住宅ローンの事前審査(仮審査)の基準、審査落ちの理由と対策は?

住宅ローンの事前審査(仮審査)の基準、審査落ちの理由と対策は?

住宅ローンの事前審査(仮審査)とは

住宅ローンを組むときに避けて通れないのが審査。審査には「事前審査」と本審査があり、どちらも通過しなければならないものですが、ここでは事前審査について詳しくみていきましょう。

住宅ローンを組む最初の一歩となる「事前審査」。「仮審査」や「簡易審査」などとも呼ばれることもあります。金融機関にもよりますが、審査期間はおおむね3〜4日ほど。翌日に結果がでるところもあれば、5日以上かかるところもあります。結果を急いでいる場合は、郵送よりもインターネットで事前審査を申し込める金融機関を選ぶといいでしょう。その後に本審査が行われますが、ここでは事前審査よりも詳しい書類をもとに返済能力があるかを細かに審査され、期間も1週間ほどと長くかかります。

住宅ローンの申し込みから借り入れまでの流れは次のとおり。

事前申し込み

事前審査

正式申し込み

本審査

住宅ローン契約締結

借り入れ

そして、事前審査に必要な書類は次のとおりです。

・仮審査の申込書

・本人確認書類(運転免許証など)

・収入が確認できる書類(会社員なら「源泉徴収票」、自営業者であれば「確定申告書の控え」)

・勤続年数を証明できる書類(健康保険証など)

・購入を希望する物件のパンフレットやチラシ、間取り図などが分かる資料など

まずは、事前審査を受けるため、それぞれの入手先で確認して書類を準備するところからはじめましょう。

住宅ローンの事前審査の基準

では、事前審査において、金融機関はどのようなことを基準としているのでしょうか。

金融機関は、審査基準を公開していないので、国土交通省の「民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書」を参考にしてみましょう。90%以上の金融機関が重視していると回答している項目は以下のとおりです。

・完済時年齢
・健康状態
・担保評価
・借入時年齢
・年収
・勤続年数
・連帯保証
・金融機関の営業エリア

事前審査では主に、ローンの契約者に返済能力があるかどうかがチェックされます。つまり、年収や健康状態などから住宅を返済する能力があるかにポイントが置かれています。ほかにローンの借り入れがあるかどうかもチェックポイント。過去にローンやクレジットの延滞歴がないかどうか、個人信用情報機関の情報から、信用すべき人物かを審査します。万が一、返済が難しくなった時に担保となる物件の価値はどれほどかを見ているということがわかります。どんなことをチェックされるのかがわかれば、事前に対策をすることができます。

審査落ちで考えられる理由

事前審査で落ちる理由としてはどんなケースが考えられるでしょうか。以下のような人は審査に通らない可能性が高いといえそうです。

・健康状態(病気の治療中であるなど)

・借入時と完済時の年齢(完済時の年齢が高すぎるなど)

・職業と勤続年数(短期間で転職を繰り返しているなど)

・返済負担率(借入金額に対して年収が少ないなど)

・個人信用情報(過去にローンの滞納歴があるなど)

住宅ローンを組むときには団体信用生命保険、通称「団信」がセットになっているのですが、健康状態が理由で団信に入れないとローンの審査も通りません。また、クレジットカードなどで返済を滞納したことがある人は、信用情報機関のCICの情報開示により、信用に値しないという評価になってしまいます。

判断材料は年収の額だけでなく「返済負担率」もみられます。購入物件に対して年収が十分にあっても、ほかに車のローンなどの借り入れがある場合は返済負担率が高くなるので注意が必要です。また、年収が十分であっても、収入が安定しない自営業や歩合制の仕事の場合には、将来の収入が見込めない可能性があるとしてチェックされることもあります。

住宅ローンの審査の際は、契約者の信用情報をチェックします。ほかのローンやクレジットカードの延滞歴がないかなどを調べ、過去に事故を起こしていないか調べられます。本人であれば、信用情報開示機関をとおして照会できるので、気になる人は、自分の信用情報を調べてみるとよいかもしれません。最近はインターネットでも請求できるので、不安がある人は事前に確認しておくといいでしょう。

事前審査を通すのにもう一度検討したいポイント

無理のない返済負担率か、趣味や老後資金の貯蓄にまわせるお金はあるかなども考慮しよう
無理のない返済負担率か、趣味や老後資金の貯蓄にまわせるお金はあるかなども考慮しよう

事前審査を通すために、申し込みをする前に確認しておくべきことがあります。ひとつずつみていきましょう。

無理のない返済計画、借入額か

返済を終えるのが高齢になる場合は返済期間を短縮できないか、借入額を減らすことで無理のない返済計画にできないか、再検討してみましょう。

頭金をできる限り用意

少しでも多く頭金を用意できれば、借入額や返済期間を減らすことができます。とはいえ、頑張りすぎてしまうと、いざというときに困ります。ある程度は手元に現金を残しておくことも必要です。

ペアローンや親子リレーローンをつかう

ペアローンとは、ひとつの物件に対して複数がそれぞれにローンを組み、互いに連帯保証人になるという方法。共働きであれば夫婦でローンを組むという手もあります。親子で一緒のローンを組み、二代にわたって返済していくのが「親子リレーローン」。将来、二世帯住宅にする予定があるなど、世代を超えて住み続ける物件であれば親子で協力するという選択肢もあるでしょう。

別の金融機関に申し込む時の注意点と対策

事前審査に落ちてしまっても、まだあきらめる必要はありません。ほかの金融機関にふたたび申し込むときの注意点や対策についてご紹介します。

そもそも、住宅ローンの審査は、同時に複数の金融機関に申し込むことが可能です。複数の金融機関にまとめて申し込みをしたほうが時間と手間が省けます。ひとつの金融機関で審査に落ちてから次を申し込む……を繰り返しているとローンを組むまでに時間がかかってしまいます。金融機関によって審査基準は異なるため、少しでも条件がよく希望に近い金融機関を探すほうが賢いやり方だといえます。

複数の金融機関に一括で申し込めるサービスもあります。インターネットや不動産会社経由で申し込め、金利や手数料などの比較も手軽にできるというメリットもあります。長期間にわたる付き合いになるわけですから、じっくり比較して吟味することも大切。一括審査のサービスに登録していない金融機関もありますが、ひとつの方法として覚えておくとよさそうです。

もし複数の金融機関の審査に通ったとしても、2つの金融機関から同時に融資を受けることはできません。逆に、「借りられるすべての金融機関から同時に借りよう」と考えていると思われることもないので、安心して複数の金融機関へ審査の申し込みをしても大丈夫というわけです。

借り換えでの審査基準のポイントは?

住宅ローンをすでに利用していて、返済残高が残っている状態で、住宅ローン内容を見直して、別の金融機関でローンを組みなおすことを借り換えといいます。審査は、住宅ローンを借り換えする際にも必要。新規借入の場合となにか違いがあるのでしょうか?

住宅ローンを借り換える際は、新規借り換えのときと違って物件の価値が下がっています。そのぶん、返済者の審査が厳しいといわれています。

車のローンや教育ローンなど、すべてのローンについての返済負担率についてみられます。借入額を決める際には、住宅ローン以外の借り入れがあるかどうかはポイント。例えば車のローンを先に完済してしまってから借り換えしたほうが、借入金額を増やすことができるでしょう。

借り換えの際も当然、「信用」は重要なポイント。これまで住宅ローンでの返済実績から、返済が遅延した過去があれば審査は通らないことになります。学生時代に借りた奨学金など、見落としがちなので申し込み前にしっかりチェックしておきましょう。

「団体信用生命保険」、通称「団信」についても注意が必要です。健康状態に変化があった場合、購入時には加入できた団体信用生命保険に加入できず否決となってしまう可能性があります。

もちろん、金融機関によって審査基準は違うので、新規のときに審査が通っていた同じ条件で、別の金融機関でも審査が通るとは限りません。

住宅ローン審査でのよくある質問

自営業者は審査が通りにくい?

フリーランスなど個人事業主は住宅ローンの審査に通りにくいといわれています。それは会社員と比べると、収入が不安定であるケースが多いため。審査を受けるときには「収入が安定している」ことが条件になります。ある1期だけ収入が高くても、直近で赤字があれば厳しい判断になるでしょう。「安定」とみなされるには、少なくとも3期くらいは連続で黒字である必要があります。

頭金なしでも住宅ローンは借りられる?

最近では頭金なしでもローンが組めるフルローンもありますし、諸費用も物件価格に含めて融資対象としてくれる金融機関もあるほど。頭金がなくても住宅ローンを借りることは可能です。ですが、頭金がまったく用意できない状況で住宅ローンを組むことはそもそもあまりおすすめできません。頭金がないと借りる金額が大きくなってしまうので、支払う利息も多く、結果的に総返済額が多くなりますし、毎回の返済額も当然多くなるでしょう。金融機関からすると延滞リスクが高いので審査も厳しくなります。自分の収入に対して無理のないローンなのかどうかを冷静に見極める必要があります。

奨学金は審査に影響する?

奨学金を返済中であっても住宅ローンを組むことは可能です。金融機関が審査のときにみているのは返済能力があるかどうか。奨学金があるぶん、審査が厳しくはなりますが、安定した収入があり、奨学金と住宅ローンの両方を返済する能力があると判断されれば大丈夫でしょう。ただし、奨学金の滞納歴がある場合は要注意。住宅ローンでも滞納リスクがあるとして判断に影響すると考えられます。

母子家庭・シングルマザーでも審査を通過できる?

ポイントさえおさえておけば、シングルマザーの世帯でも住宅ローンの審査を通過することは可能です。女性であること、母子家庭であることで審査が不利になることはありません。重要なのはここでも返済能力があるかどうかです。母と子の世帯では、非正規雇用である場合も多いと思いますが、住宅ローン審査で重要視されるのは安定した収入や勤続年数、健康状態など、ほかの多くの人と同じです。

いずれの場合も、もし条件に合う金融機関が見つからなければいくつかの金融機関に審査を申し込むとよいでしょう。目の前の住宅ローンを組むことだけが目的になっていないか、返済のシミュレーションをしてみると、希望している住宅ローンが現実的なものかを判断する材料にもなりますね。

公開日 2020年6月18日
更新日 2020年10月22日

#ローン

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