中古マンション×リノベーションを選ぶべき理由|メリット尽くしの住まいを選ぶポイント

中古マンション×リノベーションを選ぶべき理由|メリット尽くしの住まいを選ぶポイント

「費用を抑えて理想の住まいを実現できる」

こうした理由から今、新築マンションを購入するよりも中古マンションを購入してリノベーションする方が増えています。しかし中古マンションのリノベーションには様々なメリットがある反面、デメリットや注意すべき点もあります。ブームだからと容易に手を出しては「中古マンションのリノベーションなんてしなければ良かった」と後悔しかねません。

そこで今回は、中古マンションのリノベーションで後悔しないために、なぜ新築マンションの購入よりも中古マンションのリノベーションがおすすめなのか、メリットやデメリットを抑えた上で中古マンション購入時の注意点などを紹介します。本記事を読んで、中古マンション×リノベーションの実態を勉強していきましょう!

中古マンション×リノベーションがおすすめの理由

価格が高く、間取りや内装の自由が利かない新築マンションに比べ、中古マンションのリノベーションには以下のようなメリットがあります。

⦁ 費用を抑えられる
⦁ 好みの住まいが実現する
⦁ 資産価値が安定している

費用面や自由度などで両者を比較した場合、おすすめ度で軍配が上がるのは中古マンションのリノベーションと言えます。また新築マンションに比べて資産価値が下がりにくいのも中古マンションです。

費用を抑えられる

公益財団法人不動産流通推進センターによると、2020年8月時点の首都圏での新築マンションの平均価格は6011万円です。一方、中古マンションの平均価格は3644万円と、新築の2/3程度にとどまっています。また修繕や改修の規模にもよりますが、リノベーションにかかる費用は、一般的に700~1050万円程度と言われています。

そのため例えば中古マンションを平均価格である3644万円で購入して、リノベーションに1050万円かけたとしても総額は4694万円。つまり新築の平均価格よりも1000万円以上費用を抑えて、新居を構えることができる計算になります。

好みの住まいが実現する

新築マンションは間取りや設備が決まっているため、生活動線や好みなど、理想にぴったり合った物件に巡りあうのは至難の業です。一方、中古マンションを購入してリノベーションをする場合は、壁を壊して間取りを変更したり、設備を好みのものに新調したりできるため、理想の住空間を実現しやすいでしょう。

また駅や商業施設周辺などの利便性の高い土地には、すでに何かしらの建物があるため、新築マンションが建設されることは稀です。その点、昔からある中古マンションは好立地に建っていることが多く、通勤や通学にも便利な生活が望めるでしょう。

資産価値が安定している

マンションは戸建てと同様に、築年数が古くなるほど価値が下がります。しかし、マンションの場合は20~25年程度で価格の下落が落ち着く傾向にあります。なぜならマンションの価値を決めるのは「立地」と「物件の状態」だからです。

物件の状態によってはさらに資産価値が下がることも考えられますが、定期的に大規模修繕をしているマンションであれば、その点の心配はあまり必要ないと言えるでしょう。特に、購入時に底値を記録している物件の場合、大幅に価値が下がることは考えにくいでしょう。そのため万が一、将来的に手放すことになったとしても、中古マンションであれば購入金額と売却金額のギャップが少なく済むことが多いでしょう。

中古マンションをリノベーションするメリット

おすすめ理由の他にも中古マンションのリノベーションには以下のようなメリットがあります。

⦁ 選べる物件が多い
⦁ 環境を事前に把握できる

中古マンションは「築1年以上」もしくは「1回でも居住経験がある」マンションと定義されるため、新築マンションの建築が目減りしている中での両者の母数は倍以上の差があります。またすでに居住者がいる中古マンションに比べて、新築マンションは一斉に入居が始まります。そのため新築マンションの場合は、住民を事前に知ることが難しいですが、中古マンションの場合は下見の段階で、周辺環境の様子を伺いしることができます。

選べる物件が多い

国土交通省の統計によると、2019年時点での中古マンションの戸数は650万強あるのに対して、新築マンションの戸数は200万弱となっています。新築マンションに比べ、約3倍も中古マンションの供給があることになるため、中古マンションの方が必然的に選択の幅が広がります。

また先述しているとおり、中古マンションは好立地に建っている傾向にあります。そのため中古マンションにおいては、「好条件の物件の選択肢が豊富」とも言えるでしょう。

環境を事前に把握できる

新築マンションの場合、商談の段階で各部屋の契約者が決まっていたとしても、実際に居住する近隣住民を知ることができるのは、自分たちがマンションに引越した後です。わくわくした気持ちで新生活をスタートさせたのに、隣近所に問題がある人が住んでいたとなると、思い描いていた生活とはほど遠いものになることもありえます。

一方、中古マンションであれば、隣近所の部屋はすでに居住者がいる可能性が高いでしょう。そのため、下見の段階でどんな人が住んでいるのか伺い知ることができます。もし購入の候補にしていた部屋の近所に怪しい人を発見した場合は、候補から外せば良いだけの話です。中古マンションであれば、人間関係における余計なトラブルに巻き込まれる可能性を最小限に抑えることができるでしょう。

中古マンションをリノベーションするデメリット

中古マンションのリノベーションには以下のようなデメリットがあることも留意しておきましょう。

⦁ 耐震性に問題がある可能性
⦁ 住み始めるまで時間がかかる

築年数が古いマンションは新耐震基準に引っかかる可能性があります。またリノベーションは、物件を購入してから工事を行うので、どうしても住み始めるのに時間がかかってしまいます。引越し期限が決まっている人は計画的に物件探しからリノベーションを行うようにしましょう。

耐震性に問題がある可能性

中古マンションと一口に言っても築1年のものもあれば築40年以上のものも存在します。比較的新しいマンションであればあまり気にする必要はありませんが、1981年以前に建築されたマンションに関しては、現行の新耐震基準を満たしていない可能性があります。

耐震基準とは、地震が起きた際に「どの程度の震度であれば耐えられるか」を表した基準です。1981年以降に建築されたマンションであれば、「震度6~7の大規模地震が発生しても倒壊しない」新耐震基準が適用されています。しかし、1981年以前に建築されたマンションは、「震度5程度の地震に耐えられる」旧耐震基準を満たした建物になるため、万が一大規模地震が起きた際には安全面でいささか不安が残るところです。

ただし旧耐震性基準のマンションでも「耐震基準適合証明」があれば、新耐震基準並みの耐震性が期待できます。一方で新耐震基準を満たしているからといって、安心できるものでもありません。なぜなら耐震基準は建物自体の耐震性を表しており、立地など周辺状況の条件を加味していないからです。

例えば新基準を満たしていても地盤がゆるい土地に建っている場合は、地盤がしっかりした土地に建つ旧基準の建物に耐震性が劣ることもあります。そのため中古マンションを購入する際は、「耐震基準」と「地盤」を確認しておくようにしましょう。

 

住み始めるまで時間がかかる

新築マンションや戸建ての場合は、購入後すぐに住み始めることができます。一方、中古マンションを購入してリノベーションをする場合は、購入してから工事に入るため、入居までに時間がかかります。工事規模にもよりますが、一般的にリノベーション二かかかる期間は下記のとおりです。

⦁ 設計期間:2~3ヶ月
⦁ 工事期間:1~2ヶ月

短くとも購入から3ヶ月間は入居ができないため、引越しを行いたい日から逆算して計画的に物件探しを行う必要があります。

リノベーション向け中古マンション選びのポイント

リノベーションをするためには、以下のポイントを抑えてマンションを探しましょう。

⦁ 周辺環境
⦁ マンションの管理状況
⦁ ローンを組めるか

建物自体も大切ですが、生活しやすさを考慮して周辺環境を判断基準に入れるのも重要です。また資産価値を守るために管理組合が機能しているかどうかを知る必要があります。不動産会社に聞いても答え手くれないことも多いので、マンションの共用部分を見て管理状況を確認しましょう。

そしてマンションの資産価値を知ることも大切です。ローンの融資額は、イコール物件の資産価値とも言えます。資産価値が低い物件では思うような額を融資してもらえないため注意が必要です。

周辺環境

物件購入の際、スーパーや病院が近くにあるかどうかなどの立地的条件を確認する人は多いでしょう。しかし見逃してはいけないのが、下記のような項目です。

⦁ 騒音
⦁ 駐車場・駐輪場の利用
⦁ インターネット設備の有無

駅近物件の場合、場所によっては繁華街が近くに軒を連ねており、夜も眠らぬ街となる可能性があります。朝起きて夜寝る生活をするのであれば、騒音が気になって寝不足になるということも考えられるでしょう。そのため気になる物件の目星を付けたら、昼と夜、それぞれの様子を見に行ってみると良いでしょう。

そして車や自転車を保有している場合は、駐車場や駐輪場の有無を確認しておきましょう。またそれらがあったとしても利用枠が少なく、新規の住民は利用できないといったこともありえます。車の場合は、実際に住んでから車が停めにくいことに気付くこともあるので、道幅などの車の停めやすさにも注目しておきたいところです。

また現在、インターネットの利用は当たり前の時代ですが、インターネットは2000年代に入ってから普及しはじめた歴史の浅いツールです。そのため築20年を超えるマンションでは、構造上、インターネットを引けない可能性があります。自宅でのインターネット利用頻度が低い人は問題ないかもしれませんが、例えばテレワーク可能な仕事に就いている人などは、インターネット設備の有無も確認しておきましょう。

マンションの管理状況

マンションの管理状況
ゴミ置き場の清掃状況で、マンションの管理状態を把握できる

先述したとおり、マンションの資産価値は「立地」と「物件の状態」で決まります。そのため物件を選ぶ際は、以下のような項目に注目して、「物件の状態」をしっかりと管理しているかどうかの確認もしておきましょう。

⦁ 廊下やエントランスなどの清掃
⦁ 外観
⦁ ゴミ置き場

マンションの管理状態を把握するのに一番手っ取り早いのが、「廊下やエントランスなどが清掃されているかどうか」です。廊下やエントランスに風で飛ばされてきたチラシやホコリなどが溜まっている物件は、あまり管理状態が良いとは言えません。また同じ理由で「ゴミ置き場」の確認もしておきましょう。ただし毎日清掃を行っているマンションは稀です。購入までに何度か下見に訪れて、状況が変わらないのであればやめておいた方が良い物件ということになります。

またマンションは、12年に1度の頻度で大規模修繕をするように国土交通省から定められています。大規模修繕の対象は外壁やバルコニーなどの「共用部分」です。共用部分がボロボロになっている場合は、修繕が行われていないか、予算の関係上、修繕が追いついていない可能性があります。そのため、修繕積立金にも注目しておきたいところです。

修繕積立金の残高を確認するには、不動産会社を通して「重要事項に関わる調査報告書」を管理組合から取り寄せる必要があります。ちょうど修繕が行われたタイミングだと残高が減っていることもありますが、定期的にメンテナンスが行われているかどうかの判断基準にできるでしょう。

ローンを組めるか

中古マンションの場合ローン審査が通らないことがあります。なぜなら住宅ローンは、購入する家を担保に融資を受けることになるからです。新築マンションや戸建てを購入する場合は、購入額=資産評価額となる傾向があるため、3000万円の物件を購入する場合に3000万円の融資を受けることは難しくありません。

しかし中古マンションになると様子が違ってきます。購入額に対して資産評価額が見合わないとなると、融資額が少なくなる、もしくは融資自体を断られることもありえるのです。例えば1000万円で中古物件を購入して、資産評価額が300万円と判断された場合、融資額は300万円になる可能性が高くなります。

そのため中古マンションの購入は資産価値が高い物件を見極める必要があります。また中古マンションにはすでにリフォーム済みの物件もあります。リフォーム済みの物件の場合、リフォームにかかった金額を物件価格に上乗せされている可能性が高いため、リフォーム「未着手」の物件を選ぶようにしましょう。

中古マンションのリノベーションにかかる費用

中古マンションを購入してリノベーションをするとなると、大きく分けて3つの費用がかかります。ローンを組む場合、これらの費用をまとめて借りることになるため、事前に総額を把握しておくと良いでしょう。

⦁ 中古マンション購入費用
中古マンションを購入してリノベーションする際、最も比重が高くなるのが中古マンションの購入費です。ちなみに首都圏における中古マンションの平均額は3644万円となっています。(2020年8月)また物件探しの際は物件価格に目がいきがちですが、管理費や修繕費にも注目しておきましょう。物件価格をはじめ、仲介する不動産会社によって差が出るポイントです。

⦁ リノベーション費用
物件を購入したらリノベーションをするための費用が必要になります。リノベーションの規模にもよりますが、一般的に700~1050万円程度必要です。壁を抜く、水回りを交換するなどの大規模工事になればなるほど、費用はかさみます。

⦁ 居住後に必要な費用
リノベーション終了後は、引越し、固定資産税、手数料などの費用が発生します。家具家電を新調する場合には、平均で150万円程度は余剰資金を残しておく必要があります。

中古マンションリノベーションの注意点

中古マンションをリノベーションする際は、下記のような点に注意しておきましょう。

⦁ 間取り変更ができないことがある
⦁ リノベーション可能なのは専有部分のみ
⦁ 管理規約にも注意

マンションには2種類の構造が存在しており、構造上、壁を壊すと耐震性などに問題をきたす場合があります。またリノベーションができるのは住戸内の専有部分のみです。専有部分をリノベーションする際も、管理規約にひっかかるリノベーションは行うことができないのでよく確認してから工事を行いましょう。

間取り変更ができないことがある

マンションはラーメン構造と壁式構造という建築方式があり、購入した物件が壁式構造の場合は注意が必要です。

⦁ ラーメン構造
ラーメン構造は梁と柱で建物を支える構造のことです。梁と柱の結合部を溶接しているため、壁を壊しても強度が大きく変わることはありません。そのため、間取り変更の自由度が高いのはラーメン構造と言えます。

⦁ 壁式構造
壁式構造は壁で建物を支える構造ことを指します。梁と柱で支えていないため、壁を壊してしまうと崩壊の恐れが出てきます。そのため壁式構造の物件では、壁を取り払うリノベーションはできません。

またキッチンなどの水回りはリノベーションするために給排水管を移動させる必要があります。給排水管は床下に空間がないと移動させることができないため、構造上、希望のリノベーションを行えない可能性があることも留意しておきましょう。

リノベーション可能なのは専有部分のみ

マンションでは「専有部分」と「共有部分」があり、リノベーションができるのは「専有部分」のみになります。

⦁ 共用部分
エントランスや廊下など、住民全員が利用する場所を指します。また意外に思われるかもしれませんが、部屋に付属するバルコニーや玄関ドアそのものも共有部分です。これらの共有部分は管理組合の許可なしに、個人の判断でリノベーションすることはできません。

⦁ 専有部分
住戸内の天井、壁、床などが専有部分にあたります。玄関のドアは共用部分でリノベーション不可ですが、ドアの鍵やドア内部の塗装に関しては専有部分となり、変更可能です。ただし、次項で説明する管理規約を外れたリノベーションは、例え専有部分であっても行うことができないので注意が必要です。

管理規約にも注意

マンションには、住民が快適に過ごすことができるように管理規約が存在します。管理規約では、リノベーションをする上でのルールを設けている場合もあります。例えば、以下のような項目です。

⦁ 申請書の提出
⦁ 工事方法
⦁ 指定業者
⦁ 水回り設備の移動禁止
⦁ 床材の遮音等級

管理規約を違反するようなリノベーションは行えません。そのため設計段階で管理規約の「専有部分の修繕等」といった項目を確認しておくと、思わぬトラブルを防止できます。

まとめ

生活の拠点としてマンションを考えている場合は、新築マンションよりも中古マンションを購入してリノベーションするのがおすすめです。理由は新築マンションの2/3程度の費用で理想の住まいを作れることと、物件によっては資産価値が購入時以下に下がらないからです。ただしリノベーションで理想の住まいを実現できるかどうかは、物件の構造をはじめ、リノベーションを依頼する会社にも大きく関係してきます。

公開日 2021年5月31日
更新日 2023年3月22日

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