住宅ローンを組むときの年齢の目安は何歳?年齢上限はある?

住宅ローンを組むときの年齢の目安は何歳?年齢上限はある?

住宅ローンの審査項目のひとつに「年齢」があります。長い期間にわたって返済し続ける住宅ローンに年齢制限があるのか、何歳までに組むべきかを解説します。また、老後破産しないための対策や定年退職後の負担を軽減するための方法を紹介しますので、自分のライフプランに最適な選択肢はどれか、選ぶときの参考にしてみてください。

「住宅ローンは45歳がタイムリミット」「50代になると家が買えなくなる」といった話はよく聞きます。年齢と家の話は気になりますよね。下記のオンラインセミナーで、実際には何歳まで住宅ローンは借りられるのか、40代で住宅ローンを借りる場合の注意点、といったミドル世代が気になる話題を中心にお届けしていきます。

住宅ローンを組める年齢の上限

住宅ローンを組むためには、仮審査と本審査という2段階の審査をクリアする必要があります。そこでは「返済能力があるか」をチェックされますが、項目のひとつに「年齢」があります。住宅ローンを組むことができる最低年齢、最高年齢はそれぞれ金融機関が設定していますが、ポイントになるのは借入時年齢と完済時年齢、そして返済期間です。つまり、設定した期間内に返済する能力があるかを借り入れ時に判断されるというわけです。一般的に最低年齢は20歳、最高年齢は70歳までと決められていることが多いです。

家を購入した人の平均年齢

国土交通省が公開している「平成30年度住宅市場動向調査」によると、家を購入した人の平均年齢は、注文住宅で44.1歳となっています。30歳未満が10.4%、30代が38.6%、40代が21.6%、50代が11.2%、60代が18%となっていて、平均こそ40代であるものの、もっとも多いのは30代であることがわかります。

35年の住宅ローンの年齢上限

幅広い年代の人が住宅を購入していることが分かりましたが、長期にわたって返済していく住宅ローンの特徴を考えると、何歳でもOKというわけにはいきません。たとえばフラット35を例にみてみると、借入可能年数は、「80歳-申込時の年齢(1年未満切上げ)」(最大35年まで)というルールになっています。たとえば現在50歳であれば、「80歳-50歳=30年」となり、最長でも30年間の借り入れとなります。35年のローンを組むためには45歳まで。45歳以上の人が住宅ローンを組む際は注意が必要です。

住宅ローンは70歳まで組める

住宅ローンを組むのに年齢制限はあるのでしょうか。金融機関によって設定している年齢は異なりますが、たとえばフラット35では申込時の年齢が「満70歳未満の方」となっています。大手金融機関では70歳までとしているところが多く、中には完済時80歳未満としているところもあります。

40代以降で住宅ローンを組む場合の注意ポイント

70歳までローンが組めるといっても、高齢からの住宅ローンを推奨しているわけではありません。年齢的に余裕があれば、無理のない返済計画を立てられますが、40歳以降になると完済までの期間が短くなりがち。親の介護や子どもの教育費、自分の病気などで想定外の出費や不測の事態が重なって計画が狂ったとき、返済計画を立てなおすのも困難です。高齢であればあるほど、健康状態に不安も出てきます。借入金は適正か、完済時期までに余裕があるか、いざというときの貯蓄があるかなどを考え、あらゆるリスクに備える必要があります。

あわせてオンラインセミナーでも、40代で住宅ローンを借りる場合の注意点を中心に、「40代と住宅ローン」の話題をお届けしています。

住宅ローンの審査が通りやすい年齢は?

完済年齢が65歳で、他の審査項目に問題がなければ、40代以降でも住宅ローンを借りられる
完済年齢が65歳で、他の審査項目に問題がなければ、40代以降でも住宅ローンを借りられる

高齢で住宅ローンを組む場合、ローンの審査や条件が厳しくなるのでは?と気になる人も多いかもしれません。審査を受けるにあたり、年齢はどの程度気にする必要があるのでしょうか。

国土交通省の「民間住宅ローンの実態に関する調査」によると、約98%の金融機関が「融資を行う際に考慮する項目」として「借入時年齢」と「完済時年齢」を挙げています。その他、「担保評価」や「勤続年数」、「年収」もほとんどの金融機関で審査項目になっています。ちなみに最も高い割合となっているのが「健康状態」。高齢になるにしたがって健康状態に不安が出てくるので、金融機関は年齢にかかわる事項を重視していることが分かります。住宅ローンを組むためには「団体信用生命保険」に加入することが義務付けられています。いわゆる住宅ローンの生命保険のようなもので、健康状態に問題があれば入ることができません。

一般的に65歳まで働く人が多いことから、完済年齢が65歳だと銀行の審査にも通りやすいと言われています。年齢的にはやはり、完済時の年齢が高くない方がリスクが少ないとみなされ、審査には通りやすいといえるでしょう。金融機関は、退職時期や退職金の推定額、退職後も仕事を続けられるかどうかなど、厳しく判断するので、完済時の年齢を低く設定することが審査に通りやすくなるポイントだといえそうです。

とはいえ、金融機関が審査をとおしてみているのは、あくまで「返済能力があるかどうか」。健康状態に問題がなく、安定した収入や借入額に見合った年収があり、過去に滞納事故を起こしていないなど、リスクが少ないかどうかをチェックしています。つまり、たとえ60代であっても完済できるとみなされれば住宅ローンの審査には通るわけです。

40~60代に組む住宅ローンで老後破産しないための対策

頭金をできる限り用意する

完済時の年齢を低く設定すると、どうしても毎月の返済額が大きくなって家計が破綻してしまいがち。無理のない返済をしていくためには、頭金の支払額をできるだけ多く用意しておくと安心です。若い世代とは違って計画的に貯蓄できているはず。多めに自己資金を準備し、借入額を最小限におさえれば、老後に破綻するリスクは少しでも減らすことができるでしょう。

退職金がいくらもらえるか確認し、返済可能な金額を借りる

20~30代に比べると、40~60代は収入が多い世代です。そのぶん金融機関の条件をクリアすれば、融資金額は多くなりがちなので、購入する住宅の金額も上がってしまうというケースがあります。

借入時の収入が高くても、子どもの教育費がかかるなど出費も多い時期で、退職までの期間が短いことを忘れてはいけません。完済が定年後になる場合は、退職金の額も正確に把握しておくこと。借り入れた大金を本当に返済できるのか、資金計画は入念に立てて、試算することをおすすめします。大切なのは「融資可能額」ではなく「返済可能額」をみるということです。

バリアフリー住宅を検討する

高齢になっても住み続けることを考えるなら、「バリアフリー住宅」を検討するのもひとつの方法です。一定の条件を満たし、住宅をリフォームすることで利用できる減税制度があり、多くのバリアフリー住宅への改修工事が対象となります。

リフォーム減税制度には、所得税から一定額が控除される制度と、住宅にかかる固定資産税の一部が減額される制度があるほか、国や自治体からさまざまな補助金を受けることもできます。事前に申請が必要な制度もあるので、まずはどんな制度が利用できるのか、必ず改修前に確認しておきましょう。

定年退職後の負担を楽にする方法

定年退職後の負担を楽にする方法
定年退職後に備えて、資産形成は計画的に。自分に最適な方法を選ぼう

繰り上げ返済をして借入期間を短縮する

住宅ローンの返済中に、まとまった資金を使って残額の一部や全部を返済することを繰り上げ返済といいます。残額をすべて一括で完済してしまう「全額繰り上げ返済」と、残額の一部を返済する「一部繰り上げ返済」があります。前倒して返済することで、そのぶん支払う利息が減るので、予定していた総返済額と比べて返済額を減らすことができるのがメリット。借入期間を短縮できるので、将来のライフプランや老後資金にも余裕がうまれます。繰り上げ返済は、繰上げ時期が早いほど、金利が高いほど、残高が大きいほどメリットが大きいです。また、タイミングによって利息軽減額も変わってきます。老後の負担を考え、資金に余裕があるときは是非はやい時期に検討したい制度です。

リバースモーゲージを利用する

リバースモーゲージとは、自宅を担保にし、住み続けながら融資を受けることができるシニア向けのローンです。元本と利息を毎月返済する住宅ローンに対して、リバースモーゲージでは、返済するのは利息のみ。元本の返済は死亡後あるいは契約期間終了後で、担保である不動産を売却することで一括返済することが前提です。返済の負担が少なく、自宅に住み続けることができるなど、年金生活者にとってはメリットが大きいリバースモーゲージ。取り扱う金融機関は年々増えているので、検討してみてはいかがでしょうか。

リレーローン・親子ペアローンを利用する

親子で協力して住宅ローンを組むという方法もあります。検討したいのは「リレーローン」と「ペアローン」。リレーローンは、たとえば親が80歳まで返済し、その後は後継者である子どもが引き継ぐという返済方法。ペアローンは、親子ふたりで借り入れ金額を分担して別々にローンを組む方法で、お互いに連帯保証人となり住宅は共有名義となります。リレーローン、ペアローンともに、親子間でしっかりとした話し合いが必要ですが、互いにメリットを感じられるようなら利用する価値のあるローンです。

住宅ローンの借り換えの年齢制限

新規で組む時との審査基準の違い

住宅ローンの借り換えをするときの年齢は、新規でローンを組むときより高くなる傾向があるので、やはり年齢制限が気になります。審査の基準や項目は、完済時の年齢や健康状態、安定した収入など、新規でも借り換えでもほぼ同じと考えていいでしょう。注意すべき点があるとすれば、返済中であるローンで滞納事故などを起こしていないかということと、担保である物件の価値、そして団体信用生命保険(団信)です。

これまで住宅ローン以外のローンでも滞納することなく返済を続けてきたかどうか。そして、担保評価が出ないとローン残高の満額分の融資をうけられず、新たに自己資金が必要となってしまうので注意が必要です。さらに、借り換えの際には再度、団信に入りなおさなければなりません。健康状態に変化があった場合、購入時に加入できた団信に加入できない可能性もあるので注意が必要です。

65歳までに完済できれば……

住宅ローンを組むのに年齢は重要なポイントで分かりました。たとえ金融機関が80歳まで融資可能だとしていても、多額の融資を受けられるとしても、返済計画に無理があるなら考え直さなければなりません。借入時の年齢にかかわらず、一般的に理想といわれている完済年齢は65歳。年金生活であることを考えれば、65歳を過ぎてからたとえば月々10万円の住宅ローンを支払っていくのは避けたいと考えるのは自然なことでしょう。

住宅ローンを組むことはライフプランを立てるということでもあります。余裕をもった老後を過ごすためにも、30年先の人生のことを考え、無理なく返済ができるよう慎重にすすめたいですね。

公開日 2020年6月16日
更新日 2023年3月22日

#ローン

LogRenoveをフォローする

販売中のおすすめリノベ物件