 |
オプション費用(食洗器・浄水器付き水栓・スライド収納など) | 10万~30万円程度 |
既存キッチンの解体・処分 | 10万円程度 |
キッチンの取り付け工事 | 10万円程度 |
電気配線工事 | 3万円程度 |
浴室

浴室をリノベーションする場合は、だいたい80万〜300万円が費用相場とされています。内訳は下記のようになります。
購入品・工事内容 | 費用目安 |
浴槽本体 | 40万〜130万円程度 |
オプション費用(シャワーヘッド交換や浴室暖房乾燥など) | 1万〜30万円程度 |
既存浴室解体処分 | 10万円程度 |
ユニットバス取り付け工事 | 10万円程度 |
給排水管工事 | 3万円程度 |
電気配線工事 | 3万円程度 |
洗面台・トイレ
洗面台をリノベーションする場合の費用相場は、だいたい30万〜60万円になります。本体価格やそれぞれの工事費用は下記のとおりです。
購入品・工事内容 | 費用目安 |
洗面台本体 | 20万〜60万円程度 |
オプション費用(シャワーヘッド取り付けや水栓変更など) | 5000〜5万円程度 |
既存洗面台解体処分 | 5万円程度 |
洗面台取り付け | 5万円程度 |
給排水管工事 | 5000円程度 |
工事電気配線工事 | 5000円程度 |
トイレをリノベーションする場合の費用相場は、20万〜50万円程度になります。本体価格やそれぞれの工事費用は下記を目安にしてください。
購入品・工事内容 | 費用目安 |
トイレ本体 | 20万~40万円程度 |
オプション費用(自動洗浄機能など) | 1万~2万円程度 |
既存トイレ解体処分 | 2万円程度 |
トイレ取り付け工事 | 3万円程度 |
給排水管工事 | 1万円程度 |
水回りリフォームの費用相場と注意点――セットでリフォームすると安い?
さらに気になる部分があれば、リノベーション専門家があなたの疑問や質問に無料でお答えします。
リノベーションのローンについて
大掛かりなリノベーションをする場合は費用が高額になることも。自己資金だけでまかなうのが難しい場合、リフォームローンを組むことができます。
リフォームローンには「無担保型」と「有担保型」の2種類があり、それぞれの借入額と金利は下記が目安です。
無担保型 | 有担保型 | |
借入額 | 約500万~1000万円 | 約1000万~1億円 |
返済期間 | 最長10~15年 | 最長35年 |
金利相場 | 約2~5% | 約1~2% |
上記の他に、これから中古物件を購入する予定の場合は、購入時の住宅ローンにリノベーション費用を含めることもできます。
リフォームローンと比べると金利が安く、審査や手続きもまとめてしまえるのでおすすめです。
リノベーションのローンの選び方とは?住宅ローンとリフォームローンを徹底比較
中古戸建てリノベーションのメリット・デメリット
戸建て住宅のリノベーション、リフォームがおすすめな理由として、さまざまなメリットがあります。
メリット1:物件価格が安い
国土交通省の平成29年度住宅市場動向調査では、中古戸建て住宅の平均購入価格は2857万円であるのに対し、新築の注文住宅の平均購入価格は4334万円。
また、一般的に中古戸建て住宅は、築年数が古い物件ほど、その価格が安くなる傾向にあります。
築20年で建物の価格がほぼゼロの底値まで下がってしまっているため、将来的に売却を検討している場合でも、損してしまうことがありません。
予算が少ない場合は古い物件を狙った物件探しもひとつの案として有効です。
メリット2:物件の数が充実
中古戸建て住宅は、物件の数が豊富で、選択肢が広くなるのもメリットです。
中古戸建て住宅は、すでに建物が建っているため、立地条件のいい物件が多いという特徴があります。
新築のように土地から探す必要がなく、駅近だったり、都内へアクセスしやすかったりする好立地な物件の中から選べるというメリットがあります。
メリット3:理想的な住宅を実現できる

中古戸建て住宅を内装や外観までフルリノベーションすれば、まるで新築のように自分好みの理想的な住宅に仕上げられます。
暮らしに合わせた間取りにリノベーションしたり、浴室やキッチンも機能性が高く、使いやすいものに変更したりと、自由に住宅のデザインを行うことができます。
もともとの住宅の良さを活かしながら、気になる部分だけ理想的なデザインにリノベーションすれば、工事費用も抑えることができます。
デメリット1:工事費用が高額になることもある

物件によっては、リノベーション工事費用が高額になることもあり、新築と価格がほとんど変わらなくなってしまうことも。
耐震補強したり、断熱材を使用したり、サッシ交換が必要だったりと、思っていたよりも修繕する箇所が多かったりする場合も。
水回りや配水管などが劣化していると、それらの工事費がかなり高くなってしまうケースも少なくありません。
素人では良質な物件かどうか見分けることは難しいため、注意が必要です。
【リノベの失敗談】こんなリノベーションは失敗する?成功する人との違いとは
中古住宅購入の失敗例と選び方のコツ。リノベーションする前提の場合、見るべきポイントは?
デメリット2:思いどおりにリノベできない可能性も
中古戸建て住宅の構造や形状によっては、理想どおりのリノベーション、リフォームが実施できないこともあります。
日本の古い家屋に多い「木造軸組工法」は、柱や梁、筋交いによって建物を支えているため、間取り変更がしやすく、リノベーションに適していると言えます。
一方で「ツーバイフォー工法」や住宅メーカー独自の工法で建てられた物件は、建物の基礎部分に影響が及ぶ場合は間取り変更ができないこともあります。
リノベーション目線での物件選びは素人目には難しいため、不動産紹介とリノベーションをワンストップで対応できるリノベーション会社を選べば安心です。リノベーションのノウハウを持った不動産会社であれば、リノベーションに適した物件を提案してくれます。
※ ※ ※
建て替えるべきかリフォームで対応すべきか、最終的な判断は専門家に委ねたほうがいいですが、検討するうえである程度の知識はもっておいたほうが無難。適切な判断ができるはずです。中古戸建の住まい方に悩んでいる方に向けて、下記のようなオンラインセミナーも開催しています。参考にしてください。
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公開日 2020年5月15日
更新日 2021年3月13日
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