住宅ローンの借り換えにかかる手数料や諸費用の内訳は?確定申告は必要?

住宅ローンの借り換えにかかる手数料や諸費用の内訳は?確定申告は必要?

住宅ローンの借り換えにかかる諸費用の内訳をチェック!

【アドバイザー:株式会社クロニクル 清水貴寿さん】1985年生まれ、中途採用でプロポライフグループへ入社。10年以上不動産営業の経験を積んで、現在は株式会社クロニクル・東京日本橋ショールームにて勤務

新規で住宅ローンを組むときに手数料や諸費用がかかることはご存じかと思いますが、借り換えるときにも同様に費用がかかることは意外に見逃しがちです。ここでは、住宅ローンを借り換えるとき実際にどんな費用がかかるのか、費用の目安とともにご紹介します。

【印紙税】

住宅ローンの申し込みをする際にはさまざまな書類を用意することになります。物件の売買契約書や住宅ローンの契約書など、書類の中には印紙を貼らなければならないものが多く、そこで必要になるのが印紙代、つまり「印紙税」です。

住宅ローンに詳しい清水さんによると、

ネットの場合、店頭に伺って書面で契約をすることがなく、オンラインで金銭消費貸借契約を行うことが多いネット銀行の場合はこの印紙税がかかりません。書面での契約の場合、契約書に印紙を貼付する必要があるからです

とのこと。ちなみに、ローンの借り入れ額によって印紙税の金額は変わります。例として1000万円以上5000万円以下の場合は2万円、5000万円超1億円以下の場合は6万円といった金額になります。

【保証料】

諸費用の中でも高い割合を占めるのがこの「保証料」。ローンを組んだ人が万が一、返済が難しくなった場合、保証会社が代わりに金融機関に支払うという仕組みがあります。連帯保証人のようなものですが、住宅ローンを組むときにはこの保証会社との契約を条件にしている金融機関も多く、そのために支払うのが「保証料」というわけです。

この仕組みの取り入れ方は金融機関によってさまざま。住宅ローンに詳しい清水さんに詳しく話を聞いてみると……

たとえば、りそな銀行は、「保証料型」と「手数料型」を採用しています。「保証料型」は繰り上げ返済をすると繰り上げした分戻ります。「手数料型」は融資額の 2.2%かかりますが、一時金ですので、繰り上げ返済をしても戻りはありません。繰り上げ返済をしたら戻りがある「保証料型で0.52%」と繰り上げ返済をしても戻りがない「手数料型0.47%」であれば、手数料型のほうが金利が低いわけです。ですが、融資額にもよりますが、総額を計算し、何年かで繰り上げ返済をすれば「手数料型」との金利差よりも保証料の戻り分が多い、となれば「保証料型」を選んだ方がよいといえるでしょう

ちなみに、清水さんによれば、「京葉銀行など、保証会社を介さないために保証料がかからないといった金融機関もある」とのこと。さらにフラット35でも保証料は不要です。

【事務手数料】

事務手数料とは、住宅ローンの申し込みや審査、契約などさまざまな業務で発生する事務手続きのために必要な手数料のこと。「融資手数料」「融資事務手数料」などと呼ばれることもあり、名称も金融機関ごとに異なります。

借入額に関係なく定額としている金融機関もありますし、借入額の2%など定率としているところも。金融機関によって異なります。ネット銀行では、借入額の2%程度というところが多いようです。例えば1000万円のローンを組むときに必要な事務手数料は、1000万円×2%=20万円ということになります。

【全額繰り上げ返済手数料】

「全額繰り上げ返済手数料」は、現在の借り入れ先に支払うもので、借り入れをしている住宅ローンを全額繰り上げ返済することで必要になる手続きです。清水さんによると、必要となる費用の目安は、「司法書士に対して支払う抹消費用が1万円~3万円 と、繰り上げ返済当日までの利息(組んでいるローンの額による)を合わせて、3万円~5万円程度」とのこと。住所の変更が必要な場合は別途費用が必要になるようです。

【抵当権設定費用・抵当権抹消費用および、司法書士への報酬】

住宅ローンを借り換えるときには、いま返済している住宅ローンについて登記されている抵当権を抹消し、新たにローンを組む住宅ローンの抵当権を設定するという登記が必要となります。

「抵当権抹消費用」「抵当権設定費用」は、借り換え先の金融機関にこの抵抗権を移管するときにかかる費用のこと。一般的に登記費用というのは、これら2つの費用のことを指します。登記にかかわる業務は通常、司法書士に依頼することになるので、司法書士報酬もかかります。

費用の目安としては、抵当権の抹消の登録には不動産1つにつき1000円。新たに抵当権を登録するのにかかる費用として借入額×0.4%、司法書士への報酬が3万~10万円程度。これ以外に登記簿上の住所と現住所に差異があると住所変更の登記が必要になり、手続きとしては 1万円程度とのこと。

ちなみに「司法書士に報酬を払いたくない」という場合、自分で手続きをすることは可 能なのでしょうか?

基本的に金融機関を通す(融資を利用する)場合は銀行指定の司法書士または買主が指定する司法書士を利用する必要があります。というのも、抵当権設定登記をミスすることは許されないからです。万が一ミスした場合、再度登記申請をしたとしても再申請までは無担保で融資したことになり、大問題となってしまいます。

【団体信用生命保険料】

団体信用生命保険料とは、住宅ローンの契約者が、万が一死亡やケガなどで返済ができなくなってしまったときにローンを一括で返済するための保険で、住宅ローン専用の生命保険のようなものです。

ほとんどの金融機関では加入を必須としていて、住宅ローンとセットになっているのが一般的。そのため、住宅ローン借り換えの際には、新たに団体信用生命保険に入ることになります。最近はがんや三大疾病の特約がついた団信もあるので、借り換えを機に保証を充実させるということも可能です。

手数料・諸費用の支払い方法

紙幣を数える男

これまでみてきたように、住宅ローンを借り換えるときには手数料や諸費用がかかることがわかりました。多くの場合50万円から60万円ほどであるケースが多いのですが、中には100万円近い金額になってしまうこともあり、少ない金額ではないですよね。ではこの手数料や諸費用の支払い方法についてご紹介します。

預貯金などの自己資金から

預貯金に余裕がある場合は、自己資金から支払うのベスト。手数料を差し引いた金額でローンを組めば、ローン残高が少なくなるというメリットがあります。

住宅ローンに上乗せする

諸費用は大きな金額なので、自己資金でまかなうのが難しいという人も多いかもしれません。現金を用意できる人でも、手元に残しておきたい場合もあるかもしれません。その場合、諸費用をローン残高に上乗せする形で借り入れができる金融機関があります。

ローン残高によっては上乗せして借り入れること難しいケースもあります。その場合に利用するのは「諸費用ローン」。上乗せパターンに比べるとやや割高になってしまいますが、短期間で返済するという選択肢もあります。現金での支払いと比較すると、いずれの場合も金利を支払うことになることを頭に入れておきましょう。

保証料を内枠方式で支払う

従来、保証料はローンを組むときに一括で支払いう「外枠方式」が一般的でしたが、金利に上乗せして少しずつ支払っていく「内枠方式」という方法もあります。内枠方式を利用すると、住宅ローンの金利に保証料の分がプラスされるので、実質的に金利が高くなってしまい、結果として総返済額も増えてしまうというデメリットがあります。総支払額を減らすことや、毎月の返済額を減らすことが目的の場合は注意が必要です。

保証料や事務手数料が安い住宅ローンを利用する

諸費用や手数料のうち、大部分を占めるのが保証料と事務手数料になります。これだけで数十万円です。金融機関によっては、保証料や事務手数料を安く設定している宅ローンもあります。中には保証料がない金融機関もありますので、ぜひ利用したいですね。とはいえ、保証料が無料でも、逆に手数料が高い住宅ローンもあるので、必ず保証料と手数料の両方をチェックしましょう。

ちなみに、どの支払い方法がおすすめなのか、清水さんに聞いてみると、

①保証料や事務手数料が安い住宅ローンを利用する
②預貯金などの自己資金から
③住宅ローンに計上する
④保証料を内枠方式で支払う

の順だそうです。支払いについて悩んだらぜひ参考にしてください。

住宅ローン借り換えの際には控除の適用条件に注意

住宅ローン借り換えの際に気になるのが住宅ローン控除のこと。借り換え後の確定申告や年末調整についても、どのようにすればよいのか、手続きについてご紹介します。

借り換え後の年末調整と確定申告について

そもそも、住宅ローン控除とは?年末調整とは?確定申告とは?今さら聞けない基礎知識についてのおさらいから。

住宅ローン控除(減税)の正式名称は「住宅借入金等特別控除」。住宅購入のためにローンを組んだ人が対象で、ローン残高に応じた一定の金額が所得税から差し引かれ、還付される制度です。12月31日時点の住宅ローンの残高の1%相当額(最大40万円)が所得税から控除されることになっています。

新規でも借り換えでも、住宅ローン控除を適応してもらうためには、年末調整や確定申告が必要です。年末調整は会社が納税しすぎた所得税を返してもらうための申告。確定申告の還付申告も同じです。ちなみに、はじめて控除を受けるときは最初の1年目だけ、年末調整ではなく、自分で確定申告をしなければならないので、手続きを忘れないように注意しましょう。2年目以降は年末調整だけで控除が適用されます。

住宅ローン控除が受けられる期間は10年間。住宅ローンの借り換え前も含めての期間となります。借り換えをしても控除期間は延びませんのでご注意を。なお、借り換え前と比較して借入金額が増えた場合は措置がありますので、こちらも注意が必要です。

住宅ローン控除を受けられる条件

住宅ローン控除を受けるためには「一定の条件を満たしている」必要があります。控除の対象となる住宅の条件について詳しくご紹介します。

新築物件の場合、控除対象の条件となるのは次のとおりです。

・借り入れをした人の合計所得金額 が3000 万円以下であること
・借換え後のローン返済期間が 10 年以上
・登記簿面積(内法)が50平方メートル以上
・床面積の2分の1以上が住宅ローン利用者の居住スペースであること

中古物件の場合は、築年数や耐震性能が最新の建築基準法を満たしていることや、贈与された住宅でないことなども条件に入ります。

ここまでは新規で住宅ローンを組むときの条件と同じですが、住宅ローン借り換えの場合、さらに次の条件が追加されます。

・借り換えで組む住宅ローンは、これまでの住宅ローンの返済のためであること

たとえば、住宅ローンの借り換えでローンの返済期間を10年以下に設定したら控除の対象外になってしまうということ。繰り上げで返済を行う際にも注意が必要です。

例を元にシミュレーション!諸費用の総額目安は?

これまで住宅ローン借り換えにかかる諸費用や手数料についてみてきました。では具体的に総額でどれほど必要なのか、試算してみましょう。

ローンの残高3000万円、返済期間25年の場合を例に計算をしてみます。 

諸費用一例
印紙税20,200円
保証料約517,620円 ※金融機関による
事務手数料約33,000円 ※金融機関による
全額繰り上げ返済手数料約55,000円 ※金融機関による
抵当権設定費用約400,000円 ※借入額による
抵当権抹消費用約20,000円
団体信用生命保険料0円
火災保険料0円 ※引継ぎ
合計1,045,820円

おおよそではありますが、計算をしてみると約100万円という結果になりました。住宅ローン借り換えを検討する際には、これだけの金額を支払ってでも損しないだけの金利差があるかどうかなど、しっかりと試算してシミュレーションしましょう。

公開日 2020年5月13日
更新日 2020年10月22日

#費用, #ローン

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